「最近ぼーっとしている…歩くのが遅くなった…」

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「特発性正常圧水頭症(以下、iNPH)」の啓発活動にCSRの観点から20年以上にわたって取り組んできた、医療機器メーカー Integra Japan株式会社(東京都港区)は、啓発活動の新たな取り組みとして、iNPHの啓発動画を制作いたしました。iNPHは“改善できる認知症”として知られていますが、最も特徴的な症状は歩行障害であり、転倒の既往歴がある割合は60~80%と報告されているほど、よく転ぶ病気でもあります(※1)。疾患啓発動画は9月の世界アルツハイマー月間に向けて制作し、東海エリアでテレビCMとして放映を開始いたしましたが、転倒の原因疾患がiNPHである場合は治療によって改善が見込めることから、10月10日の転倒予防の日に合わせて、10月以降もWEB広告や映画館など、さまざまなチャネルで発信を続けていきます。
■iNPHについて
iNPHは高齢者が発症する可能性のある水頭症で、髄液が脳室内に過剰に溜まり、脳を圧迫することによって起こります。特徴的な症状として、歩行障害・認知症・尿失禁などがあり、髄液の流れをよくする治療によってこれらの症状が改善することから、”治療で改善する認知症”とも呼ばれています。その患者数は、少なくとも高齢者人口の1.1%程度とされており、『2022年版高齢社会白書』の高齢者人口をベースにすると、39万人よりも多い可能性が指摘されています。iNPHの症状は加齢に伴う症状によく似ているため、 治療を受けている人は、推定患者数の数%にとどまっています。

▼iNPHの3徴候

■歩行障害について
特に、iNPHの最も特徴的で、初期に現われやすい症状は歩行障害です。小股でよちよち歩く、少し足が開き気味で歩く、ひざが上がらずにすり足で歩く、などの歩き方は認知症が現れる他の病気と区別するポイントにもなります。また、症状が進むと、歩行が不安定でバランスが悪くなり、1歩目が踏み出しづらくなるため、転倒の大きな原因になることもあります。『特発性正常圧水頭症ガイドライン診療第3版』によると、バランス障害、姿勢反射障害、不安定性、椅子から立ち上がることが困難になる、突進歩行などにより、日常生活動作でふらついて転倒しやすく、転倒歴を聴取することが望ましいとされています。また、2020年5月~10月に実施した調査データによると、期間中に来院し頭部CTを施行した60~89歳の転倒患者は235人、うち40%の方々がiNPHの罹患者であったことが明らかになっていることからも、iNPHがいかに転びやすい病気であり、iNPHの早期発見が転倒予防に重要であるということが分かります(※2)。

▼iNPHの歩容

■啓発動画ストーリー
本動画では、実家に帰省した息子が、久しぶりに会う母のぼーっとした姿、不安定な歩き方に違和感を覚え、iNPHを疑ってから症状が改善するまでのストーリーを、15秒の中で描きました。iNPHは誰にでも発症する可能性のある病気で、早期発見・早期治療にはご家族や身近な方々の気づきが大変重要です。この動画を通して一人でも多くの方々にiNPHを知ってもらい、「もしかすると…?」とiNPHを疑うきっかけにしていただきたいという願いを込めています。

▼動画タイトル:iNPH 「親子」篇

《動画URL》https://inph.jp/media_002.html

■転倒予防の日をきっかけにiNPHに注目を
iNPHは、開脚・小刻み・すり足等が初期症状として現われますが、iNPHの治療を受けた場合の症状の改善度合いは80%とも言われ、早期発見により、転倒により起こる大きな事故を防ぐことも可能です。iNPH.jpの患者さんの体験談に登場いただいている患者さんが、「歩きづらくなったのは歳のせいだと思っていた」と話されていることからも、iNPHの症状が加齢に伴う症状によく似ているため、見逃されやすい病気であることが分かります(※3)。本動画でも、iNPHではないかと疑うきっかけづくりにしていただけるように、iNPHの最も特徴的な歩行障害に焦点を当てました。本日、10月10日の「転倒予防の日」は1年の中でも高齢者の転倒に改めて考え直すタイミングでもあります。iNPHに注目頂き、一人でも多くの方がiNPHの早期発見・早期治療、そして転倒予防につなげて頂けるよう、本動画を通じて啓発活動を続けてまいります。

※1 Nikaido et al, Gait Posture 63(2018) 5-9 Selge et al, Neurology 90 (2018) e1021-e1028

※2 2020年5月-10月に来院した、60-89歳の転倒患者235人の頭部CTを施行した結果
1possible iNPH(Evans’ index > 0.3かつiNPHの3徴全てを示す患者)と診断された患者は44人(18.7%)、probable iNPH(possible INPHのうちTap testが陽性であった患者)は29人(12.3%)、definite iNPH(手術を行い症状の改善を認めた患者)は25人(10.6%)であり、年齢性別をマッチさせたcontrol群に比べ、高齢の転倒患者にはiNPHが有意に多いことが明らかになった(p < 0.001)[6]

※3 転倒が増え、iNPHの治療を受けた患者さんのインタビュー記事
https://inph.jp/story_005.html

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