- ベトナム進出の背景
これまで中国の経済成長が注目される傾向にありましたが、新たに注目されているのがASEAN諸国です。経済成長に加え国民の若さからくる豊かな労働力は、海外進出を検討している企業にとって、非常に魅力的です。
その中で、2019年時点の平均年齢は31歳という突出した若さがあり、2020年時点でASEANにおいて人口第3位のベトナムが、特に注目されています。
ベトナムのGDP成長率は2017年以降6~7%で推移しており、2020年、2021年はコロナウイルスの影響で2.9%、2.5%へと落ち込みましたが、マイナス成長に陥る国が多い中、ベトナムはプラス成長を維持しています。また、2022年ベトナム政府はコロナ関連規制をほぼ撤廃し、経済成長優先に舵を切った結果、2022年上半期には6%の経済成長率まで回復しています。
加えて2020年から2030年の間にベトナムでは新たに3600万人が消費階層(中間層)に新たに加わるとされています。この消費階層の全人口に占める割合は、2000年当初は10%に満たない数字でしたが、現在は急激に成長し、63%程度にまで達しており、今後10年間で75%まで拡大すると見込まれています。
現地法人を設立したベトナム最大の都市であるホーチミンは、ASEANの中心に位置し、今後益々ASEAN諸国との交流が増える見込みです。
高い経済成長が見込めるベトナムで、中間所得層の増加による住宅などの工事需要の拡大、ロックダウン解除による建設工事の再開、また昨今の資材高騰による購買からレンタルへの意識の変化等、様々な要因によって、足場レンタルの需要が大きく拡大していくことが予測されます。
魅力の高いベトナムにおいて、当社が今まで培った足場レンタルのノウハウ・技術で、ベトナムの経済成長に大きく寄与したいと考えております。
2022年6月にベトナムホーチミンで開催されたべトビルド(ホーチミン最大の建設関係の展示会)で、当社もブースを出展し、現地で直接くさび式足場についての生の声をヒアリングしました。その結果、非常に高い評価を頂きました。
- ASNOVAの3つの強み
ベトナムへの進出に際し、大きく3つASNOVAの強みがございます。
1つ目は、日本で長年培った足場レンタルの管理ノウハウです。
足場の減価償却期間は5年ですが、徹底した管理を行えば、足場は20年、30年と長く使用できます。また当社の棚卸差異率は業界平均値の3%と比べ、0.002%以下に抑えております。この特徴を活かし、徹底した管理による安全性でベトナム現地のレンタル会社と差別化をはかり、足場レンタルといえばASNOVAといわれるポジションを確立したいと考えております。
2つ目は足場の機材保有量です。
現在既に1000t近い足場をベトナムに輸送しております。
今後も足場への投資を積極的に進め、ベトナム国シェアNo.1を目指します。
3つ目は日本製品の安全性、信用力です。
2017年からのテストマーケティングで輸送した経年くさび式足場に対して、非常に高い信用を得ていることを確認しております。ベトナム製の足場は品質が良くないため、5年程度で買い替えが必要です。しかし当社が輸送した足場は20年以上経過した足場になりますが、まだまだ活躍しており、徹底した管理を行えば、20年、30年と長く使用することが出来ます。
- ベトナムでの営業戦略
ベトナムでは現在3つの営業戦略を立てております。
まず1つ目に、ベトナムでのくさび式足場の認知度向上です。
既述の通り日本製のくさび式足場の利便性や評価については好評を頂いております。一方で、まだまだ施工性や品質の良さを伝えきれておりません。くさび式足場のブランディングを高め、ベトナムでの知名度を向上させます。
2つ目に、ベトナムでは足場レンタルの提案だけでなく、足場図面の設計や、足場の施工方法について、顧客に寄り添い、アドバイスすることにより、くさび式足場を利用して頂く戦略を考えております。
最後に、ベトナムはオフショア開発の誘致や、IT人材の育成に大きく力を入れており、国全体でDXを推進しております。日本では足場の受発注は電話やFAXが当たり前の商習慣ですが、ベトナムでは始めからWEBでの受発注、その他の業務もデジタル・ITを積極的に採用し、顧客満足度を向上させます。
- ベトナム ホーチミンの機材センター
出店候補地であるフーミースリー特別工業団地は、ホーチミン市内から60kmほどの立地にあり、3年後に完成予定である新国際空港からも近く、今後開発が進む地域であるため、非常に魅力的な立地です。
また広大な工業団地内にあるため、今後足場保有量が増加し、センターを拡大する場合も、同工業団地内でセンターの拡張が可能です。
- ASNOVA VIETNAMの今後の展望
ベトナムの顧客、販売チャネルは、あくまでもベトナム現地の建設会社を中心に考えており、日系企業のみを顧客として、足場レンタルする予定はございません。
日本と同様、規模感は小さくとも顧客数を増やし、リスクが分散されるビジネスモデルを構築したいと考えております。
また、ベトナムの成功を足掛かりに、周辺ASEAN諸国へ進出したいと考えております。足場レンタルはASEANでは発展途上であり、日本で培ったASNOVAのレンタルノウハウを世界に広げたいと考えております。
最後に、この足場レンタルビジネスは、足場をシェアするという、いわゆる循環型ビジネスであり、今後さらに注目されるビジネスになると考えています。
気候変動や資源不足などの社会課題に対処するため、モノを皆でシェアするという、ビジネスモデルへの転換が今後ますます必要とされてきています。
このようなことから、当社がベトナムでも、この足場レンタルを普及させることで、これらの社会課題を解決し、循環型社会の実現に貢献したいと考えます。
【動画】ベトナム現地法人設立
【株式会社ASNOVA 会社概要】
会社名 :株式会社ASNOVA
ASNOVA Co.,Ltd.
本社所在地:〒453-6126
愛知県名古屋市中村区平池町四丁目60番地の12 グローバルゲート26階
電話番号 :052‐589‐1848
FAX番号 :052‐589‐1849
設立 :2013年12月24日
資本金 :220百万円
従業員数 :117人 ※2022年3月時点
代表者 :上田 桂司
建設業許可:国土交通大臣許可(般-26)第25548号
保有許可証:愛知県公安委員会発行 古物商許可証 第541051804100号