需要回復局面における海外旅行市場を展望 『JTB海外旅行レポート2022 日本市場における海外旅行のすべて』を発刊

この記事は約6分で読めます。
株式会社JTB(東京都品川区、代表取締役 社長執行役員 山北栄二郎)は、コロナ禍における日本人の海外旅行意向と需要回復局面における海外旅行市場の展望をまとめた「JTB海外旅行レポート2022日本市場における海外旅行のすべて(旧称:JTB REPORT日本人海外旅行のすべて)」を発行しました。1988年以来、今年で35回目の発行となる本レポートは、独自のアンケート調査や各関係機関の統計資料に基づき、株式会社JTB総合研究所(東京都品川区、代表取締役 社長執行役員 風間欣人)が海外旅行マーケットの動向、構造を分析、編集・発行しており、9月30日(金)よりJTB総合研究所のホームページで販売します。
なお、これまで「JTB REPORT 日本人海外旅行のすべて」の名称で発行してきましたが、今年度より、「JTB海外旅行レポート日本市場における海外旅行のすべて」に名称変更をしました。
・東アジアにおける国際航空座席供給数の回復が海外旅行市場復活への鍵
・需要回復局面における海外旅行市場のキーワードは「旅行コストの上昇に見合う価値提供」
・海外旅行の最大の心理的なハードルは「感染症や病気などにかかるリスク」

(ポイント)
海外旅行マーケットは、2021年も新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けました。そのため、本レポートでは、例年実施していた独自アンケート調査に代えて、2022年3月(*)に実施した特別調査「コロナ禍におけるこれからの日本人の海外旅行意識調査」の結果を分析し、需要回復局面における海外旅行市場展望、およびコロナ禍における日本人の海外旅行意向を取りまとめています。

1.    東アジアにおける国際航空座席供給数の回復が海外旅行市場復活への鍵
需要回復局面においては、国際線座席供給量などの供給面が大きく影響します。国際線座席供給量をみると、水際対策の緩和が早かった欧米では既にコロナ前の水準に達している路線もあり、日本を含むアジアは大きく後れを取っています。アジアの国別でみると、特に中国本土、香港など東アジアの回復率が低い状況であることがわかります。コロナ前の2019年に、海外旅行者数が過去最高を記録した背景のひとつに、東アジアを中心とした訪日旅行者数の伸びとの連動があったと考えられていることからも、日本において発着共に主要な市場である東アジアの回復率が低いことは、需要回復局面に大きな影響を与えると考えられます。

【2022年7月~8月における国際航空旅客需要の回復率(2019年=100%)】

 

 

 

 

資料:OAG※データをもとに㈱JTB総合研究所が作成                              ※OAG(オフィシャル・エアライン・ガイド)とは、航空定期便のスケジュールや座席供給数など、全世界の航空関連のデータを扱っている 資料:OAG※データをもとに㈱JTB総合研究所が作成                              ※OAG(オフィシャル・エアライン・ガイド)とは、航空定期便のスケジュールや座席供給数など、全世界の航空関連のデータを扱っている 

2.    需要回復局面における海外旅行市場のキーワードは「旅行コストの上昇に見合う価値の提供」
需要回復局面における海外旅行市場のキーワードに、現地滞在費を含めた旅行コストの上昇があげられます。旅行コストの上昇は、比較的コストが低いデスティネーションに旅行者がシフトする、といった影響を与えることが考えられますが、現地コスト上昇率の推定値によれば、米国や欧州に限らず、台湾をはじめとするアジアも上昇していることがわかります。
一方、旅行者の意識をみると、日本人を対象に2022年3月に実施した「コロナ禍におけるこれからの日本人の海外旅行意識調査」では、海外旅行再開後に行きたいデスティネーションとして、ハワイや台湾が上位となっており、この結果は昨年度の調査結果と変わりませんでした。
主要方面の大半で旅行コストが大幅に上昇した例は、過去30年間を振り返っても見られない現象ですが、旅行者の海外旅行への意欲が失われたわけではありません。旅行コストが上昇しても、「海外旅行を求める旅行者は誰か」、「その旅行者が求める価値とは何か」を探り、適切な価値を提供していくことが、需要回復局面において重要なポイントとなりそうです。

【2022年7月時点における方面別の現地コスト上昇率推定値(2019年=100%)】

 

 

 

資料:物価は内閣府月例経済報告関係資料、為替は日本銀行をもとに㈱JTB総合研究所が作成            注:棒グラフ全体の長さが40.6%なら推定される現地コストが2019年比で140.6%(1.406倍)に上昇していることを示す    資料:物価は内閣府月例経済報告関係資料、為替は日本銀行をもとに㈱JTB総合研究所が作成            注:棒グラフ全体の長さが40.6%なら推定される現地コストが2019年比で140.6%(1.406倍)に上昇していることを示す    

【海外旅行再開後に行きたいデスティネーション】

資料:(株)JTB総合研究所「コロナ禍におけるこれからの日本人の海外旅行意識調査」(2022年3月実施)資料:(株)JTB総合研究所「コロナ禍におけるこれからの日本人の海外旅行意識調査」(2022年3月実施)

3.    海外旅行の最大の心理的なハードルは「感染症や病気などにかかるリスク」
2022年3月に実施した「コロナ禍におけるこれからの日本人の海外旅行意識調査」によれば、「新型コロナウイルスのような感染症や病気にかかるのが怖い」など、感染症や病気に対する不安が最大の心理的ハードルとなっていることがわかりました。今後の需要回復局面においても、感染症に対する不安感は残ることが予想されます。
また、「入国、もしくは帰国時に隔離期間がある」ことも上位にあげられています。日本の水際対策は9月上旬に大幅に緩和されましたが、これが観光目的の海外旅行の需要回復にどの程度結びつくか、注目されます。

【性年代別 海外旅行に行く際のハードルや心配なこと】

 

資料:(株)JTB総合研究所「コロナ禍におけるこれからの日本人の海外旅行意識調査」(2022年3月実施)資料:(株)JTB総合研究所「コロナ禍におけるこれからの日本人の海外旅行意識調査」(2022年3月実施)

【本レポートは、以下のリンクよりご購入いただけます】
日本語サイト     :https://www.tourism.jp/store/item/whitepapers/jtb-outbound-report-2022/
英語サイト        :https://www.tourism.jp/en/tourism-database/publications/jtb-outbound-report-2022/

————————————————————————————–

『JTB海外旅行レポート2022 日本市場における海外旅行のすべて』
・監修: 株式会社JTB
・編集・発行・販売:
      株式会社JTB総合研究所
    〒140-0002 東京都品川区東品川2丁目3-14 東京フロントテラス7階
          TEL: 03-6260-1200 / FAX: 03-6260-1210         
・定価: 13,200円 (本体12,000円)

———————————————————————————-
 

タイトルとURLをコピーしました