夏から冬にかけて子どもの間で流行する風邪は、感染力が強いRSウイルスによるものです。保育園や幼稚園などの施設内感染の原因の一つとされ、乳児では半数が、2歳までにほとんどの子どもが感染し発症します。場合によっては、細気管支炎、肺炎へ重症化する可能性があります。微熱や咳、鼻水など風邪のような症状が続くようであれば、RSウイルスの感染が疑われます。その後、苦しそうに呼吸するなど呼吸困難症状がみられた場合は重症化のサインです。すぐに病院で受診しましょう。
RSウイルスが伝播する経路は、「飛沫感染」と「接触感染」です。高い感染リスクから子どもたちを守るためには、丁寧な手洗いと徹底した消毒が有効です。大人でも感染することがあり、呼吸器症状がみられる場合は子どもとの接触は避けること、やむを得ない時はマスクを着用して飛沫感染を防止します。また、子どもは手に取ったおもちゃを口に運んでしまうことがあり、あらかじめおもちゃをエタノール消毒して接触による感染を防ぎましょう。
コロナ禍を機に、社会では感染症予防対策の習慣化が進みました。同じように、「かからない、うつさない」を日ごろから心がけ予防を徹底することで、RSウイルス感染も防ぐことができます。
◆テーマ
「子どもの夏風邪 RSウィルスとは」
◆解説者
中田孝明
株式会社Smart119 代表取締役
千葉大学大学院医学研究院 救急集中治療医学 教授
https://twitter.com/Nakada119
谷口昌志
堺市立総合医療センター集中医療科医長
◆印刷用資料ダウンロードリンク
https://smart119.biz/manga/000517.html
◆RSウイルスの特徴
- 感染力がとても強い呼吸器感染症
- 保育園・幼稚園で多発する施設内感染の一つ
- 生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の乳幼児が感染
- 主に冬場に流行する感染症だが、夏~秋にも注意が必要
- 有効な抗ウイルス剤がない
- 治癒後も再感染することがある
◆症状
- 潜伏期間は2〜8日(典型的には4〜6日)
- 感染した乳幼児の25〜40%が細気管支炎、肺炎を発症する
- 咳の悪化、喘息に似た症状、無呼吸、呼吸困難症状には要注意
◆治療
特別な薬がないため、症状に合わせた対処療法となる
◆予防方法
- 飛沫感染防止の観点から、呼吸器症状がある時は人と接触をしない。やむを得ない場合は、マスクを着用する
- 接触感染防止の観点から、手指消毒を徹底する。外出後、食前、トイレの後、鼻をかんだ後は、丁寧な手洗いをする。また、子どものおもちゃはエタノールで消毒する。
◆参考資料
・国立感染症研究所
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/3173-rs-intro.html
・厚生労働省
◆医療情報イラストレーション・シリーズ ホームページ
https://smart119.biz/manga/
※画像など当コンテンツを報道にて引用いただく場合は、「(株)Smart119 提供」と記載ください。また、その際はpress@smart119.bizまでご一報いただけますと幸いです。
<株式会社Smart119について>
株式会社Smart119は「現役救急医が設立した、千葉大学医学部発スタートアップ」です。
『今の「119」を変える』ため、音声認識とAIを活用した救急医療支援システム「Smart119」を開発・運用。
千葉市において、日本医療研究開発機構 (AMED) の救急医療に関する研究開発事業を実施。
緊急時医師集合要請システム「ACES」、災害時をはじめ、医療事業継続支援システム「respon:sum」の開発・運用を行っています。Smart119は「安心できる未来医療を創造する」を目指します。
【株式会社Smart119概要】
会社名: 株式会社Smart119
住所: 千葉県千葉市中央区中央2丁目5-1千葉中央ツインビル2号館 7階
設立: 2018年5月
代表者: 中田 孝明
事業内容:
音声認識とAIを活用した救急医療支援システム「Smart119」の開発・運用
緊急時医師集合要請システム「ACES」の開発・運用
医療事業継続支援システム「respon:sum」の開発・運用
URL: https://smart119.biz
Twitter: https://twitter.com/Smart119_jp
メールアドレス: press@smart119.biz (担当:中村)