- イベント概要
・みえのうみ通信社~1000年続く伝統を再確認~三重の豊かな海の守り方
・8月29日~30日/9月3日・7日(後半は参加可能な日を選んでのオンライン会議)
・三重県志摩市・鳥羽市
・17人
・志摩市大王町船越前浜/志摩自然学校/鳥羽市立海の博物館/三重県水産研究所 など
- ベテラン海女に取材、採るアワビの大きさにはルールがあった
子供たちは、4人~5人の班に分かれ、各班のキャップと共に、記者として取材にあたります。8月29日の午前中は、志摩市大王町に行き、海女が5千年以上前、縄文時代の中ごろから存在していたことを聞かされます。海女はアワビをはじめ、サザエ、トコブシ、イセエビ、ウニなどを採りますが、アワビは10.6cm以下のものはまだ産卵して次の世代を残すため、採らないようにするなど、海の資源の管理も行っていることを学び、子供たちは熱心に耳を傾けていました。さらに、近年はどんどんとアワビをはじめとした生き物が減っており、このままではアワビなどが食べられなくなってしまうかもしれないと、海の環境に変化が起こっていることを知りました。
午後は志摩自然学校に到着、ガイドによる漕ぎ方の講習を受けて、海へ漕ぎ出します。ガイドは途中、ここ3年で海草が急激に減ってしまったことを説明し、その後はみんなで無人島へ。無人島ではメガネを使って海の様子をのぞき込み、海草がほとんどないことを目の当たりにすると、子供たちからは驚いた様子が見られました。
この日最後に訪れたのは鳥羽市立海の博物館、ここで海女の動画や、鳥羽・志摩地方で古くから使われている漁の道具の展示などを見て更に知識を深めます。ホテルについても子供記者の業務は終わりではありません。それぞれの班に分かれて、今日取材したことについてまとめていきます。
- 三重県水産研究所で最新技術を学ぶ、そして二日間で学んだことをまとめに
翌日30日は、志摩市の三重県水産研究所へ。ここでは近年のアワビの減少を防ぐ対策として、アワビの子供である稚貝にタグを付けて放流し、その稚貝がどのぐらい生き残ったかを調査・研究しています。職員によるスライドの説明の後は、研究所内の水槽施設に移動して、海の資源を守るための最新技術である栽培・放流などの手法について学び、子供たちは大きな水槽に興味津々の様子でした。また、研究所の人たちがどんな事に注目しているかを取材しました。
午後は、この二日間で学んだことを形にするために、各班に分かれて話し合い、「今、海に何が起きているのか」それを受けて「自分たちはどうしていくのが良いのか」を発表しました。
次に、スーパーマーケット「ぎゅーとら」の惣菜担当の人たちと、海についてのメッセージを込めたお弁当を考え、タイトル、伝えたいメッセージ、包装紙の絵柄などを決めていきます。このお弁当は後日、実際に店舗で販売されます。最後に、自分たちの学んだこと、伝えたいことを海と日本プロジェクトin三重県実行委員会の廣田恵子委員長に発表しました。
- オンラインで添削を受け、文章をより良いものに
その後、子供たちは9/3の昼と夜、9/7の夜に、それぞれ分かれてライターの渡辺龍太先生による添削を受けました。オンライン授業の中では、自分が何を伝えたかったのか、それを伝えるためにはどうしたら良いのかを対話形式で行い、文章をより良いものにしていきます。この文章は後日、中日新聞三重版の1面特集記事として、子供たちが書いた記事を中心に構成する「みえのうみ通信社」として掲載されます。
- 参加者の声
参加した子どもたちからは「海女さんの職業は思っていた以上に大変で、この人たちのおかげで貝などの海の幸が食べられるのがよく分かった。」「年々減っているアワビを増やすために、たくさんの人が様々な試みをしていることが分かった」「今回取材で知ったことを受けて、豊かな海を未来に残すためにできることをしていきたい。」などの感想が寄せられました。
<団体概要>
団体名称:海と日本プロジェクトin三重県実行委員会
URL:https://mie.uminohi.jp/
活動内容:三重県は南北180キロにわたって海岸線に面していて、海ととみに経済や文化が育まれてきました。そんな海の歴史や海が果たしてきた役割、そして私たちに与えてくれる海の恵みや楽しさを再発見し、海ともっとふれあい、海のことを「自分ごと」としてとらえてもらうきっかけを提供しています。
日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
https://uminohi.jp/