ノバルティス ファーマ、乾癬治療のための生物学的製剤「コセンティクス®皮下注300mgペン」の剤形追加承認を取得

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ノバルティス ファーマ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:レオ・リー、以下、ノバルティス)は、9月9日、尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬に対する生物学的製剤「コセンティクス®皮下注300mgペン」(一般名:セクキヌマブ(遺伝子組換え)、以下「コセンティクス」)の剤形追加承認を取得したことをお知らせします。
国内において、尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬を患う成人患者に対する治療として、1回300mgのセクキヌマブの投与が認められています。また、50kg以上の小児患者についても、状態に応じて1回300mgを投与することができます。これまで、「コセンティクス」は、75mgシリンジ製剤および150mgペン製剤が国内において製造販売されており、300mgの投与を必要とする場合は、150mgペン製剤による2回の皮下注射が必要とされていました。今回承認された300mgペン製剤には150mgペン製剤と同じ薬液が2倍量充填されているため、一度に300mgを注射することが可能となり、患者の負担軽減や投与時の利便性の向上が期待されます。

なお、この新剤形についても、ノバルティス ファーマ株式会社とマルホ株式会社(本社:大阪府大阪市北区、代表取締役社長:杉田 淳)は、国内の皮膚科領域で継続して共同プロモーションを行います。 

コセンティクス®(一般名:セクキヌマブ)について
「コセンティクス」は、乾癬、強直性脊椎炎、およびX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎の全身性炎症および進行に関与する重要なサイトカインであるインターロイキン-17 A(IL-17A)を直接阻害する、最初に承認されたヒト型の生物学的製剤です[1-3]。

「コセンティクス」は、乾癬および強直性脊椎炎について、成人における実臨床下での長期使用の経験および小児乾癬を対象とした臨床試験での長期データなど、堅固な臨床的エビデンスを有しています[2,4,5]。これらのデータは、乾癬、脊椎関節炎の迅速かつ長期にわたる包括的治療における「コセンティクス」の重要なポジションを強化するものです。「コセンティクス」の上市以来、世界で40万人を超える患者さんが投与を受けています[6]。

乾癬について
乾癬は、高頻度に見られる非感染性の自己免疫疾患で、世界中で1億2,500万人を超える患者が罹患しています[7,8]。乾癬の1/3は小児期に始まり、その発症は青年期に最も多くみられます[7,9]。世界中で最大35万人以上の小児が影響を受けています[7]。尋常性乾癬は最も高頻度に見られる病型であり、角質が銀白色に積み重なり、盛り上がった紅斑として現れます。

乾癬は、長期的に持続し、時に悲痛な疾患であり、患者の日常生活のわずかな側面にも影響を及ぼす場合があります。乾癬患者のほぼ30%が、乾癬性関節炎を発症しているか、あるいは今後発症する可能性があります[10]。関節症性乾癬では、関節にも病巣が広がり、痛み、こわばり、不可逆的な関節損傷などの深刻な症状を引き起こします。乾癬はまた、糖尿病、心疾患、うつなど、その他の重篤な疾患とも関連しています[10]。

ノバルティス ファーマ株式会社について
ノバルティス ファーマ株式会社は、スイス・バーゼル市に本拠を置く医薬品のグローバルリーディングカンパニー、ノバルティスの日本法人です。ノバルティスは、より充実したすこやかな毎日のために、これからの医薬品と医療の未来を描いています。ノバルティスは世界で約11万人の社員を擁しており、8億人以上の患者さんに製品が届けられています。詳細はホームページをご覧ください。https://www.novartis.co.jp
以上

参考文献

  1. Sieper J, Poddubnyy D and Miossec P. The IL-23-IL-17 pathway as a therapeutic target in axial spondyloarthritis. Nat Rev Rheumatol. 2019;15:747-757.
  2. Mease PJ, Kavanaugh A, Reimold A, et al. Secukinumab Provides Sustained Improvements in the Signs and Symptoms of Psoriatic Arthritis: Final 5-year Results from the Phase 3 FUTURE 1 Study. ACR Open Rheumatol. 2020;2:18-25.
  3. Girolomoni G, Mrowietz U and Paul C. Psoriasis: rationale for targeting interleukin-17. Br J Dermatol. 2012;167:717-24.
  4. Bissonnette R, Luger T, Thaçi D, et al. Secukinumab demonstrates high sustained efficacy and a favourable safety profile in patients with moderate‐to‐severe psoriasis through 5 years of treatment (SCULPTURE Extension Study). J Eur Acad Dermatol Venerol. 2018;32(9):1507-1514.
  5. Baraliakos X, Braun J, Deodhar A, et al. Long-term efficacy and safety of secukinumab 150 mg in ankylosing spondylitis: 5-year results from the phase III MEASURE 1 extension study. RMD Open. 2019;5:e001005.
  6. Data on file. COSENTYX Access. Novartis Pharmaceuticals Corp; October 2020.
  7. Menter A, Cordoro KM, Davis DMR, et al. Joint American Academy of Dermatology-National Psoriasis Foundation guidelines of care for the management and treatment of psoriasis in pediatric patients. J Am Acad Dermatol. 2020;82(1):161-201.
  8. National Psoriasis Foundation. The impact of psoriasis. Available from: https://www.psoriasis.org/psoriasis-statistics/. Accessed: May 26, 2021.
  9. Tollefson MM, Crowson CS, McEvoy MT, et al. Incidence of psoriasis in children: a population-based study. J Am Acad Dermatol. 2010;62(6):979-987.
  10. National Psoriasis Foundation. Psoriatic disease: about psoriasis. Available at: www.psoriasis.org/about-psoriasis. Last accessed January 2018.

<参考資料>
コセンティクス®皮下注75mgシリンジ、コセンティクス®皮下注150mgペン、コセンティクス®皮下注300mgペンの製品概要

製品名(下線部は今回追加承認された剤形):
「コセンティクス®皮下注75mgシリンジ」(Cosentyx® for s.c. injection 75mg syringe)
「コセンティクス®皮下注150mgペン」(Cosentyx® for s.c. injection 150mg pen)
「コセンティクス®皮下注300mgペン」(Cosentyx® for s.c. injection 300mg pen

一般名:セクキヌマブ(遺伝子組換え)〔Secukinumab(Genetical Recombination)〕

効能又は効果*
<75mgシリンジ、150mgペン>
既存治療で効果不十分な下記疾患
尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、強直性脊椎炎、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎
<300mgペン>
既存治療で効果不十分な下記疾患
尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬

用法及び用量*
<尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬>
通常、成人にはセクキヌマブ(遺伝子組換え)として、1回300mgを、初回、1週後、2週後、3週後、4週後に皮下投与し、以降、4週間の間隔で皮下投与する。また、体重により、1回150mgを投与することができる。
通常、6歳以上の小児にはセクキヌマブ(遺伝子組換え)として、体重50kg未満の患者には1回75mgを、体重50kg以上の患者には1回150mgを、初回、1週後、2週後、3週後、4週後に皮下投与し、以降、4週間の間隔で皮下投与する。なお、体重50kg以上の患者では、状態に応じて1回300mgを投与することができる。

承認取得日:
2022年9月9日

製造販売:
ノバルティス ファーマ株式会社

*効能又は効果に関連する注意並びに用法及び用量に関連する注意は、電子化された添付文書(電子添文)をご覧下さい。

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