映画は、日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した「ミッドナイトスワン」の内田監督の最新作。ストーリーは、阿部寛さん演じる犯罪捜査一筋30年の鬼刑事・成瀬が突然警察音楽隊に配属となり、奮闘するヒューマンドラマです。
今作は、愛知県警音楽隊のフラッシュモブ映像から着想を得たオリジナル脚本。撮影は、昨年8月に約1カ月にわたり、豊橋市のほか、隣接の豊川市や蒲郡市、静岡県湖西市で行われました。
9割ほどの撮影が豊橋市で行われ、創業100年を越える老舗うどん店「勢川本店」や水上ビルのお好み焼き店「伊勢路本店」といった地元の名店、豊橋駅東口のサークルプラザ、こども未来館ここにこ、市公会堂などが使われました。アイプラザ豊橋での定期演奏会の撮影では、市民エキストラ約300人が協力しました。
試写会は、エキストラや撮影協力者ら約200人が参加。鑑賞中は、随所に映るなじみ深い場所の数々に大興奮の様子で、上映終了後には大きな拍手が湧き起こりました。
その後、内田監督とロケを誘致し、撮影支援に取り組む「とよはしフィルムコミッション(とよはしFC)」の鈴木恵子さんが登場。
内田監督はこれまでも、「ミッドナイトスワン」と短編映画「家族マニュアル」を市内で撮影しており、この日のあいさつでも「映画界で一番豊橋で撮影をしている監督」と自身を紹介。
「『豊橋が撮影するのにいいらしい』と、他の監督に目をつけられるのは嫌だなと思っています」と笑いを誘いました。
最後は「ミッドナイトスワン」のように多くのリピーター獲得を期待し、「一つの自治体で映画が盛り上がり、全国へ波及していく映画が実際に何本もある。ぜひこの映画も多くの人に見てもらいたいので、応援していただければと思います。また撮影で豊橋に来ると思うので、その時には撮影にもぜひ参加してください」と呼び掛けました。
この日は、豊橋市の浅井由崇市長も応援に駆けつけ、「豊橋をかわいがっていただき、感謝を申し上げます。大ヒットを願っています」とあいさつしました。
試写会後は、メディア向けの記者会見がロワジールホテル豊橋で行われました。
内田監督は、ロケ場所としての豊橋市の魅力について、「豊橋市公会堂もそうだが、昭和然としていて近代的ではないが、何かセンスを感じられる物件が豊橋には多い。ちゃんとリアリティのある温かさがありつつ、でも古い、そういう物件が見つけやすい地域」と言います。
また、撮影には地域とのコミュニケーションも不可欠で、「ロケ場所を探して車で走っていると思わぬいい場所が見つかることがある。そのたびに(とよはしFCが)きちんと交渉してくれて、根気強く付き合ってくれる」と、とよはしFCの行動力も魅力だと語ります。
「すごくいろんなところで撮影しているが、嘘ではなくて、豊橋が一番やりやすい。映画の撮影は邪魔に思われることが多く、スタッフ一同、凹むことも少なくないが、豊橋ではそれがない。市民がのんびりしていて、おおらか。移住するなら豊橋かなと思うほど」と、豊橋愛をのぞかせていました。
映画は8月26日(金)から全国260館以上で公開予定です。