スーダン紛争3年 3カ月で245人の子どもが死傷 8割がドローン攻撃で ユニセフ「重大な権利侵害行為の即時停止を」 【プレスリリース】

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ジャジーラ州で、すぐに食べられる栄養治療食(RUTF)を口にする子ども(スーダン、2026年3月16日撮影) © UNICEF/UNI962628/Elfatih

【2026年4月14日 ニューヨーク/ポートスーダン発】

スーダンで紛争が始まってから間もなく3年。死傷者の増加や大規模な避難、飢餓に加え、治安悪化などによって人道支援へのアクセスも困難となり、極めて深刻な人道危機が続いています。ユニセフ(国連児童基金)は、とりわけ子どもたちが大きな犠牲を強いられているとして、警鐘を鳴らしています。

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スーダンの紛争が発生から3年を迎える中、最も大きな代償を払い続けているのは子どもたちです。今年1月から3月までの間に、国内各地で少なくとも子ども160人が死亡し、85人が負傷したと報告されています。これは2025年の同時期と比べて50%の増加に当たります。最も多くの死傷者が記録されたのはダルフール地方とコルドファン地方で、暴力が続いているためコミュニティは存亡の危機に瀕しています。

3年に及ぶ激しい紛争は前線の移動と戦闘地域の拡大を伴い、そのため500万人を超える子どもたちが避難を強いられ、その多くが度重なる移動を余儀なくされています。

南コルドファン州カドクリから、白ナイル州のゴズ・アルサラーム国内避難民キャンプまで逃れてきた親子。母親のハリマさんは、7人の子どもを連れて、21日間歩きたどり着いたという(スーダン、2026年2月15日撮影) © UNICEF/UNI954445/Dawod
白ナイル州のゴズ・アルサラーム国内避難民キャンプで、コルドファン州から避難してきた家族が寝起きする仮設シェルターの様子(スーダン、2026年2月15日撮影) © UNICEF/UNI951466/Dawod

ユニセフ事務局長のキャサリン・ラッセルは次のように述べました。「この3年間、スーダン各地で、子どもたちは想像を絶する規模で命を奪われ、けがを負い、住む場所を追われてきました。子どもたちの家、学校、病院は、今なお攻撃にさらされ続けています。子どもに対する暴力を正当化する理由など一切ありません。これは、紛争当事者が皆、共通して、子どもたちの最も基本的な権利を守るという責任を果たせていないことを示しています」

最も深刻な影響を受けている地域では、相次ぐ攻撃により、家屋、学校、市場、病院が次々と破壊されています。新たな戦闘手段はより危険になっており、報告された子どもの死傷者の78%は無人機(ドローン)攻撃によるものです。

戦争が勃発してからこれまでに、国連はスーダン全土で少なくとも5,100人の子どもに対する5,700件を超える重大な権利侵害*を確認しています。そのうち4,300人以上が亡くなるか、重度の障がいを負っています。子どもの死傷者数が最も多く記録されているのも、ダルフールとコルドファンの両地方です。実際の数ははるかに多いとみられますが、治安の悪化や戦闘の被害を受けた地域へのアクセス制限により、状況把握と事実確認を継続的に行うことが妨げられています。

家族たちは、過密で不安定な環境で生活することを余儀なくされ、また基本的サービスも十分に機能しなくなっています。治安の悪化やインフラの損傷、手続き上の制約により、スーダン国内の多くの地域が人道支援から切り離されたままです。こうしたアクセス上の問題は、ダルフール、コルドファン、そして青ナイルの一部で特に顕著であり、最も支援を必要とする多くの子どもたちが、支援の手が届かない状況に置かれています。

暴力や度重なる避難、人道支援への厳しいアクセス制限を背景に、飢餓や疾病が広がり、飢きんのリスクが高まっています。家族たちが移動を余儀なくされる中で、生計手段は断たれ、市場は機能しなくなり、基本なサービスも次々と破綻しています。エル・ファーシルとカドグリではすでに飢きんが確認されており、ウム・バルとケルノイでも飢きんのリスクが高まっています。

事態の重大さは、栄養不良の子どもの数にも表れています。スーダン全土で、2026年には推計420万人の子どもが急性栄養不良に陥ると見込まれており、このうち82万5,000人以上は重症に該当します。重度の急性栄養不良は、緊急に治療が行われなければ命に関わる恐れがあります。

ジャジーラ州の保健センターで、上腕計測メジャーを使った検査により栄養不良を意味する「赤」が示された子ども(スーダン、2026年3月16日撮影) © UNICEF/UNI962499/Elfatih

戦争は、子どもたちの教育を受ける権利にも大きな影響を及ぼしています。スーダンでは、学校の3分の1以上が閉鎖され、さらに11%の学校が避難所として使われている、あるいは紛争当事者によって占拠されていると報告されています。つまり、国内の学校施設の半数近くが、もはや教室として使用されていないことになります。現在、スーダンでは少なくとも800万人の子どもが、学校に通えていない状況にあります。

治安の悪化やアクセス上の困難が続く中でも、ユニセフはスーダン各地で、命を守るための保健、栄養、水、子どもの保護、教育の各分野における支援を続けています。しかし、こうした対応は、次第に限界に近づいています。

2026年、ユニセフは790万人の子どもたちに命を守る支援を届けるために6,290万米ドルを必要としています。しかし、3月現在、必要な資金のわずか16%しか集まっていません。

「子どもを守るためには、すべての紛争当事者が、子どもに対する重大な権利侵害行為を直ちに停止し、国内全域での安全かつ迅速で妨げのない人道アクセスの担保などの国際法を遵守する必要があります。命を守るユニセフの活動を支えてくださっているドナーの皆さまに、心より感謝しています。しかし、人道的ニーズは資金をはるかに上回るペースで増大しており、ユニセフは国際社会に対し、支援の強化を緊急に呼び掛けます。スーダンの子どもたちが置かれている耐え難い状況から、目を背けることはできません」(ラッセル事務局長)

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■ 脚注

*子どもに対する重大な権利侵害には、死亡させたりけがを負わせたりする行為、拉致・誘拐、徴兵・徴用、性的暴行やその他の形態の性暴力、学校や病院への攻撃、人道アクセスの拒否などが含まれます。

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■ ユニセフ・スーダン事務所で緊急支援専門官を務める日本人職員の中富晶子が、大規模な避難民キャンプのあるタウィラから子どもたちの現状を報告する動画はこちらからご覧いただけます。

スーダンの子どもたちの状況を日本人スタッフがご報告 /日本ユニセフ協会
2026年4月15日で、紛争開始から3年が経過するスーダン。ユニセフ・スーダン事務所で緊急支援専門官を務める中富 晶子が、スーダンの子どもたちの近況をお伝えします。「子どもたちを守り、心の傷を癒し 、将来の夢を描けるように、その描いた夢を実現できるように、支援していくのがユニセフの使命だと思っています」2023年...

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■ ユニセフについて

ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。https://www.unicef.org 

※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する32の国と地域を含みます

■ 日本ユニセフ協会について

公益財団法人 日本ユニセフ協会は、32の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、アドボカシーを担っています。https://www.unicef.or.jp 

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