静岡県では、2025年~2028年の4年計画として「茶業振興計画」を推進している。本計画における施策
の3本柱(1.茶業の構造改革による生産力の強化 2.輸出拡大と供給力の強化 3.静岡茶ブランドの構築と文化の継承)の一つとして、 2025年7月「静岡茶ブランディングプロジェクト」を始動し、各種の取り組みを進めてきた。この度、4月14日(火)、鈴木康友知事は、本プロジェクトのブランドネームとロゴマーク、及び今後のアクションプランを発表した。

静岡茶ブランディングプロジェクトとは
日本を牽引する茶産地である静岡県が、世界に向けて静岡茶の価値を再定義し、日本発のグローバルブランドとして世界に発信する取り組み。鈴木知事のもと、クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏を総合プロデューサーとして迎え、生産者・茶商・あらゆる茶業関係者が一丸となって共創・進行している。
【静岡茶の現状・課題】
■ 生産者の高齢化と後継者不足により、茶生産の担い手は大きく減少。
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生産者の高齢化・後継者不足が深刻化。1965年に6万8373戸だった茶栽培農家数が、2025年には5827戸に。
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茶園面積と荒茶生産量も年々減少。1985年には2万3000haだった茶園面積も、2025年には1万1600haに。
※出典:農林業センサス、農林水産統計(農林水産省)
■ 荒茶生産量は鹿児島県に抜かれ、統計開始以来初めて2位へ。
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1959年の調査開始以来初めて、2024年の荒茶生産量で静岡県は鹿児島県に抜かれ、2年連続で2位となった。
■ 世界的な抹茶ブームに対する戦略的対応が遅れている。
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抹茶を中心に海外需要が拡大し、2025年の輸出額は721億円と、過去最高だった2024年の約2倍に急増。しかし静岡では抹茶の材料になるてん茶の生産が少なく、需要に応えられる十分な生産体制が整っていない状況にある。
■ 「プレミアム茶」としてのブランドイメージが不十分。
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静岡茶の世界での認知度の低さに加え、国内でもプレミアム茶のイメージが不十分であることが課題に。
■ 人口減少や文化の変容等により、国内需要が頭打ちになっている。
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生活様式の変化やペットボトル飲料の普及等による若年層の「急須離れ」が顕著。
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急須で淹れるリーフ茶の消費量は減少する一方、ティーバッグやペットボトル緑茶の消費は増加。
【静岡茶ブランディング・プロジェクトの目的】
プレミアム・グローバルブランディング
静岡茶の本質的価値の向上と、世界に対しての認知拡大を狙うため、当プロジェクトは、プレミアム・
グローバルブランディングを目標に掲げ、遂行していく。プロジェクトの立ち上がりとして、ブランドネーム・ブランドロゴ・ブランド定義・初期アクションプランを策定。
参考:静岡県公式ホームページお茶振興課
https://www.pref.shizuoka.jp/kensei/introduction/soshiki///.html
【ブランディングプロジェクトネーム】
JAPAN TEA SHIZUOKA
歴史的輸出茶ラベル「蘭字」で使用されていたネーミング「JAPAN TEA」に、地域ブランド「SHIZUOKA」を加え、ブランディングプロジェクトネームとした。「静岡」「お茶」「日本」という要素を全て網羅したこの名前で、世界に対してブランド構築していく。
【ブランドロゴ・コンセプト】
現代の蘭字
ブランドロゴ・コンセプトは、「現代の蘭字」。歴史的輸出茶ラベル「蘭字」を現代的に再解釈し、デザイン化。日本、そして静岡のシンボルでもある雄大な富士山と、その前に広がる茶畑という、静岡茶を代表する風景をモチーフとし、特徴的なオリジナルフォントで、JAPAN TEA SHIZUOKAを力強く表現。
蘭字とは
幕末の開港により輸出茶が始まり、当初の茶箱には錦絵師による「茶箱絵」が貼られていた。 その後、茶の種類や商標を記した輸出ラベル「蘭字」が作られるようになり、明治期以降広く使われるようになった。蘭字は浮世絵職人によって作成され、カラフルな多色刷りで、富士山や桜など、日本を象徴するモチーフの絵が配置されており、「JAPAN TEA」と記されていた。日本文化を海外に伝える広告に似た意味もあったと見られており、日本のグラフィックデザインの先駆けとも言われている。

【ブランド定義】 JAPAN TEA SHIZUOKAの定義
静岡県産一番茶100%使用&静岡県内仕上げ加工100%
100%SHIZUOKA FIRST FLUSH&CRAFTED
地域団体商標では、静岡県内産茶葉100%使用したものを「静岡茶」と定義している。今回のプロジェクトでは、ここにさらに茶葉の品質や加工技術の高さを反映するため、静岡県産の一番茶品質と仕上げ加工技術の高さを同時に訴求。静岡茶ブランドのプレミアム価値を高め、生産者・茶商・その他関係者を含めた静岡の茶葉全体にブランド価値が波及する効果を目指す。
【静岡茶の理解を深めるためのコアバリュー】
静岡:日本のリーディング茶産地SHIZUOKA:JAPAN’S LEADING TEA REGION
静岡県については、➀歴史➁生産量・出荷量➂産地多様性➃技術力(深蒸しや煎茶の開発に寄与)➄関連産業 の集積などの要素から、「JAPAN’S LEADING TEA REGION(日本のリーディング茶産地)」と説明できる。
■ 多様な茶産地
江戸時代の東海道五十三次のなかで数多くの宿場を有していた静岡は、多様な茶産地が広がる茶文化の 歴史的集積地でもある。
<多様な茶産地> 富士 富士宮 沼津 清水 両河内 浜松 静岡 本山 藤枝 島田 川根 金谷 牧之原 御前崎 菊川 掛川 御殿場 森 袋井 磐田 天竜 春野
FUJI FUJINOMIYA NUMAZU SHIMIZU RYOGOCHI HAMAMATSU SHIZUOKA HONYAMA FUJIEDA SHIMADA KAWANE KANAYA MAKINOHARA OMAEZAKI KIKUGAWA KAKEGAWA GOTEMBA MORI FUKUROI IWATA TENRYU HARUNO
【アクションプラン】
JAPAN TEA SHIZUOKAを広げるための今後のアクションプランとして、以下を予定。
①WEBサイト制作
WEBサイトを制作し、JAPAN TEA SHIZUOKAプロジェクトの内容を発信していく。
②公式ノベルティ制作
ノベルティグッズとして、JAPAN TEA SHIZUOKAのオリジナルTシャツ、ミニ茶箱、はっぴ、エプロンなどを 制作。JAPAN TEA SHIZUOKAを国内外に発信し、認知度向上とともに、静岡茶ブランドの支持層を広げて いくためのツールとして活用していく。
③オリジナル商品の販売
多様な静岡茶の味わいを伝えるティーバッグセットなど、オリジナル商品の販売も検討中。
④TEA TOURISM(ティーツーリズム)茶体験によるブランド価値向上
世界文化遺産「富士山」と美しい「茶畑」の景観のなかで味わう静岡ならではの特別な茶体験を通して、 世界中の人々にJAPAN TEA SHIZUOKAのプレミアムブランド価値を高める。
⑤海外でのPR発表会
世界の茶業界の中心となる学術的会合・商談会でのブランド発表やPRを継続的に実施していく。 開催場所(予定):米国カリフォルニア大学UCデービス校のコロキウムや、ドイツ・米国などのお茶のトレー ディングショーなど。

静岡茶ブランディングプロジェクト国内発表会







【JAPAN TEA SHIZUOKA 公式ホームページ】


