商船三井と出光興産が海洋プラスチックの再資源化に向けた実証実験を開始

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株式会社商船三井(以下「商船三井」)と出光興産株式会社(以下「出光興産」)は共同で、海洋プラスチックの再資源化(油化ケミカルリサイクル、註1)に向けた実証実験を開始します。

商船三井グループの日本栄船株式会社では、海洋環境保全を目的にタグボートの基地として利用している広島市営桟橋に海洋浮遊ゴミ自動回収装置「Seabin(シービン)」(註2)を設置しています。当実証実験では、「Seabin(シービン)」を利用して回収した海洋プラスチックを原料として、出光興産の子会社であるケミカルリサイクル・ジャパン株式会社が、油化ケミカルリサイクル技術により生成油を生産します。

この一連の取り組みを通じ、出光興産は石油化学製品や燃料油の原料として生成油が利用可能かを確認するとともに、海洋プラスチックの再資源化の実現可能性を検証します。将来的には、海洋プラスチック由来の生成油を原料に、出光興産の石油精製・石油化学装置を活用して「リニューアブル化学品」や「リニューアブル燃料油」(註3)の生産を目指します。

当取り組みを通じて目指す姿当取り組みを通じて目指す姿

商船三井グループは、経営計画「BLUE ACTION 2035」https://www.mol.co.jp/ir/management/plan/pdf/blueaction2035.pdf において環境戦略を主要戦略の一つとして位置付けています。また「海洋・地球環境の保全」をサステナビリティ課題の一つに掲げ、その目標とアクションを示すため「商船三井グループ環境ビジョン2.2」https://www.mol.co.jp/sustainability/environment/vision/pdf/vision22/mol_group_environmental_vision_2.2.pdf?v=230428 を定めています。海洋プラスチックごみの回収をはじめとする海洋環境保全の取組みだけでなく、気候変動・生物多様性の保護といった様々な地球環境への負荷低減をグループ一丸となって進めています。人・社会・地球のサステナブルな発展に貢献し、青い海から豊かな未来をひらきます。

商船三井のサステナビリティ経営の全体像商船三井のサステナビリティ経営の全体像

出光興産は2050年カーボンニュートラル社会の実現に向け、2030年ビジョン「責任ある変革者」、2050年ビジョン「変革をカタチに」を掲げています。昨年11月に発表した中期経営計画(対象年度:2023~2025年度)https://www.idemitsu.com/jp/company/managementplan/index.html では、下記の「3つの事業領域」の社会実装を通して「人々の暮らしを支える責任」と「未来の地球環境を守る責任」を果たしていくことを表明しました。

海洋プラスチックの再資源化の取組は、出光興産が中期経営計画にて表明した3つの事業領域のうち「多様な省資源・資源循環ソリューション」の社会実装に向けた取り組みの一環です。

当実証実験を通じて、両社でカーボンニュートラルおよび循環型社会の実現、ならびに海洋環境保全の促進に向けて取り組んでまいります。

(註1) 「油化ケミカルリサイクル」とは、使用済みプラスチックを油化して、生産した生成油を原料に「リニューアブル化学品」や「リニューアブル燃料油」を製造する再資源化の手法。出光興産の以下過去リリースをご参照ください。
2023年4月20日付 

使用済みプラスチックを原料とした油化ケミカルリサイクル商業生産設備への投資決定について

使用済みプラスチックを原料とした油化ケミカルリサイクル商業生産設備への投資決定について -環境エネルギー株式会社と合弁会社「ケミカルリサイクル・ジャパン株式会社」を設立- | ニュースリリース | 出光興産

(註2) 「Seabin(シービン)」は、株式会社平泉洋行が販売する、海水を毎時25,000ℓ吸収し、潮流に浮遊する海洋ゴミを回収する装置。商船三井の以下過去リリースをご参照ください。
2022年10月28日付
海洋浮遊ゴミ自動回収装置を広島市営桟橋に設置 ~海洋環境保全・地域社会の発展に貢献~

海洋浮遊ゴミ自動回収装置を広島市営桟橋に設置 ~海洋環境保全・地域社会の発展に貢献~ | 商船三井
商船三井の「海洋浮遊ゴミ自動回収装置を広島市営桟橋に設置 ~海洋環境保全・地域社会の発展に貢献~」を掲載しています。

(註3) 「リニューアブル化学品」、「リニューアブル燃料油」とは、使用済みプラスチックを原料に油化ケミカルリサイクルを行い、生産した生成油から製造された化学品や燃料油のこと。出光興産の以下過去リリースをご参照ください。
2023年9月19日
世界遺産 宗像大社 沖津宮遥拝所周辺の海洋プラスチックごみから生成した油を宗像市に寄贈

世界遺産 宗像大社 沖津宮遥拝所周辺の海洋プラスチックごみから油化した生成油を宗像市に寄贈 ―当社の事業と関連した企業市民活動として、ビーチクリーン活動から油化、地元還元までを一連して実施― | ニュースリリース | 出光興産

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