ダイドーグループホールディングス株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:髙松 富也)の連結子会社であるダイドーファーマ株式会社(以下「ダイドーファーマ」という。)は、ランバート・イートン筋無力症候群(以下「LEMS」という。)への効果が期待される治療薬(開発番号:DYD‐301、一般名:アミファンプリジンリン酸塩)について、日本国内におけるLEMSの患者様を対象とした第Ⅲ相臨床試験の良好な解析結果の速報(6ヵ月時点での中間データ)を得ましたので、お知らせします。
本試験は成人LEMS患者に対するアミファンプリジンリン酸塩を1年間投与する第Ⅲ相試験です。
今後、本試験成績等をもとに、日本国内における製造販売承認申請をめざします。
アミファンプリジンリン酸塩は、ダイドーファーマが、Catalyst Pharmaceuticals, Inc.(以下「カタリスト社」という。)から、日本国内でのLEMSを対象とした治療薬の共同独占的開発・製造販売実施権および独占的商品化実施権の許諾を取得し、日本における治療薬の開発を行っているものです。
アミファンプリジンリン酸塩は、すでに欧米においてLEMSを適応症として承認されている医療用医薬品で、カタリスト社が米国でFirdapse®という商品名で販売しています。
(ご参考)
ランバート・イートン筋無力症候群について
自己免疫性・神経筋接合部疾患で、神経終末からのアセチルコリン放出量減少により近位筋の筋力低下、自律神経症状などの症状を呈しています。悪性腫瘍に合併、あるいは腫瘍の発症に先行する傍腫瘍性神経症候群の1つです。
DYD-301 (アミファンプリジンリン酸塩)について
DYD-301(アミファンプリジンリン酸塩)は,経口のK+(カリウムイオン)チャネル阻害剤であり、神経筋接合部の前シナプス膜にある膜電位依存性K+チャネルを阻害することで、細胞膜の脱分極を引き起こし、膜電位依存性Ca2+(カルシウムイオン)チャネルを開口させ、細胞内へのCa2+の流入を促進することにより、アセチルコリン(ACh)を含むシナプス小胞のエキソサイトーシスを誘発して、シナプス末端からシナプス間隙へのAChの放出を促進、神経-筋伝達を向上させることで筋肉の機能を改善します。アミファンプリジンリン酸塩は、厚生労働省から希少疾病用医薬品の指定を受けており、ヨーロッパおよびカナダにおいては、既に成人LEMS患者、米国においては、成人及び6歳以上の小児LEMS患者の治療薬として承認されています。
カタリスト社(Catalyst Pharmaceuticals)について
カタリスト社は米国フロリダ州Coral Gablesに本社を置くバイオ製薬企業であり、神経筋及び神経系の希少疾患に対する画期的な治療法の開発と商業化に焦点を当てております。カタリスト社は、2018年11月にFDA(アメリカ食品医薬品局)から成人のLEMS治療薬としてamifampridineの承認を取得しました。
カタリスト社は患者さんのためをモットーに、希少な神経学的およびてんかん性疾患に対処する革新的なファーストインクラスの薬剤の開発と商業化に取り組んでいます。カタリスト社の米国での製品ポートフォリオには、FIRDAPSE®(アミファンプリジン)10mg錠があり、これは成人および6歳から17歳までの小児のランバート・イートン筋無力症候群(LEMS)の治療に承認されています。2023年1月には、カタリスト社はFYCOMPA®(ペランパネル)CIIIの米国での商業権を取得しました。本剤は4歳以上のてんかん患者、2次的な全身発作の有り無しに関わらず部分発作を他剤で治療している患者、12歳以上のてんかん患者で初発の全身硬直間代性発作を他剤で治療している患者に対しての治療薬として承認されています。さらに、カナダの国立医薬品規制当局であるHealth Canadaは、カナダでの成人LEMS患者に対する治療にFIRDAPSEの使用を承認しています。詳細な情報は、カタリスト社のウェブサイトをご覧ください。
ライセンス契約に関するニュースリリースについて
カタリスト社とのライセンス契約に関しては、2021年6月28日に公表したニュースリリースをご参照ください。
連結子会社によるライセンス契約締結のお知らせ(https://ssl4.eir-parts.net/doc/2590/tdnet/1994479/00.pdf)