「政治・経済社会の情報を得るため」の視聴に大きな差
~「テレビのネット配信に関する調査 前編:テレビ番組のリアルタイム視聴と動画配信サービスとの比較編」~
調査の背景
2022年4月よりテレビ番組のリアルタイム配信が本格的に始まったことを受け、テレビ番組のリアルタイム視聴と動画配信サービスについて、視聴態度や視聴目的などについて比較調査しました。前編では、それぞれの視聴頻度や視聴態度、視聴目的について考察しています。後日公表予定の後編では、リアルタイム配信の認知、利用意向などについて考察いたします。
「テレビのネット配信に関する調査(前編)」の主な結果
■「自分はテレビ子だと思う」は40代以降、「見たい番組を録画または動画配信サービスで見る」は30代以降に多い
「自分は“テレビ子”だと思う」という問いに対して「とてもあてはまる」あるいは「あてはまる」と回答した人は、40代以降で5~6割であるのに対し、30代以下では3割前後となりました。一方、「見たい番組はリアルタイムより録画または動画配信サービスで見る」という問いに対して「とてもあてはまる」あるいは「あてはまる」と回答した人は、40代以降で4割前後であるのに対し、30代以下では5割超となりました。
■「地上波のテレビ番組がなくなったら困る」は30代以降で、「動画配信サービスがなくなったら困る」は30代以下で多い
「地上波のテレビ番組がなくなったら困る」という問いに対しては、30代以降で5割を超え、年代が上がるにつれて割合が高くなり、50代、60代では7割を超えています。
一方、「動画配信サービスがなくなったら困る」という問いに対しては、40代以降は5割に満たないですが、30代以下では6割を超えています。
■「政治・経済社会の情報を得るため」の視聴で、テレビ番組(リアルタイム)と動画配信サービスに大きな差
「地上波のテレビ番組(リアルタイム)/動画配信サービスを視聴するのは何のためか」という問いに対して、「政治・経済社会の情報を得るため」とする回答で大きな差が確認できました。テレビ番組視聴では「政治・経済社会の情報を得るため」との回答が67.2%であったのに対し、動画配信サービスでは25.5%となりました。
■今回の調査を通じて
今回の調査では「デジタルネイティブ」である30代とそれ以前の40代を境界として視聴頻度や態度に大きな差がみられました。テレビが若年層の視聴を得るためには動画配信サービスでのコンテンツ提供は必須になると考えられます。現在の10代~20代が社会人、家庭人となったときにテレビ局の存在感を維持するために、報道系番組のネット配信が重要な接点になるでしょう。
調査の詳細
「テレビのネット配信に関する調査(前編)」
2022年4月よりテレビ番組のリアルタイム配信が本格的に始まったことを受け、テレビ番組のリアルタイム視聴と動画配信サービスについて、視聴態度や視聴目的などについて比較調査する。
調査期間:2022年4月28日(木)~5月9日(月)
調査方法:朝日大学マーケティング研究所のパネル利用によるインターネット調査
対象者:居住地 首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)
年 代 10代・20代・30代・40代・50代・60代 ※ただし10代は13歳以上
性 別 男女不問
回収サンプル数:600
調査データはこちら: http://marketing.asahi-u.ac.jp/wp-content/uploads/2022/08/202208.pdf
朝日大学マーティング研究所「公開リサーチデータ」
マーケティング研究所では、話題のサービス、消費トレンド、世の中の新しい動きを先取りした事象について、自主的に「トピックス・リサーチ」を実施し、調査データ集積のポータルサイトとして広くデータを公表しています。また、企業様などからの市場調査のご要望にスムースにお応えするために首都圏、東海圏など全国規模のモニターにアクセスできる仕組みを保有しています。
■名称:公開リサーチデータ
■調査レポート: 200本以上
■詳細:http://marketing.asahi-u.ac.jp/data/
朝日大学マーティング研究所について
【会社概要】
本社所在地:岐阜県瑞穂市穂積1851
所長:中畑 千弘 (経営学部教授)
事業内容: 消費行動の分析および研究、経営コンサルティン、マーケティングリサーチ、商品開発支援、
講演会・社会人セミナーの実施等
設立: 2002年4月
HP:http://marketing.asahi-u.ac.jp/