【背景】
日本国内においては、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、再生可能エネルギーへの関心やニーズの高まり、FIT制度※1の後押しもあって、太陽光発電が急速に普及・拡大してきました。一方で、国内の太陽光パネルの廃棄量は、設置年数の経過と共に拡大し、2040年には現在の約200倍にあたる年間80万トンになると試算※2され、使用済太陽光パネルの適切な廃棄処理が今後大きな社会的な課題になることが想定されています。
【取り組みの概要】
NTTアノードエナジーは全国に保有している太陽光発電所の適切な運用・保守管理により、太陽光パネルのライフサイクルを延長させ、廃棄する太陽光パネルの発生抑制に努めるとともに、情報通信機器等の廃棄処理設備や廃棄物の収集・運搬・リサイクルのノウハウや実績を有し、リサイクル体制を全国に構築している近畿電電輸送と連携し、使用済太陽光パネルのリサイクルを実施していきます。具体的には、NTTアノードエナジーが全国に所有する太陽光発電所の使用済太陽光パネルを近畿電電輸送の協力のもと、アルミ枠、ガラス屑、バックシートの3つに分類した上で、それぞれ、金属資源への再利用、二次製品化、そして溶解処分及び銀、鉛等の抽出により、有害物質の流出を防止するとともに、2030年頃までに使用済太陽光パネルの廃棄100%リサイクルをめざします。(図1:参照)
図1:処理工程フロー
【今後の展望】
NTTアノードエナジーは、使用済太陽光パネルのリサイクル100%達成をめざすとともに、今回構築した近畿電電輸送の使用済太陽光パネルのリサイクルスキームを通じて、自社保有設備だけでなくSPC※3等の出資先にも使用済太陽光パネルのリサイクル処理の働きかけを実施していくことで、NTTグループが掲げる「環境保護の取り組み」※4として、資源が循環する未来の実現に貢献していきます。
[注]
※1 FIT制度とは、再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が「一定価格」で「一定期間」買い取る
ことを国が保証する制度。 FIT制度の対象となる再生可能エネルギーは、太陽光発電、風力発電、水力
発電、地熱発電、バイオマス発電の5つ。
※2 環境省ホームページ「太陽光発電設備のリサイクルなどの推進に向けたガイドライン(第一版)」より
※3 特定目的会社(specific purpose company)の略称。
※4 NTTホームページ「環境保護の取り組み」https://group.ntt/jp/environment/protect/recycling/
・文中の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
以 上