個人情報分離管理サービス「ELEMENTS CLOUD」を提供

株式会社ELEMENTS（本社：東京都千代田区、代表取締役：久田康弘）は、この度、個人認証領域で培った情報セキュリティ技術を活用して、企業の様々なユーザーの個人情報を分離管理するサービス「ELEMENTS CLOUD（エレメンツクラウド）」を提供開始します。まずは、埼玉を中心に展開している医療法人社団医凰会（本部：埼玉県所沢市、理事長：林義智）が新たに始めるオンライン診療におけるユーザーの個人情報を管理します。また調剤薬局など他のパートナー企業が保有する個人情報と連携することで、診療や服薬指導を通じた健康に関する個人最適化の実現も支援します。

「ELEMENTS CLOUD」について

■背景

東京商工リサーチの調査(*1)によると、昨年だけでも、上場企業とその子会社で個人情報の漏えい・紛失事故を公表したのは150社、事故件数は165件、漏えいした個人情報は592万7,057人分（前年比3.0％増）となっており、多くの企業で個人情報管理が大きな問題となっています。また大手企業に限らず、近年は、半数以上の病院が利用する電子カルテシステム(*2)を狙った個人情報に対する攻撃も増えており、医療機関においても個人情報管理の重要性はますます高まっている状況です。

ELEMENTSは、子会社の株式会社Liquidを中心に、国内の様々な大手企業の個人認証、情報分析を担ってきました。それらで培った情報セキュリティ技術や暗号鍵分散管理技術を個人情報管理に特化させ、この度の「ELEMENTS CLOUD」提供に至りました。

■新サービスについて

「ELEMENTS CLOUD」は、ELEMENTSが個人情報の分離管理を支援することで、導入企業の個人情報保管を不要にするサービスです。導入企業は、個人情報を「ELEMENTS CLOUD」に預けた後、個人情報を利活用するトークンキーの保持のみで、個人情報を保持する必要がなくなります。

今までの個人情報管理は、自社で管理システムを構築したり、セキュリティ会社に管理を委託したりするなど個人情報自体を自社で保管しているため、不正アクセスやサイバー攻撃を受けた場合、個人情報自体が流失してきました。それに対して「ELEMENTS CLOUD」は、ELEMENTSが個人情報を保管するため、導入企業は、個人情報ではないそれ自体には意味のないトークンキーのみの管理になり、万が一攻撃を受けた場合でも、個人情報の流失を防ぐことが可能です。専門人材がいない企業でも、膨大な工数をかける必要なく、セキュリティ対策を行うことができます。

■医凰会への導入について

オンライン診療におけるユーザーの個人情報を管理します。また調剤薬局などのパートナー企業がもつ個人情報と連携し、ユーザーが希望する時間での診療や診療方針を通じて、各ユーザーに合った健康管理を実現します。またユーザーが希望する場合には、医療以外のフィットネスや食品スーパーなど様々な機関やサービスともデータ連携することで、予防などの健康管理も可能にしていきます。

■今後について

今後の展開としては、「ELEMENTS CLOUD」へ積極的に投資を行い、希望する企業、ユーザーからの同意に基づいて、医療情報などお預かりする情報の匿名化、仮名化を行いながら、情報の利活用を社会全体として進めることで、医療費の適切化などの社会課題解決に取り組んでまいります。

(*1)出典：株式会社東京商工リサーチ 2022年「上場企業の個人情報漏えい・紛失事故」調査