これらの取り組みが評価され、先月には国土交通省による「令和5年度空き家対策モデル事業」に当社が採択されました。採択された当社事業である「オーナー登録促進及び早期成約のための空き家バンク強化に向けたSNS活用モデル事業」の推進により一層取り組むこととなり、更なる社会問題である空き家対策、地方創生の期待を受けています。空き地・空き家問題解消へ向けた令和5年度税制改正が公表されたことも追い風となり、危険家屋になる前の空き家バンクへの登録促進や、空き家オーナーと空き家活用希望者のマッチングを当社事業で一層促進します。今後2年で100の自治体への導入を目指して、活用を促進し、事業を通じた社会貢献をして参ります。
(*1) 空間データとは、空間表現に関わるデータ、写真などの2D画像から動画、360°VRコンテンツから3Dデータまでを含む言葉
(*2) 参考:2022.04.25リリース https://info.spacely.co.jp/news/2883/
(*3) 令和5年度国土交通省税制改正事項(住宅局関係抜粋)https://www.mlit.go.jp/report/press/house03_hh_000160.html
■背景
少子高齢化や地方における人口減少などによる空き家数の増加が社会問題となっています。2020年に発表された「平成30年住宅・土地統計調査」(総務省統計局)では、空き家数は848万9千戸で全国の住戸の13.6%を占めて過去最高となりました。管理が行き届いていない空き家は地域に防災上、衛生上、景観上などの観点からさまざまな悪影響を及ぼします。今後の少子高齢化の流れの中、さらなる空き家増加が見込まれる地域は多く、有効的な対策が喫緊の課題となっています。
他方、新型コロナ問題に対応したニューノーマルな働き方において、地方に住みながら都市部の企業で働くリモートワークや、観光地や帰省先など自宅以外の休暇先でリモートワークをするワーケーションに注目が集まりつつあり、地方の空き家への需要は高まりつつあります。
そのような中、ホームページで空き家情報や地域の魅力を発信をしている自治体も多いものの、充実した情報を提供できていないために成果に結びついていないことや、問い合わせや内見対応による自治体職員への負担増が課題となっていました。また、オーナー側にとっても空き家バンクへ登録促進するための周知やそのメリットを訴求する必要があります。それを解決する手段として、オンラインでいつでも分かりやすい空き家情報を提供し、安心して内見をしてもらうことができる360度VRコンテンツが効果的と考えられ、当社のVRクラウドソフト「スペースリー」の導入が進みました。
■導入による効果
昨年4月時点で10だった導入自治体数が、8月8日時点で54にまで拡大しました。広島県、和歌山県、高知県においては県単位での導入となり、県がVRを活用した空き家対策に力を入れて取り組む事例が広がっています。
□ 広島県
~全国初となる県単位での空き家対策としてVRを導入。問い合わせや登録数等で前年比2~4倍の高い成果~
広島県は全国で最も早く、県単位での空き家対策として当社VRクラウドソフト「スペースリー」を導入した県です。広島県で最新のデジタル技術を活用する実装支援事業「ひろしまサンドボックス」においてスペースリーが採択されたことから取り組みが始まりました。
江田島市では、スペースリー導入後の問い合わせ数が前年比2倍、成約数ペースは前年比2.4倍となっただけでなく、職員の電話問い合わせ対応時間が削減され業務の効率化にも繋がりました。物件登録数においては導入直後に通常月比3.9倍となり、その後も高い水準での登録数を担保できており、放置されていた空き家の登録促進にも成果が出ています。また、廿日市市では、スペースリー導入前は県内からの内見申込みが多数を占めていたものが、導入後は県内に限らず県外からも「VRを見た」と来県し内見する人が増えています。
このように江田島市や廿日市市を初めとした他県内の市町村での成果を受け、広島県では昨年7月から県単位での導入が決定し、広島県全域の空き家バンクをVR化する取り組みが進展しました。
*ひろしま空き家バンク みんと。:https://minto-hiroshima.jp/
□ 岡山県笠岡市
~導入直後から問い合わせ増加!導入からたった4か月でVR内見可能物件の2割以上が成約~
笠岡市では、以前から空き家バンクでのマッチングを行ってきていましたが、実際に笠岡市へ足を運ぶことが難しいために内覧が叶わず、結果的に移住を諦めるケースが相次ぎました。そこで、現地に来れなくても空き家を360度リアルに確認してもらうため、空き家バンクに当社のスペースリーを活用したVR空き家内見のページを開設した結果、導入直後から問い合わせ数が増加し、4ヵ月後にはVR内見可能物件の2割以上が契約もしくは契約間近となるなど、即効性の高い効果が得られました。
*笠岡市空き家・空き地バンク:https://www.city.kasaoka.okayama.jp/site/teijyuu/8894.html
□ 秋田県にかほ市
~VRによってわかりやすい空き家の情報提供が可能となり、成約・移住者数が増加~
にかほ市では、空き家の掲載は通常写真のみだったため、家探しをするHP利用者にとって具体的なイメージを描きにくい状況に課題を感じていました。スペースリーを導入し空き家の様子をよりわかりやすく利用者に提示できるようになったことにより、成約数と移住者数が増加し地域活性化に繋がっただけでなく、これまで未登録だった空き家の登録も増加しました。ほとんどの人がVRを見た上で問い合わせ、現地内見に来ており、県外からの移住者も増えています。
*にかほーむ:https://www.nikahome.jp/pages/vacant-house-information
□ 和歌山県
~実証導入の4か月間で成約1件と商談7件!限られた職員数でも高い満足度の移住サポートを実現~
和歌山県でも、これまで各市町村での空き家相談会やセミナー開催、専門相談員の育成などに積極的に取り組んできましたが、今後は限られた人員で満足度の高い移住希望者の住まい探しの支援を実現し、物件の掲載件数を更に増やし空き家への移住促進に繋げることを目的として昨年12月にスペースリーの実証導入をしました。その結果、開始からわずか4か月で成約1件と商談7件に繋がったこと、VR掲載物件はVR掲載の無い物件に比べて商談に進む割合が5.5倍も多かったこと、また問い合わせ数増加や自治体職員の案内負担の軽減といった効果が見られたことにより、今年4月には県単位での正式導入が決定しました。
*わかやまLIFE:https://www.wakayamagurashi.jp/house/search/
参考)広島県廿日市市の空き家サンプルコンテンツ:https://spacely.co.jp/hatsukaichi-city/542373?v2
■セミナー実施
空き家問題の解決をテーマとした空き家対策でのVRコンテンツを活用した取り組みを全国の自治体に参考にしていただくため、360°パノラマVRのスペースリーを活用し、空き家バンクからの移住促進に取り組んでいる地方自治体の実例をご紹介いたします。ご興味ある方は奮ってご参加ください。
– 日時:2023年8月22日(火)14:00-15:30
– 場所:オンライン(Zoom)
– 概要:【自治体向けセミナー】
空き家問題解決に向けた「公民連携」最前線
相続手続き~利活用/売却~除却まで最先端の解決策と実例をご紹介
– URL:https://info.spacely.co.jp/seminars/7082/
■今後の展開
今後も更に多くの自治体及び関連する公共団体、そして地方の不動産住宅分野の事業者に活用いただくことで、空き家対策や人口減少対策として地方創生への貢献、そして、地方のDX推進による成約率アップや業務効率化による事業貢献を推進できるよう邁進し、ゆくゆくは「空き家対策ソリューション」としてのVRが当たり前となる未来を目指し、地域社会の皆さまに貢献して参ります。
■ 株式会社スペースリー
空間データ活用プラットフォーム「スペースリー」は、2016年11月の開始以来、不動産・ハウスメーカーの営業活動や製造業の研修分野のDX推進のために7200以上の利用事業者にサービス提供されています。リーズナブルな価格、直感的な操作で、ウェブブラウザ再生可能な高品質のパノラマVRコンテンツを制作・編集・管理、活用までが一括してできるクラウドソフトです。
スペースリーは、業界初の遠隔地でも簡単にVR空間の案内ができる遠隔接客機能や、パノラマVR写真へ家具を自動配置する機能を含むAI空間設計シミュレータ機能をいち早く実現する高い技術力を特徴としています。また、株式会社スペースリーは360°空間データや視線データの活用のためのAI x VRの研究開発を推進するためのSpacely Labを設立・運営しています。
会社名:株式会社スペースリー
代表者:森田 博和
資本金:7.6億円(資本準備金含む)
設立年:2013年8月
所在地 [本社] 〒150-0002 東京都渋谷区渋谷3-6-2 第2矢木ビル3F