パナソニック株式会社 空質空調社(以下、パナソニック 空質空調社)は、日本向けルームエアコン「エオリア」はじめ住宅システム機器について、国内での研究開発及び生産体制を強化します。機器の省エネなど環境技術やシステム向けクラウド開発を加速させるとともに、2023年度より順次、ルームエアコンについて中国広州工場から滋賀県草津工場などに生産を移管、新たに部品共通化・モジュール化設計を導入します。このような国内回帰による地産地消で、多様な顧客ニーズや需要動向に柔軟かつ迅速に対応すると同時に、モノづくり革新によって生産効率向上を目指します。
昨今、脱炭素社会の実現に向けた取り組みが世界各国で推進されていることに加え、新しい生活様式が定着する中、空気質への関心が高まっています。このような状況下、国内では、住宅の消費エネルギーを正味ゼロにするZEH(※1)が2030年度の標準化に向けて拡大し、環境に配慮した空調機や、温度調節のみならず、換気、除菌などにも対応したシステムが求められています。
パナソニック 空質空調社は従来から、市場に近い立地を生かした「地産地消」のモノづくりを進め、顧客ニーズを反映した商品をタイムリーかつスピーディーに展開してきましたが、今回、日本向けルームエアコンなど住宅システム機器についても実現します。具体的な取り組みは、以下の通りです。
1.【環境テクノロジー革新】研究開発の加速で、多様な国内ニーズに対応
国内の多様な顧客ニーズに応えるため、今月稼働した草津工場新棟のR&Dエリアでは、高気密、高断熱なZEH住宅を再現した住環境試験室や自然冷媒の性能評価室・騒音測定室など、最新鋭の設備を導入し、省エネや自然冷媒に関する環境技術開発を加速させます。また昨年4月、愛知県春日井工場内に開設した、除菌など空質の研究を行う「IAQ(※2)検証センター」と連携し、空調、空質の両機能を搭載したシステム開発を進めます。
2.【継続顧客接点強化】システム向けクラウド開発強化で、快適で省エネな空間を提案
今後、国内では、幅広い顧客ニーズに対応するため、ルームエアコンと熱交換気ユニット(※3)、空気清浄機、レンジフードなど様々な機器を組み合わせて、住まい全体を冷暖房、換気、空気浄化するシステムの普及が見込まれます。パナソニック 空質空調社は、このようなシステム向けのクラウド開発を強化し、各機器のオン・オフ操作、運転状況の把握などを実現するとともに、将来的には空気質センシングによる機器のトータル制御を目指し、快適と省エネを両立した住空間を提案していきます。
3.【オペレーション改革】国内回帰と部品共通化設計で、リードタイム短縮と開発・モノづくり工数を大幅削減
日本向けルームエアコンは現在、草津工場と中国広州工場にて生産しています。今後、国内で需要が見込まれ、省エネ性が高い、高付加価値な高級、中級モデルについては、草津工場などに設備投資を行い、広州工場から生産を移管、納品までのリードタイムを約4分の1に短縮するとともに、流通在庫を圧縮しながら欠品を防ぎます。また現在は、シリーズ毎に部品仕様が異なりますが、今回新たに部品を共通化・モジュール化する方式を導入して点数を約3割減らすことで、開発及びモノづくり工数を大幅に削減します。この新設計方式で、金属を接合するロウ付け加工などの自動化による省人化、構内物流DX導入などによる部品・製品在庫のミニマム化及び需要変動への柔軟な対応、部品加工工程での切り替え工数減少による稼働率向上を目指します。
パナソニック 空質空調社は、ルームエアコンの最適な開発生産体制の構築により、お客様のニーズ対応した省エネ、高品質、高付加価値な製品・システムを提供し、快適で健やかなくらしに貢献していきます。
※1:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略。
※2:Indoor Air Qualityの略で、室内空気質を指す。
※3:給気と排気の熱を交換しながら、熱ロスを抑制した換気を行う機器。
全文は以下プレスリリースをご覧ください。
▼[プレスリリース]日本向け住宅システム機器の研究開発、生産体制を強化(2023年6月22日)