■背景・経緯
富士見市では、これまで不要になった市内の中学校・高校の制服や体操着・ジャージなどのリユースや、市民同士で行なうリユースの機会創出などを行なってきました。さらに、近年では、近隣の3市で構成する志木地区衛生組合(富士見市・志木市・新座市で構成)が管理する粗大ごみの中で、まだまだ使うことができそうな不要品をリユース品として販売するなど、廃棄物削減とリユースに積極的に取組んできました。しかしながら、更なるリユース推進を図り、市民のリユースへの意識向上を促すためには、新たなリユース施策導入が必要だと考えていました。他方、マーケットエンタープライズは、リユース事業を中心に事業展開しており、「持続可能な社会を実現する最適化商社」をビジョンに掲げ、「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」への参画や、「楽器寄附ふるさと納税」実行委員会の一員として活動を続けるなど、官民の垣根を超えたSDGsへの取組に注力してまいりました。そうした中で、富士見市が働きかけ、「リユース活動促進による循環型社会の形成を目指したい」という互いのニーズが合致したため、「おいくら」※1を用いた今回の取組が実現しました。
※1 「おいくら」とは
おいくらは、マーケットエンタープライズが展開する、リユースプラットフォームです。不要品を売りたい方が「おいくら」を通して査定依頼をすると、全国の加盟リサイクルショップに一括査定依頼され、買取価格を比較することができます。一度の依頼だけで不要品の買取価格をまとめて比較し、売却できる手軽さが好評で、これまでおよそ110万人(2022年11月現在)の方にご利用いただいております。
ウェブサイト:https://oikura.jp/
■富士見市の課題と「おいくら」による解決策
富士見市では、自己搬入と戸別収集による粗大ごみの回収を行なっています。戸別収集では、1日に収集する件数が限られており、新型コロナウイルス感染拡大による住環境の変化に加えて、処理施設の大規模改修で受け入れ件数の制限が重なったことから、回収までに2~3週間ほど要しており、市民から「回収までの期間が長い」、「引っ越しまでに間に合わない」などの声が寄せられていました。また、戸別収集では市民が屋外まで粗大ごみを搬出しなければならないため、高齢世帯から「屋外へ出すことができない」という声も聞かれました。「おいくら」は、希望すれば自宅の中まで訪問し対応する出張買取が可能で、大型品や重量のあるものでも売却が容易にできます。加えて、最短だと「おいくら」を通じて買取依頼をした当日に、不要品売却と受け渡しが可能となります。本取組によって、不要品の処分を検討する際に「ごみ」として廃棄せず、「まだ使えるかもしれない」・「価値があるかもしれない」と気付いて自主的にリユースすることができれば、廃棄物量の減少や、市が負担する廃棄物処理に関する費用削減が見込まれます。なお、市民のサービス利用に関する費用負担はもちろん、富士見市の費用負担もありません。
■今後について
6月22日(木)より、富士見市ホームページ内(https://www.city.fujimi.saitama.jp/kurashi_tetsuzuki/gomi_recycle/gomi/sodaigominosutekata.html)に「おいくら」の情報が掲載され、直接不要品の一括査定申し込みが可能になります。これまで市では回収を行なっていなかった家電リサイクル法対象のテレビや冷蔵庫、洗濯機などの製品も、まだ活用できるものであれば、「おいくら」での買取が可能となります。富士見市と「おいくら」の連携により、簡単にかつ廃棄ではなく売却という形で不要品のリユースができることを市民が認知することにより、二次流通の更なる活性化による循環型社会の実現や社会全体での不要品削減が見込まれると共に、住民の皆さま・自治体双方の廃棄コスト削減による経済的負担の軽減へと繋がります。この官民一体の取組によって、循環型社会の形成に向けた、社会的側面・経済的側面の双方の課題解決を目指してまいります。
■埼玉県富士見市
埼玉県の南東部、首都30キロメートル圏に位置し、東は荒川をへだててさいたま市に、北は川越市・ふじみ野市に、西は三芳町に、南は志木市にそれぞれ接しています。2022年にゼロカーボンシティ宣言を行ない、脱炭素社会の実現に向けた取組を積極的に推進しています。
人口:113,102人(男55,457人、女57,645人)(2023年4月30日現在)
世帯数:54,916世帯(2023年4月30日現在)
面積:19.77平方キロメートル
ウェブサイト:https://www.city.fujimi.saitama.jp/
■株式会社マーケットエンタープライズ
マーケットエンタープライズは、ネット型リユース事業を中心に、メディア事業、モバイル通信事業などを展開し、「持続可能な社会を実現する最適化商社」をビジョンに掲げ、2006年の設立以来、成長を続けています。2015年6月には東証マザーズに上場。2021年2月に東証一部へ市場変更の後、2022年4月にはプライム市場へ上場しております。ネット型リユース事業では、「高く売れるドットコム」のほか、リユースプラットフォーム「おいくら」や、80か国以上への中古農機具の輸出などで事業拡大を続けており、ネット型リユース事業のサービス利用者は延べ640万人を達成しました。富士見市の「おいくら」サービス導入により、導入自治体は全国で46にのぼります。
「おいくら」自治体向けウェブサイト:https://oikura.jp/lg/
マーケットエンタープライズ ウェブサイト:https://www.marketenterprise.co.jp/