Z世代の「残業時間」に関する実態調査2023

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「人と時間を味方に」クラウドERP「ZAC」を提供する株式会社オロ(本社:東京都目黒区、代表取締役社長執行役員:川田 篤、以下「オロ」)は、IT・広告・コンサルティング業といった知的サービス業に従事する18歳~29歳のZ世代 906名に対して、「残業時間」に関する実態調査を実施いたしましたのでご報告いたします。

法改正により、2023年4月1日から、中小企業を対象に月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が50%に引き上げられました。このような「働き方改革」の取り組みの影響がZ世代の残業時間や意識にどのような変化をもたらしているのかを調査しています。

【調査結果サマリー】

■新しい職場での残業時間の有無を気にする 計82.3%

■残業の有無が気になる理由「プライベートの時間が減ってしまうから」77.4%

■残業時間は「少ないと思う」44.3%

■自由時間の使い方1位「趣味」66.0%

■会社が行っている「残業の削減対策」は「実労働時間の把握」40.8%

■早く帰宅できるように実践していること1位「仕事の優先順位をつける」55.3%

■残業規制があることで「仕事とプライベートのメリハリがつく」66.1%。「時間管理の意識が高まる」62.8%

■Z世代が古いと感じる「仕事に関する価値観」の1位は「上司より先に帰ってはいけないという暗黙のルール」82.8%

調査概要   : Z世代の「残業時間」に関する実態調査2023 第1弾

対象エリア: 全国

対象者      :知的サービス業に従事する18歳~29歳のZ世代 906名

調査方法   : インターネットによるアンケート調査

調査期間   : 2023年3月17日~2023年3月24日

※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100にならない場合があります。

※本調査内容を転載・ご利用いただく場合は、クレジットを記載してください。

「例:クラウドERP「ZAC」を提供する株式会社オロが実施した調査によると・・」

調査詳細 :https://zac.go.oro.com/news/news-2085.html

  • 新しい職場での残業時間の有無を気にする 計82.3%

就職・転職先を考える上で、新しい職場での残業の有無を気にするかどうかたずねたところ

「とても気にする」43.3%

「少し気にする」39.0%

「あまり気にしない」11.5%

「まったく気にしない」6.3%

「とても気にする」「少し気にする」計82.3%の人が残業時間の有無を気にしているという結果になりました。Z世代にとって、「残業時間の有無」は、働く環境を選ぶ上での重要な判断基準の一つとなっていることがわかります。(図1)

  • 残業の有無が気になる理由「プライベートの時間が減ってしまうから」77.4%

残業の有無が気になる理由としては、

「プライベートの時間が減ってしまうから」77.4%

「決められた時間以上に働きたくないから」39.1%

「残業規制が整っているかで健全さがわかるから」24.3%

「残業手当が欲しいから」24.0%

となっており、Z世代は「プライベートを重視する」傾向が強いと言えそうです。(図2)

  • 残業時間は「少ないと思う」44.3%

残業時間が多いか少ないかを質問したところ

「多い」25.9%

「少ない」44.3%

「どちらでもない」29.8%

という結果になっています。(図3)

  • 自由時間の使い方1位「趣味」66.0%

「残業がない」、もしくは「少ない」分、自由な時間を何に使っているかをたずねたところ、

1位「趣味」66.0%

2位「睡眠・休息」61.2%

3位「家族や恋人と過ごす」42.0%

4位「家事」30.8%

5位「読書などの自主学習」16.2%

6位「健康維持のための運動」13.7%

7位「副業」6.8%

8位「スキルアップのためのスクール、語学教室」4.6%

9位「育児」3.4%

10位「会社仲間との親睦を深める」3.0%

などの回答が集まりました。

プライベートを重視するZ世代は、特に「趣味」の時間を大切にしていることがわかる結果となりました。また、「自主学習」や「スクール」などの自己研鑽に時間を使う、「副業」を行うなど、残業がない(少ない)ことでできた時間を、様々な用途で有効活用していることがわかりました。(図4)

  • 会社が行っている「残業の削減対策」は「実労働時間の把握」40.8%

残業の削減対策として会社でどのような取り組みがされているかをたずねたところ、

「実労働時間の把握」40.8%

「休日労働した場合の代休の付与」31.5%

「ノー残業デー、プレミアムフライデー等の導入」21.9%

など様々な取り組みが行われていることがわかりました。(図5)

  •  早く帰宅できるように実践していること1位「仕事の優先順位をつける」55.3%

早く帰宅できるように実践していることを質問したところ、

1位「仕事の優先順位をつける」55.3%

2位「スケジュール管理を徹底する」33.6%

3位「できない仕事は断る」21.4%

4位「業務を効率化する仕組みを考える」19.2%

5位「周りに協力してもらう」17.3%

6位「「今日は◯時に帰ります」と先に伝えておく」15.9%

7位「集中できる環境づくり」14.8%

8位「目標を少し下げる」12.8%

9位「出社時間を早める」10.8%

10位「業務の自動化」9.7%

という結果になりました。

「優先順位をつける」、「スケジュール管理の徹底」、に加えて、「できない仕事は断る」という毅然とした態度をとることも重要だと言えそうです。

プライベートを重視するZ世代はワークライフバランスを保つために、様々な工夫をしながら、仕事は全力でやりたいと考えていることがわかります。(図6)

  • 残業規制があることで「仕事とプライベートのメリハリがつく」66.1%。「時間管理の意識が高まる」62.8%

残業規制に対してどのように感じているかを質問したところ、

「そう思う」と回答した割合が多かったのが、

「仕事とプライベートのメリハリがつく」66.1%

「時間管理の意識が高まる」62.8%

「家族や友人が安心する」60.3%

「周りに遠慮せず帰れる風土になる」58.7%

「コスト意識が醸成される」54.4%

となっています。(図7)

一方、残業規制に対して「そう思わない」の回答の割合が多かったのが

「残業しないとやる気がないように思われそう」59.5%

「企業としての競争力が損なわれる」59.3%

「社員の成長スピードが落ちる」54.9%

「規制されると残業しづらくなる」49.6%

「人にものを頼みづらくなる」47.7%

となっており、ここからもZ世代は「プライベートを重視」していることがわかると同時に、残業規制は「個人の成長に寄与するもの」とポジティブにとらえていることがわかる結果となっています。(図8)

  •  Z世代が古いと感じる「仕事に関する価値観」の1位は「上司より先に帰ってはいけないという暗黙のルール」82.8%

古いと思う「仕事に関する価値観」をたずねたところ、多くの票を集めたのが、

1位「上司より先に帰ってはいけないという暗黙のルール」82.8%

2位「新人は誰よりも早く来て、誰よりも遅く帰る」79.9%

3位「残業時間は長い人ほど頑張っている」71.7%

となっています。(図9)

それ以外には、

「仕事のためなら残業も、土日出勤もいとわない」69.8%

「大事なプレゼンの前は朝まで徹夜する」69.6%

「プライベートが充実している人は仕事をさぼっている」69.3%

「フレックス制でも朝10時以降に出社する人は怠惰だ」66.7%

「プライベートより仕事が重要」62.5%

「長時間(1時間以上)の会議や打ち合せは、やって当然」60.5%

「会社のために全力で働く」49.7%

これらの結果から、Z世代は「効率を重視する」「意味のない前例踏襲は避ける」傾向にあることがわかりました。(図10)

以前からも、Z世代は「タイパ」を重視する傾向があることは言われており、今回の結果もそれを支持する結果だと言えます。Z世代は、プライベートを重視する傾向が強いですが、それは、仕事に対しての情熱がないということではありません。Z世代は、個人の成長は業務時間の長さに比例するのではなく、業務の密度に比例すると考えており、「働く時間(量)より質」を大切にしていると言えそうです。

『ナレッジワーカー・マネジメント 業績も人もついてくる数字で語るマネジメント術』

著者・清宮理慎からの総括コメント

Z世代の「タイパ」の感性を活かせば、企業の生産性は高められる

Z世代のマネジメントに向き合うことは、業務の効率化や生産性向上につながる可能性があると考えています。経営者の目線でも、同じ成果をより短い時間で出せる人材こそ優秀であると評価したいためです。

働く時間(量)より質を重視したマネジメントを実践するには、「時間当たり営業利益」が有効なKPIとなるでしょう。より付加価値の高い仕事をより短い時間で遂行するほど、このKPIの値は改善されます。つまりこのKPIでは、成果と同時に効率性を評価できるのです。

時間当たりの営業利益は、部門別・個人別まで落とし込んで管理することが望ましいと考えていますが、一般的にコストセンターである製造部門で時間当たりの営業利益を管理するには、部門別採算制度の導入が必要になります。まだ部門別採算制度を導入されていない企業様はファーストステップとして、まずは標準的な業務プロセス(作業工程)を定義し、個人別・作業工程別の工数管理に着手されることをお勧めします。同じ作業をより短い時間で完了できている担当者を発見し、業務ノウハウをベストプラクティスとして部門に蓄積・展開していくことで、企業の生産性は徐々に高まっていくためです。

清宮理慎 略歴

2010年、株式会社オロに入社。ZAC顧客支援グループのグループ長、開発グループのグループ長を担当した後、2022年に取締役・クラウドソリューション事業部長、2023年より常務執行役員に就任。クラウドERP「ZAC」を用いた管理会計により事業部の運営を行っている。著書に『ナレッジワーカー・マネジメント 業績も人もついてくる数字で語るマネジメント術』(プレジデント社)がある。

オロでは「Z世代の「残業時間」に関する実態調査2023 第1弾」に続いて、今後、第2弾として、「Z世代の隠れ残業問題」についての調査リリース配信も予定しています。ぜひこちらもご覧いただければと思います。

■クラウドERP「ZAC」に関するお問い合わせ先

株式会社オロ マーケティンググループ担当

TEL:03-5843-0653 / Mail:zac@jp.oro.com

■報道に関するお問い合わせ先

株式会社オロ 広報担当

TEL:03-5843-0836(直通)/ Mail:info@jp.oro.com

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