120Gbaud PAM4広帯域/高出力(2Vpp)リニアアンプの販売を開始

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アンリツ株式会社(社長 濱田 宏一)は、次世代イーサネット規格の800GbE/1.6TbEで採用される120Gbaud PAM4信号の高速光デバイスの評価用として120Gbaud広帯域リニアアンプ[※1] AH15199Aを開発し、6月5日から販売を開始いたします。

今回開発した広帯域リニアアンプは、-3dB帯域で105GHzと広い周波数特性を有しており、120GbaudまでのPAM4[※2] 信号を2.0Vppまで増幅することができます。

また、+16dBの高いゲイン特性[※3]と500fsの低ジッタ特性[※4]により、伝送路で減衰した信号を高品質な波形のまま増幅することができます。

さらに、800GbE/1.6TbEのデジタルコヒーレント[※5]およびIM-DD[※6]光変調器用ドライバとしてDSP[※7]など各信号源からの120Gbaud PAM4信号を増幅し、高振幅が必要な変調器などのデバイスを直接駆動できます。

アンリツは、今回の広帯域リニアアンプの販売により、お客さまのニーズに応え、高速ネットワークの普及、円滑な運用に貢献いたします。

  • 開発の背景

5Gサービスなどの進展でモバイルデータ通信トラフィックが増加しており、サーバーやネットワーク機器の通信速度のさらなる高速化が喫緊の課題となっています。

高速ネットワークを支える次世代イーサネット規格の800GbE/1.6TbEでは、2bit(4値)信号により単位時間当たりの伝送量を120Gbaudまで増加させるPAM4方式の採用が決定しています。一方、通信速度が速くなると、信号の減衰量が大きくなる特性があることから、PAM4信号を忠実に増幅し、かつ、変調器を直接ドライブできる高出力なリニアドライバが求められていました。

  • 製品概要

AH15199Aは、120Gbaud PAM4で2.0Vpp信号評価に対応した高出力リニアアンプです。120Gのボーレートによる高速・高出力(2Vpp)データ伝送を、1.2 W以下の低消費電力で実現しています。

また、当社比で1/19に小型化した専用電源を標準装備し、電源の取り扱い不備によるリニアアンプの破損リスクを低減しています。

  • 対象市場・用途

■対象市場

光電気高速デバイスメーカー、光信号試験用の計測器メーカー

■用途

120Gbaud対応の高速光デバイス評価

用語解説

[※1] リニアアンプ

入力した信号を一定の比率で増幅して出力するための増幅器。

[※2] PAM4

PAMはPulse Amplitude Modulationの略。振幅変調により伝送容量を向上させる方式。PAM4は4値での振幅変調方式のこと。

[※3] ゲイン特性

入力した正弦波の「周波数」と、その入力した正弦波の振幅に対して出力される正弦波の振幅が何倍になるかという「ゲイン」との関係を表したもので、「周波数」を対数目盛で横軸にとり、「ゲイン」を dB という単位で縦軸にとった特性のこと。

[※4] ジッタ特性

デジタル信号の品質を示す指標のひとつで、デジタル信号の「タイミングの揺らぎ」のこと。ジッタが大きいと、デジタル信号の値の取り込みエラーが発生する。

[※5] デジタルコヒーレント

光の位相や偏波を使って情報を伝送する方式のこと。信号劣化が少ないため長距離での大容量の信号を送るのに適している。

[※6] IM-DD 

Intensity Modulation-Direct Detectionの略。光の強度に情報を載せ、受信素子でそれを検出する強度変調直接検波方式のこと。

[※7] DSP

Digital Signal Processorの略。デジタル信号処理に特化したマイクロプロセッサで、一般にリアルタイムコンピューティングで使われる。

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