室温・動的熱負荷計算の新しい計算エンジン『EnergyPlus』を追加搭載

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株式会社インテグラル(茨城県つくば市学園南2-7 代表取締役社長 藤間明美、https://www.integral.co.jp(以下、インテグラル))は、住宅性能診断士ホームズ君「省エネ診断エキスパート」※1のパッシブ設計オプション※2(以下、ホームズ君)について、2023年5月末リリース予定の新バージョンVer 4.35から、室温・動的熱負荷計算の新しいエンジンとして『EnergyPlus』※3 version 22.1.0を搭載します。

EnergyPlusは世界的に広く使用されている建物の室温・動的熱負荷計算の計算エンジンであり、豊富な機能と高い信頼性が評価されています。ホームズ君では従来、計算エンジンとしてEESLISM※4を搭載していましたが、EnergyPlusを追加搭載します。

 インテグラルではEnergyPlusを搭載するにあたり、EnergyPlusを用いたホームズ君のシミュレーション結果について実物件での室温実測結果との比較、分析を行いました。それに基づき、熱容量や換気性能等のパラメータを調整することで、実情に近いシミュレーション結果が得られることを確認いたしました(図1 図2)。

また、EnergyPlusの搭載と合わせて、従来のホームズ君では計算できなかったエアコンの暖冷房能力に応じた室温変化を計算する機能に対応しました(図3)。従来のホームズ君の室温計算では、部屋の広さや断熱性能の違いおよびエアコンの性能によらず、エアコンを稼働する指定を行うとその次の計算ステップ(標準では1時間間隔)に必ず設定温度に到達するものとして計算していました。新バージョンでEnergyPlusを使用した計算では、エアコンの暖冷房能力の上限を考慮しながら、10分間隔の室温の変化を計算します。これにより、エアコンによって設定温度に到達するのにどの程度の時間がかかるか、またエアコンの能力不足により設定温度に到達しないことはないかを確認できるなど、より現実に即した高度な室温計算、熱負荷計算が可能となります。

さらなるシミュレーション結果の精度の向上を目指して、計測条件のパターンを増やしての実物件計測、シミュレーション結果と実測結果の比較検証は現在も継続中です。検証結果については、インテグラル運営サイト『ホームズ君.com』にて順次公開予定です。

インテグラルは、ホームズ君の簡易な操作で高精度のシミュレーションを提供することで、設計者が住宅の設計段階で建築後の温熱環境をより正確に予測し、施主に向けて説得力のある説明ができるように、設計業務および営業活動のサポートを支援してまいります。

■対象ソフトウェアおよびオプション構成

 住宅性能診断士ホームズ君「省エネ診断エキスパート」Ver4.35およびパッシブ設計オプション

■主な強化機能:室温・動的熱負荷計算エンジンとして、『EnergyPlus』を追加搭載

■バージョンアップ予定:2023年5月

■標準価格:341,000円(税込)

■お問合せ:営業企画部 木村・松崎 TEL:029-850-3331 E-MAIL:info@integral.co.jp

※1 インテグラルが開発販売する最新の建築物省エネ法に対応した住宅の省エネルギー性能の計算および評価が行えるソフトウェアです。

※2 「省エネ診断エキスパート」のオプションです。自然エネルギーである太陽の光や熱、風などの「パッシブ要素」を活用して温熱環境を総合的に検討できます。

※3 https://energyplus.net/

※4 https://github.com/satoh-er/open_eeslism

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