NTT西日本、関西学院大学、阪急電鉄による通学定期券購入などのDXに関する実証実験について

この記事は約6分で読めます。
 西日本電信電話株式会社(大阪府大阪市、代表取締役社長 森林 正彰 以下、NTT西日本)、関西学院大学(兵庫県西宮市、学長 村田治)、阪急電鉄株式会社(大阪府大阪市、代表取締役社長 嶋田泰夫 以下、阪急電鉄)は、約1400名の学生を対象に、通学定期券購入などのDXに関する実証実験を行います。
 従来、通学定期券の購入には、大学などの教育機関が発行する通学証明書を駅窓口に提出して購入する必要があり、毎年繁忙期には、定期券購入のための待ち時間が長くなり社会課題となっています。
 今回、全国初の試みとして、NTT西日本の証明書発行サービスから阪急電鉄の定期券インターネット予約サービス「eていき」(eていきシステム)へ通学証明のデータ連携を行い、学生が自宅等に居ながらスマートフォンなどで通学証明の発行や通学定期券のオンライン予約をし、券売機で通学定期券を購入できるサービスをトライアル提供します。この実証実験を通じて、学生向けサービスの利便性向上や大学・駅係員の業務効率化、駅窓口の混雑緩和等に対する有効性を検証します。
1.背景・目的
 さまざまな仕事の自動化が進むことによる”職業”の変化や少子高齢化などが進むなかで、大学など高等教育分野ではICTを活用した「教育の高度化」が必要とされています。また、その教育の高度化に力を注ぐためにも学生向けサービスの利便性向上や大学職員の業務効率化が必要です。
 現在、大学では通学証明書発行にあたり、通学経路の妥当性の確認として、例えば、大学職員が地図アプリを用いて最寄り駅を確認し、乗り換え案内アプリを用いて金額、時間的に妥当な通学経路であるかの確認を行っており、さらに大学によっては繁忙期に特設窓口を設置するなど、負荷の大きい業務となっていました。
 また、鉄道会社でも通学証明書を駅窓口で目視確認する必要があり、毎年繁忙期には待ち時間短縮の対策として、定期券発売窓口の増設や案内係員の増員等の対応を行っています。
 これらの課題解決に向けて、阪急電鉄沿線にある関西学院大学を実証フィールドに、NTT西日本の証明書発行サービス、阪急電鉄のeていきシステムを軸として、通学定期券購入のDX(デジタルトランスフォーメーション)に関する実証実験を行います。

2.実証概要
 本実証では、これまで関西学院大学が手作業で発行、学生に配布していた通学証明書発行業務のシステム化を行い、通学経路の申請/承認における業務効率化の有効性を検証します。
 また、NTT西日本が大学に提供する証明書発行サービスの在学情報と通学経路データを阪急電鉄のeていきシステムに連携し、学生が阪急電鉄の定期券販売窓口に紙書類を持参することなく、券売機で通学定期券を購入できるサービスをトライアル提供します。本実証実験では、このサービスによる学生の利便性および阪急電鉄の業務効率化、駅窓口の混雑緩和等に対する有効性を検証します。

(1)実施期間
2023年3月22日(水)~2023年4月30日(日)

(2)実施対象
関西学院大学 教育学部 全学部生 (約1400名)

(3)本実証に用いる技術
① 証明書発行サービス
学生は本サービスにログインすることで、通学経路の申請(②に連携)、通学証明書の発行、通学定期券のオンライン予約(③に連携)が可能。真正な在学情報と大学承認済みの通学経路データを組み合わせ、通学証明書のコンビニ発行やデータ連携を実現。
https://www.ntt-west.co.jp/business/cloud/lineup/university_certificate.html

② 通学Web
通学証明に必要な通学経路の大学窓口への申請/承認がWebで可能。住所から自宅最寄り駅を特定し、大学最寄り駅までの最適な通学経路を探索可能。さらに最安経路など規定の条件を満たした場合に自動承認を行い、通学経路承認業務の効率化を実現。
https://teiki-web.ekispert.com/
※サービス名は仮称となります。ヴァル研究所株式会社が開発している経路探索サービス「駅すぱあと 通勤費Web」を活用しています。

③ 定期券インターネット予約サービス「eていき」(eていきシステム)
阪急電鉄のWeb上で、利用区間や期間等を入力して予約番号を取得し、定期券発売窓口ではなく券売機で定期券の購入が可能。通学証明書の提出・確認は、駅窓口で行う方法と、Web上で画像を送付する方法の2種類がある。今回の実証実験ではAPIの実装により真正な予約内容がデータ連携されることにより、確認業務の省力化を実現。
https://teikiyoyaku.hankyu.co.jp/eteiki/

(4)本実証で期待される効果
 今回の実証実験では通学経路の承認ワークフローに加え、大学・自宅最寄り駅かつ最短経路など規定の条件を満たした場合に自動承認を行うことで、大学の業務量を大幅に削減します。これにより、大学では新学期、入学シーズンの学生対応など本来注力すべきコア業務に時間を割くことが可能となります。
 また、学生目線では、通学途中や自宅に居ながら通学証明の申請や通学定期券のオンライン予約が可能となり、購入時も予約番号を券売機に入力するだけで手軽に完了します。待ち時間の短縮や利便性向上の効果が期待できます。
 鉄道会社にとっても、システムチェックにより目視確認の業務が削減できるほか、券売機での通学定期券の購入により、購入時の混雑の緩和や業務の効率化に繋がります。

3.今後の展開について
 本取り組みが多くの大学、鉄道会社、その他交通機関に広がることで、業務効率化の効果がさらに向上し、通学定期券購入の混雑緩和という社会全体の課題解決につながると考えています。
 NTT西日本、関西学院大学、阪急電鉄では、今後もさらなるサービス品質向上、学生の利便性向上に向けて、取り組みを進めていくと共に、通学定期券購入のDX(デジタルトランスフォーメーション)に貢献して参ります。

 関西学院は、創立150周年を迎える2039年を見すえた将来構想「Kwansei Grand Challenge 2039」の中で、DX(Digital Transformation)を超長期ビジョン、経営上の最重要戦略として位置づけ、ポストコロナのパラダイムシフトに対応すべく、教育・研究や学生・学修支援、業務・サービスなどのデジタル化を強力に推進しています。今回の取り組みは、その一環です。
 

 

タイトルとURLをコピーしました