アリババクラウド、「アジアにおける次世代クラウド戦略」レポートを発表、2023年、アジアの企業の過半数がクラウド投資を拡大すると予想

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アリババグループのデジタルテクノロジーとデータインテリジェンスの中枢であるアリババクラウドは、同社が委託し、実施した新たな調査レポート「The Next-Generation Cloud Strategy in Asia(アジアにおける次世代クラウド戦略)」を発表しました。本レポートによると、アジアではクラウドサービスの既存ユーザーの平均84%(日本67%)が2023年にクラウド技術への投資を増やすと予想している一方、同じくアジアの平均84%(日本72%)の企業が2年以内にフルクラウドへの移行を計画していることが明らかになりました。

クラウドへの投資拡大
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大(パンデミック)後の世界では、ワークロードを効率的に処理するために重要な業務をオンライン化する企業が増加し、すでにクラウドサービスを利用している多くのアジアの企業は、今後1年間でさまざまなクラウド戦略への投資を拡大する計画です。

国別では、タイ(95%)、インドネシア(94%)、フィリピン(91%)、香港特別行政区(83%)、シンガポール(83%)が最も多く、日本(67%)と韓国(75%)でも半数以上の企業がクラウドへの投資水準を高めると回答しました。主要産業のうち、クラウド投資が最も急増すると予想されるのはゲーム分野で、次いでメディア・通信、インターネット・テクノロジー、金融サービスとなりました。

投資の優先順位に関してアジアでは、データ分析・AI(53%)、クラウドコンピューティング(52%)、オートメーション(46%)の順となりました。半数以上の企業がクラウドコンピューティングへの投資を増大する予定であり、これはビジネスの成長を支える上でクラウドインフラストラクチャが重要であることを示しています。一方、日本でも同様に、データ分析・AI(45%)およびクラウドコンピューティング(45%)が投資の優先順位の上位を占めました。

2024年までにクラウドへ完全移行
今回の調査では、アジア地域の調査対象企業の84%が、パンデミック時に生じた新たなニーズに対応する必要性から、今後2年以内にフルクラウドへの移行を見込んでいることが明らかになりました。回答者の3分の1以上(36%)は、今後6ヶ月以内にフルクラウドへの移行を予定しています。それに対し、日本では、調査対象企業の72%が今後2年以内にフルクラウドの移行予定と回答しました。

パンデミックの影響により、企業におけるIT利用には大きな変化が起き、アジアの平均54%(日本41%)の企業がクラウドベースのソフトウェアの利用が増加し、アジア平均41%(日本42%)の企業はクラウドへの移行が加速したと回答しました。

より多様なクラウド導入に向けた戦略
調査時点において、アジアではプライベートクラウド(40%)が最も人気のあるクラウド戦略で、次いでパブリッククラウド(27%)となり、日本でも同様にプライベートクラウド(40%)、パブリッククラウド(26%)の順となりました。アジアの企業がパブリッククラウドを選択する主な理由については、セキュリティに対する高い評価(アジア平均58%、日本61%)、信頼できるローカルサポート(アジア平均46%、日本48%)、魅力的な価格設定(アジア平均46%、日本52%)の順となっており、パブリッククラウドを選択した企業の38%が今後1年間で5分の1以上の投資増加を見込んでいます。

アリババグループのバイスプレジデント兼アリババクラウド・インテリジェンスの国際ビジネス担当プレジデントのセリーナ・ユアン(Selina Yuan)は、次のように述べています。
「今回の調査では、アジアの企業やクラウドサービスプロバイダーにとって重要なインサイトが明らかになりました。クラウドの導入は、ビジネスを成功させるための必須条件となっており、当社のお客様はデジタル時代においてビジネス成長を促進するために、多様なクラウド戦略を導入しています。クラウドインフラストラクチャは、生成AIなど多くの最先端イノベーションの重要な基盤であり、当社は引き続き、さまざまな業界の企業に実証済みのクラウドベースソリューションを提供し、クラウドサービスへのシームレスな移行をサポートしていきます。また、アジアで多様なクラウド戦略が採用されている現状は、より多くの企業がビジネスのデジタル化に向け、堅牢で弾力性があり、安全で柔軟なインフラストラクチャを求めていることを表しています。当社は今後も、クラウドサービスのリーディングプロバイダーとして、この需要に応えるべく、革新的で安全なパブリッククラウドサービスを提供してまいります。」

アリババクラウドがグローバルな市場調査会社であるNielsenIQに依頼して実施した「アジアにおける次世代クラウド戦略」調査は、アジア全域におけるプライベート、パブリック、ハイブリッドを含む、現在普及しているクラウド戦略の導入状況をより深く理解することを目的としています。

「アジアにおける次世代クラウド戦略」調査について
「アジアにおける次世代クラウド戦略」調査は、2022年9月末から10月上旬にかけて、日本、香港特別行政区、マレーシア、シンガポール、フィリピン、インドネシア、タイ、韓国を含むアジアの8つの市場で現在クラウドサービスを利用している中小企業から大企業のクラウド戦略の意思決定者1,000人を対象にオンラインアンケートを実施し、その回答を集計したものです。回答者の業種は、金融サービス、ゲーム、インターネット・テクノロジー、製造、メディア・テレコミュニケーション、公共部門、小売など多岐にわたります。

【アリババクラウドについて】
2009年に設立されたアリババクラウドは (www.alibabacloud.com)、アリババグループのデジタルテクノロジーとインテリジェンスの中枢です。アリババクラウドは、エラスティックコンピューティング、データベース、ストレージ、ネットワーク仮想化サービス、大規模コンピューティング、セキュリティ、管理およびアプリケーションサービス、ビッグデータ分析、機械学習プラットフォーム、IoTサービスなど、あらゆるクラウドサービスを世界中のお客様に提供しています。IDCの調査でアリババクラウドは2018年以降、Infrastructure as a Service(IaaS)分野で世界3位のサービスプロバイダーに認定されています。また、ガートナーには、アリババクラウドは2018年以降、売上高で世界3位、アジア太平洋地域で1位のIaaSプロバイダーとして認定されています。

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