2022年6月27日、産経新聞社(東京都千代田区/代表取締役社長:近藤哲司)と電通グループのデータアーティスト株式会社(東京都港区/代表取締役:山本覚)は、AI(人工知能)を利用して新聞広告を紙面に配置するシステム「AI割付」を共同開発しました。
新聞広告はクライアントの要望に応じて、掲載日や掲載面などの条件、同一業種や同一製品などが重ならないように、人の手によって様々な要望を勘案して新聞広告を配置してきました。しかし、この作業をAIが行うことにより、迅速で効率的割り付けが可能になります。移行期間を経て、今夏にも実装します。
昨今、新聞広告はダイレクト通販などの直接的な反響を求める広告主からの出稿が多くなっています。特にそれらの広告主は、同業他社や自らの商品やサービスと同系統の内容を同じ日に掲載しないように要望することが多くあります。また、掲載面によってのカラー・モノクロ掲載の調整など全て加味しながら掲載まで運びます。このシステムは、それら諸条件をAIに読み込ませて瞬時に割り付けを完成させることで、一連の作業でかかる膨大な調整事項を軽減し、より効率的かつ最適な紙面割付を目指します。
また、今後は「AI割付」を読者にとっても有意義なものに発展させるために、システムの中に様々な外部情報を取り込むことで、時宜を得た広告の掲出が可能になる構想もあります。例えば、梅雨明けのタイミングに合わせてアイスクリームの広告を出すなど、より最適なタイミングで最適な広告を出せるようなシステムに進化させます。
本システムは、新聞広告の可能性を広げるのみならず、デジタル技術の活用により既存業務を変革する「DX」の一例として、さまざまな媒体への広がりが期待されます。