- インボイス制度への認知度は71% 対応を完了しているのはおよそ16%
インボイス制度について、2023年10月に施行されることを知らない人が未だに29%存在します。そのうち、約40%が「対応は開始していない・わからない」と回答しており、多くの企業がインボイス制度について認識はあるものの、まだ対応を完了できていないことが分かりました。
- 自社から請求書を発行する対応と比べて、受領する対応方法が分からないという回答が多い
自社から発行する請求書の対応方法について、「対応すべき内容が不明」「未定」「わからない」と回答した人が約37.6%でした。
一方、仕入れ先から受け取る請求書への対応方法について、「対応すべき内容が不明」「未定」「わからない」と回答した人は54.9%おり、発行側と受領側を比べた際に、請求書を受け取る側がどのようにインボイス制度に対応すべきかは、あまり浸透していないことが想定されます。
- インボイス制度への対応方法について
発行する側の対応として、適格請求書を発行するために適格請求書発行事業者の登録が必要となります。また、自社が発行する請求書のフォーマットをインボイス制度に対応させ、取引先から求められた際には、インボイスを発行する必要があります。(また、交付したインボイスの写しを保存しておく必要があります)
一方で、受領する側は、取引先が適格請求書発行事業者であるかを確認しておかなければなりません。また、届いた請求書が適格請求書の要件を満たしているかどうかを確認し、適格請求書(インボイス)の保存等が必要になります。受取側は、記載されている登録番号が正しいかどうかなどの確認を断続的に行う作業が発生します。
適格請求書発行事業者として登録できるのは、消費税の課税事業者に該当する事業者である必要があり、免税事業者との取引に影響が出るのではと懸念されています。
- 一定数の企業は、免税事業者との取引を見直すと回答
免税事業者との取引について、課税事業者への登録を要請するとの回答が9.0%、取引を終了するとの回答が4.7%と、一定数は何らかの取引の見直しをするという回答結果となりました。
免税事業者との取引については、請求される消費税について協議する必要が出てくることが予想されます。その際に問題となりうるのが下請法の存在です。
インボイス制度に伴い、仕入税額控除ができなくなる分を価格に転嫁させることを求める行為や取引を打ち切る行為は、下請法の禁止行為のうち、「下請代金の減額の禁止」と「買いたたき」の2点に抵触するリスクがあります。上記の行為が明確に法令違反であるとのガイダンスは出ていませんが、取引先の税負担等も考慮に入れたうえでしっかりと協議し、一方的な要求とならないようにしておくのが健全です。
■まとめ
今回の調査でインボイス制度への対応について、インボイス制度の施行開始についての認知は高くなっているが、ほとんどの企業が対応を始めているものの、まだ完了していないことが分かりました。発行と受領比べた際、対応内容が不明、未定、わからない、との回答が発行側は37.6%、受領側は54.9%と大きく乖離があり、受領側まで対応が必要な認知があまりされていない可能性があります。インボイス制度にどのように対応すべきか、請求書発行側と受領側双方の視点で考える必要があるといえるでしょう。
インボイス制度に対応するためには取引先も関わるため、余裕のあるスケジュールで慎重に準備を進めていきましょう。
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- 調査方法:インターネットリサーチ
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