ABBYY、顧客のオンボーディングプロセスに関するグローバル調査を実施

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インテリジェント ドキュメント プロセッシング(IDP)/AI OCRとプロセスマイニングのソリューション提供を主軸にインテリジェント オートメーションを推進するABBYY(本社:米国ノースカロライナ州、日本法人ABBYYジャパン株式会社、本社:東京都港区、代表取締役社長:前田まりこ、以下「ABBYY」)は、米国、英国、フランス、ドイツ、日本の1,623人(日本:200人)のIT意思決定者を対象に、企業における顧客のオンボーディングプロセス(*1)に関するグローバル調査を実施しました。本リリースでは、日本企業におけるIT意思決定者の回答を主軸に、海外と比較した結果を抜粋してご報告します。
(*1)オンボーディングプロセスとは、新規顧客の登録、獲得プロセスを意味しています。

▼グローバル調査結果トピックス

  1. カスタマーエクスペリエンスにおける顧客のオンボーディングプロセスを重要と考える割合が日本は世界に比べ半数以下であることが明らかに
  2. 日本企業の半数以上が、「顧客のオンボーディングプロセスの75%以上に人手が介入」と回答
  3. 顧客のオンボーディングプロセスにおいて、改善を行っていない企業、完全な人手の会社に移した企業が日本は世界の2倍以上
  4. 日本の企業は顧客の離脱率に対する意識が世界と比べ低い
  5. 離脱率が減少したとしても、ビジネス上の改善・向上を想定するのではなく、現状維持・変化しないと考える企業が、日本は世界の約3倍
  6. 顧客の離脱による影響として、日本企業の半数以上は新規顧客の獲得に苦しんでいる

▼調査目的
米国連邦取引委員会*のレポートによると、個人情報の盗難やなりすまし詐欺などの詐欺行為によって2021年に280万人以上の消費者が59億ドルの損害を受けたという報告があり、これは2020年の被害額よりも70%以上増加しています。個人間でも企業間においても、オンライン取引は世界中で増加している昨今、オンラインでのなりすましや詐欺、個人情報の盗難防止策は喫緊の課題となっています。
また、日本においては、2020年4月に犯罪収益移転防止法の改正により、本人確認方法が厳格化され、なりすまし行為などに対する一層の強化が図られている中、デジタル庁の推進により、マイナンバーカードと保険証や銀行口座との紐づけなど、個人情報の保護の観点からも、本人情報確認に関するシステムの一層の強化が課題となっています。
これらの外部環境の変化を受け、ABBYYは、顧客のオンボーディングプロセスおよび顧客のプロセス離脱対策としてどの程度テクノロジーを導入しているかを調査することで、日本と世界の企業による顧客のオンボーディングプロセスへの取り組みや意識の差を明らかにしました。
* https://www.ftc.gov/reports/consumer-sentinel-network-data-book-2021

▼調査方法
本調査は、英国、米国、フランス、ドイツ、日本のIT意思決定者1,623人(日本:200人)を対象に、2022年9月に実施したオンライン調査です。新規顧客の獲得および顧客の離脱に対して、どの様に企業がテクノロジーを活用しているかを尋ねました。対象者の業界、役割の上位3種は以下の通りです。
 

    1位 2位 3位
業界 世界 テクノロジー業界(25%) 製造業界(13%) 銀行・金融業界(12%)
  日本 製造業界(25%) テクノロジー業界(20%) 小売業(14%)
役割 世界 ITマネージャー(26%) CEO(20%) ITチームリーダー(10%)
  日本 CEO(31%) ITマネージャー(22%) テクノロジー担当役員(20%)

 

▼グローバル調査結果トピックスの詳細
1.「カスタマーエクスペリエンス、およびカスタマージャーニーにおいて、顧客のオンボーディングプロセスはどれくらい重要だと思いますか?」という質問に対して、世界平均(*2)の59%が「とても重要」「必要不可欠」と回答、一方日本は27%と回答。顧客のオンボーディングプロセスに対する認識の差が顕著であることがわかりました。
(*2) 世界平均は米国、英国、フランス、ドイツの平均(以下の図も同様)

2.「顧客のオンボーディングプロセスをどれくらい自動/人手で行っていますか?」という質問に対して、「50%以上は自動化している」と回答した割合が世界平均では82%であり、顧客のオンボーディングプロセスのデジタルシフトが進んでいることが分かります。その反面、日本は49%が「75%以上は人手で行っている」と回答しており、業務のデジタル化が遅れていることが明らかになりました。

3.「顧客のオンボーディングプロセスに変更を加えたことがありますか?」という質問に対して、世界平均の96%は何らかのテクノロジーを活用したオンボーディングを行っていますが、日本は67%に留まり、大きく後進していることがわかりました。「当てはまらない」に関しては、日本が27%で世界平均の3%を大きく上回っており、日本の企業は顧客のオンボーディングプロセスを変えていない、つまりより改善する取り組みを行っていない可能性が高いことが明らかになりました。また、全体として少数ではあるものの、完全に人手での対応に変更した企業も8%と世界平均の2倍以上の数字となっており、日本企業はいまだテクノロジーではなく人手に頼る傾向が世界平均より強いといえます。

4.「顧客のオンボーディングプロセス中での離脱率は何%ですか?」という質問に対して、「わからない」「該当なし」と回答した企業が世界平均は4%でしたが、日本は26%と顧客の離脱率に対する意識が日本は低い傾向があることがわかりました。

5.「もし顧客の離脱率が50%下がった場合」に関する質問で、「何もしない/変化なし」と回答した数が日本企業は世界平均の約3倍でした。各質問での割合は、「収益が何%増加すると思いますか?(世界平均:6%、日本:21%)」「追加のサービスを何%増やしますか?(世界平均:6%、日本:17%)」「顧客開拓が何%増えると思いますか?(世界平均:5%、日本:18%)」「人材の為の対応を何%増やしますか?(世界平均:7%、日本:21%)」であり、現状維持を望む傾向が強いといえます。

6.「昨年、顧客の離脱によりどの様なビジネス上の結果/余波がありましたか?」という質問に対して、「新規顧客獲得に苦しんだ」と回答した企業が世界平均の28%に対して日本では半数を超えており、日本企業が特に悩みを抱えている部分であり、喫緊の課題であることがわかりました。

▼ABBYYグループCEO/取締役 ウルフ・パーソンのコメント
「顧客のデジタルオンボーディングの重要性と、それによるビジネスへのプラス効果が、日本ではあまり認識されていない様に見受けられます。半数以上の企業が顧客獲得に悩まれていると調査では回答している訳ですが、オンボーディングプロセスを改善することで顧客の離脱率を下げ、そして結果として新規の顧客獲得を大きく改善できる、ということをもっと知って頂きたいです。ABBYYのインテリジェント・プロセス・オートメーションのテクノロジーで、デジタルオンボーディングプロセスと総合的なカスタマーエクスペリエンスを大きく向上できる余地が、日本にはまだまだ残されていると思います。」

▼ABBYYジャパン代表取締役社長 前田まりこのコメント
「日本の企業は、IT部門とビジネス部門が更に協力体制を強める必要があると思います。日本では、IT担当者が新規顧客の獲得に関わっていないケースもしばしばお見受けしますが、現代のローコード・プラットフォームを活用して、IT担当者がビジネスの目標達成をサポートすることは非常に重要になってきていると感じます。顧客の本人確認手続きのデジタル化などは、ITがビジネスを改善していくまず最初の重要なステップではないかと考えます。」

■ABBYYについて
ABBYYはインテリジェント オートメーションを推進するリーディングカンパニーです。オートメーション プラットフォームの原動力となるインテリジェンスを提供することにより、人々の働き方やビジネス加速の方法に新しいビジョンをもたらしています。ABBYYのソリューションは企業データを変換し、よりスマートかつ迅速な業務の遂行に必要なインサイトを提供します。   
フォーチュン500企業の多くを含む世界で5,000社以上の企業で使用されており、カスタマーエクスペリエンス、収益性、競争優位性など、最も重要な分野において大きな影響を与えています。
また、ABBYYは米国に本社を置き、世界15カ国にオフィスを構えてグローバルに活動しています。
詳細は www.abbyy.com/ja/company/about-us/ をご覧ください。

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