株式会社グロービス(東京都千代田区、代表取締役:堀義人)が提供する、ビジネスナレッジの定額制動画学習サービス「GLOBIS 学び放題」(https://hodai.globis.co.jp/)は、20‐34歳の若手社会人のキャリア観に関する実態調査を実施しました。
変化が激しく、未来が予測しづらい時代。GLOBIS 学び放題では、「自分らしいキャリアを描きたい」「未来に向けてどのように歩めばいいか分からない」と感じている若手ビジネスパーソンへのヒントとして、若手の学び応援企画「#これからの履歴書」を通じて情報発信しています。10月11日に発表した若手社会人の学びに関する実態調査に続き、第2弾として、キャリア観に関する調査を実施、特設サイトを用意しました。本調査では、多くの若手社会人が「今後のキャリアプランを持っていない」という実態が明らかになりました。
◆特設サイトURL: https://hodai.globis.co.jp/lp/articles/korekara-rirekisho/research02.html
■調査実施の背景
近年、ダイバーシティ経営や働き方改革などにより仕事に関する価値観が大きく変化する中で、キャリアに対する意識も変わりつつあります。そこで、GLOBIS 学び放題では、若手社会人の仕事やキャリアに対する意識調査を実施。キャリアプランの有無や将来のキャリアへの期待などを尋ねました。さらに新卒入社の際に「入社後ギャップ」を感じていた若手社会人に対し、現状のキャリアへの満足感や仕事へのスタンスについてどのように考えているのかなどの実態も併せて探りました。
その結果、若手社会人の多数が、“キャリア迷子”になっている様子が見えてきました。
■調査概要
調査期間:2022年10月21日~2022年10月24日
調査対象:20歳~34歳の有職者(会社員・団体職員など) ※パート・アルバイトは除く
回答人数:750名
調査エリア:宮城・東京・愛知・大阪・福岡
調査方法:インターネットによるアンケート
<調査結果トピック>
①若手社会人の約6割が、新卒入社後ギャップを感じている。
②入社後ギャップを感じた人のうち、「現在のキャリアに満足していない」という人が約半数に。
③若手社会人の2人に1人が、今後のキャリアプランを持っていない“キャリア迷子”になっている。
【トピック①】若手社会人の約6割が、新卒入社後ギャップを感じている。
[図1]
[図2]
[図3]
若手社会人の約6割が、新卒入社した際に、入社前と比較し「ギャップを感じた」と回答しました(図1)。さらに、「具体的にギャップを感じた事柄」について尋ねると、多くの人が「業務内容」や「働き方」についてギャップを感じていたことが分かりました(図2)。また「入社後、ギャップを感じた事柄は現在どのように変化したか」という問いに対し、 「諦めた」が34.5%、「継続して不満/課題感を持っている」が17.6%と、約半数の若手社会人がギャップを解消できずにいることが伺えます(図3)。
【トピック②】入社後ギャップを感じた人のうち、「現在のキャリアに満足していない」という人が約半数に。
[図4]
[図5]
1社目で入社後ギャップを感じていた若手社会人に、現在のキャリアへの満足感を尋ねると、約半数が「満足していない」と回答しました(図4)。
さらに、「現在のキャリアに満足している」と回答した人、「現在のキャリアに満足していない」と回答した人に対して、それぞれギャップの解消のために行ったことを尋ねたところ、「会社・業務についての理解を深めるように努めた」「仕事上の人間関係を良好にすることに努めた」「視野を広げるための情報収集を行った」などの項目が現状のキャリアに満足していると回答した人の方が上回り、自発的なアクションを取っていることが分かりました(図5)。
[図6]
[図7]
また、「現在の仕事に対するスタンスについて、近いものをお答えください」という問いに対し、約半数が「決められた必要最低限の業務しか行いたくない」と回答(図6)。さらに詳しくみると、入社後ギャップを解消するために自発的に行動をしなかった人にこの傾向が強く見られました(図7)。
このように、入社後ギャップ解消のために、自発的な行動をした人としなかった人では、現在の仕事に対するスタンスに差があり、自発的な行動をしなかった人には、仕事に対する「静かな退職*」の傾向が見られました。
*「静かな退職(Quiet Quitting)」とは、「必要以上に一生懸命働くのをやめること」を指す新語。コロナ禍を経て近年、米国や中国などで若い世代を中心に急速に広がりつつある考え方
【トピック③】若手社会人の2人に1人が、今後のキャリアプランを持っていない“キャリア迷子”になっている。
[図8]
[図9]
[図10]
「今後のキャリアプランを持っていますか?」という問いに対し、2人に1人が「持っていない」と答えました(図8)。その理由を尋ねると、「やりたいことがないから」「モチベーションが上がらないから」といった回答が上位に入りました(図9)。
さらに、「今後のキャリアプランを持っていない、どちらかと言うと持っていない」と回答した人に、「キャリアプランを持つために何をすればよいのか分かっていますか?」と尋ねたところ、9割以上が「分かっていない」と回答しました(図10)。
[図11]
一方で、「キャリアプランを持っている」と答えた人に対し、キャリアプラン実現のためにしていることを尋ねると、「専門的な知識・スキルを学ぶ(特定の業界知識の獲得、特定ツールの習得など)」「人的ネットワークを広げる」といった回答が上位に入りました(図11)。
[図12]
[図13]
また、「将来のキャリアに期待を持っていますか?」という問いに対し、約4割が「期待を持っている」、約6割が「期待を持っていない」と回答しました(図12)。
将来のキャリアに期待を持っている人に理由を尋ねると、「自分の成長を実感しているから」「やりたいこと・目標があるから」といった回答が上位に入りました。一方、将来のキャリアに期待を持っていない人に理由を尋ねると、「やりたいこと・目標がないから」「これまでに成長をあまり実感していないから」といった回答が上位に入りました(図13)。
[図14]
この結果を詳しく見てみると、キャリアプランを持っている人の約7割が「将来のキャリアに期待を持っている」と回答。一方、キャリアプランを持っていない人の約9割が「将来のキャリアに期待を持っていない」と答えました(図14)。
GLOBIS 学び放題では若手の学び応援企画「#これからの履歴書」として、今回のキャリア観に関する調査に加え、ビジネスが身近になるメディア「GLOBIS知見録」で社会人の学びに関する調査データの詳しい解説を紹介する記事を11月14日に掲載しました。(URL:https://globis.jp/article/57625)今後も、Z世代・ミレニアル世代に支持されるメディア「TABI LABO」での記事展開、GLOBIS 学び放題公式SNSアカウントでの情報発信などを通じて、若手社会人が自分らしいキャリアの実現するための役立つ情報を提供します。
■GLOBIS 学び放題 事業リーダー 鳥潟幸志によるコメント
近年、「入社後ギャップ」「リアリティショック」などの言葉とともに、入社前後のギャップで仕事に対するやりがいを見失ってしまうことが問題として取り上げられています。さらに調査結果からは、新卒入社した際に、入社前に抱いていた仕事へのイメージとギャップを感じた若手社会人が、その後も不満を持ち続ける傾向にある様子が浮かびます。
今回の調査では、現在のキャリアに満足している人の方が、入社後ギャップの解消に向けて、より自発的に行動する傾向にあることが分かりました。ギャップを感じた事柄自体の直接的な変化には必ずしも繋がらなくても、自発的なアクションによって、自身の境遇への納得感は変わり得ます。キャリアのはじめに持つ仕事へのイメージや自己イメージは、その後のキャリア観に大きな影響を及ぼします。その後長く続くであろう人生の基礎を培う時期だからこそ、ポジティブな仕事観や自己イメージを養えるよう、違和感を感じたことには一歩踏み込んで考えたり行動してみたりすることが重要ではないでしょうか。
また、キャリアプランを持っている人の方が、より将来のキャリアに期待を持っているという結果も出ています。将来に期待を持てない理由、キャリアプランを持っていない(持てない)理由については、いずれも「やりたいことがない」が上位にあがっています。「やりたいこと」を明らかにするためには自分自身と向き合うことが求められ、その過程を苦しく感じる人も多いでしょう。キャリアプランを持っていない(持てない)理由の2位に挙がった「モチベーションが上がらない」の背景にも、その苦しさを避けたいと思う心理が働いているのかもしれません。
これまで私が数千人のビジネスパーソンに出会って感じるのは、「まず一歩踏み出さないと、何も分からない」ということです。入社後ギャップの解消に限らず、「自分なりにやってみた」と思えることには、ある程度の納得感が生まれるものです。そして、納得感を持って過去や現在を捉えられることは、将来に向けて大きな力になります。踏み出した一歩を振り返り、またもう一歩と踏み出していくことで、他の誰のものでもない、自分の道が拓かれていくと言えるでしょう。
GLOBIS 学び放題では、本企画における情報発信はもちろん、基礎的なビジネス知識などが学べるコース群「若手・新入社員のためのラーニングパス」の提供などを通して、若手社会人の学び直し、リスキリングを支援していきます。
≪プロフィール≫
鳥潟 幸志 (とりがた こうじ)
埼玉大学教育学部卒業。新卒でサイバーエージェントに入社後、23歳でPR会社ビルコムの創業に参画。
新規事業開発、海外支社マネジメント、営業、人事、オペレーションなど経営全般に10年携わる。グロービス参画後に、EdTechとしての新規事業「GLOBIS 学び放題」を立ち上げ。グロービス経営大学院や企業研修では思考系・ベンチャー系プログラムの講師を務める。グロービス経営大学院経営学修士課程(英語MBA Program)修了。
◇ GLOBIS 学び放題 (http://hodai.globis.co.jp/)
「GLOBIS 学び放題」は、グロービスがこれまでビジネススクールや企業内研修、出版事業を通じて培った、良質な経営教育のコンテンツやビジネストレンドを、スマートフォンやPCなど利用シーンに合わせたデバイスで、いつでもどこでも好きなだけ学習することができるサービスです。ビジネスに必要とされる体系的な知識を、900コース、5,900本以上の動画に収録。動画は1本あたり3分程度から構成しており、隙間時間に手軽に学習することが可能。2022年10月時点で導入社数3,100社以上、会員数は24万人以上に成長しています。
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◆グロービス (https://www.globis.co.jp)
グロービスは1992年の設立来、「経営に関するヒト・カネ・チエの生態系を創り、社会の創造と変革を行う」ことをビジョンに掲げ、各種事業展開を進めてきました。「ヒト」の面では、学校法人としての「グロービス経営大学院」ならびに、株式会社立のスクール「グロービス・エグゼクティブ・スクール」「グロービス・マネジメント・スクール」、企業内研修事業を行うグロービス・コーポレート・エデュケーションとeラーニングやオンラインクラスのほか定額制動画学習サービス「GLOBIS 学び放題」などを提供するグロービス・デジタル・プラットフォーム、「カネ」の面では、ベンチャー企業への投資・育成を行うベンチャー・キャピタル「グロービス・キャピタル・パートナーズ」、「チエ」の面では、出版事業ならびに情報発信サイト/アプリ「GLOBIS知見録」により、これを推進しています。さらに社会に対する創造と変革を促進するため、一般社団法人G1によるカンファレンス運営、一般財団法人KIBOW による震災復興支援および社会的インパクト投資を展開しています。
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