【新製品開発の背景など】
コロナ禍をきっかけに在宅等のテレワークや巣ごもり需要が広がり、各種ディスプレイの市場が活性化しています。また、タッチパネル仕様のノートパソコン等も増えるなか、接触による感染のリスクを低減していくため抗菌・抗ウイルスの性能を有したディスプレイ用表面フィルムのニーズが高まっています。
こうしたニーズに対してDNPは、長年培ってきたコーティング技術を活かし、材料の最適化を行うことで、従来の防眩フィルムの膜厚や光学特性・耐擦傷性・防汚性等の機能を維持しながら、抗菌・抗ウイルスの性能を有する製品の開発に成功しました。
【抗菌・抗ウイルス性能を有した防眩フィルムの特長】
1.SIAA認証を取得した抗菌・抗ウイルス性能
今回、開発したディスプレイ用防眩フィルムは、ISO22196に準拠した抗菌性と、ISO21702に準拠した抗ウイルス性を有しており、SIAA認証を取得しています。抗菌・抗ウイルスの処理をしていない従来製品と比較して、24時間後に99%以上の菌やウイルスを低減する性能を有しています。
SIAAは、適正で安心できる抗菌・抗ウイルス加工製品の普及を目的として、抗菌剤・抗ウイルス剤や抗菌・抗ウイルス加工製品のメーカーや抗菌試験機関によって結成された団体です。
2.現行の防眩フィルムの性能に、抗菌・抗ウイルスの機能を付与
防眩フィルムはこれまで、抗菌・抗ウイルス剤を添加することによって、光学特性が低下する課題がありました。DNPは今回コーティング材料を最適化することによって、光学特性や機械物性などの諸物性を維持しながら、抗菌・抗ウイルスの性能を付与することを可能にしました。これにより、パソコンやモニター、テレビなど、さまざまな用途にパネルを展開しているメーカーが仕様を変更することなく、DNPの新しい防眩フィルムを使用することができます。
【今後の展開】
DNPは、抗菌・抗ウイルスの性能を有した防眩フィルムをノートパソコンやモニター、テレビなどに展開し、2025年度までに年間50億円の売上を目指します。また、現在提供しているディスプレイ用防眩フィルムについても、抗菌・抗ウイルス性能を標準搭載した仕様にしていくことを目指します。
*1 「2022年版ディスプレイ関連市場の現状と将来展望」(株式会社富士キメラ総研)2021年実績
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