【哲学クラウドのShiruBe】mintおよびW fundらよりシードラウンドにて資金調達

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株式会社ShiruBe(本社:東京都大田区、代表取締役:上館誠也)は、mintをリードインベスターに、W fund、宇佐美峻氏を引受先とする、計4100万円の第三者割当増資をシードラウンドにて実施したことをお知らせいたします。これにより、プロダクト開発およびオペレーション体制の構築に加えて、積極的な採用活動(CTO、COO、エンジニア、セールス、UI/UXデザイナー、インハウス・フィロソファーなど)に取り組んでまいります。

また、このたび『哲学クラウド』β版の提供開始についても同時発表をしておりますので、別途本日発表のプレスリリースをご参照ください。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000109590.html

 

左より、W fund アソシエイト 高田拳伍氏、ShiruBe 代表取締役 上館誠也、mint インベストメントマネジャー 岡澤雄介氏左より、W fund アソシエイト 高田拳伍氏、ShiruBe 代表取締役 上館誠也、mint インベストメントマネジャー 岡澤雄介氏

■事業開発の背景および市場概況
新型コロナウイルス感染症の流行に伴いテレワークの導入が急速に進んだことで、高い生産性を実現する組織のあり方が大きく変化してきました。日本の労働生産性はアメリカの約6割、主要先進7カ国でみても1970年以降最下位です(※1)。その要因の1つとして「従業員の自律性の低さ」が課題に挙げられています。従業員が受動的に会社の方針に従い自発的に自らの力を発揮できなかった結果、組織全体のパフォーマンスが下がってしまったからだと私たちは考えています。さらに、「自律的に働きたい」と考えている従業員は8割を超えており(※2)、テレワーク環境における組織の生産性および従業員の働きがい向上のために、従業員一人ひとりが自律的に働ける組織づくりが求められています。

こうした背景を踏まえ、自律的な組織づくりを支援するために当社は“哲学”に着目しました。海外ではすでに、答えのない問いに対して2600年以上探求してきた“哲学”を大企業各社が取り入れており、企業理念や倫理規定策定、組織改善のための研修に哲学を活用しています。日本における企業向け研修サービス市場は5,200億円(※3)、またテクノロジーを活用し組織開発を行うHRTechクラウド市場は578億円(2021年度調べ、2020年度と比べて30.2%増)であり、2026年度まで成長を続け2270億円へ拡大する(年平均成長率31.5%)と予測されています(※4)。ShiruBeでは、研修サービス市場とHRTechクラウド市場の両方を視野に入れ、今の時代に必要な哲学を一般化し組織開発に実装する第一歩として『哲学クラウド』の開発・運営に取り組んでいます。

※1 国際的にみた日本の時間当たり労働生産性 公益財団法人 日本生産性本部
https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/international_trend_summary2021.pdf
※2 自律的に働くことに関する実態調査 リクルートマネジメントソリューションズ
https://www.recruit-ms.co.jp/press/pressrelease/detail/0000000322/
※3 研修サービス市場規模 ⽮野経済研究所 デロイト トーマツ ミック経済研究所
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3041
※4 HRTechクラウド市場の実態と展望 2021年度版
https://mic-r.co.jp/mr/02280/

■資金調達の背景と目的
『哲学クラウド』は正解なき時代に「考える」を習慣化するマネジメントプラットフォームです。2022年4月の設立以来、約半年間でユーザーへのフィージビリティを通して市場ニーズの検証やサービス開発を行ってまいりました。

この度、『哲学クラウド』の正式版リリースおよび導入企業数拡大を見据え、プロダクトUXおよびオペレーション体制強化によるサービス品質のさらなる向上と、事業拡大に伴う積極採用と組織構築を目的に、シードラウンドでの資金調達を実施する運びとなりました。

今回の増資による主な資金使途は下記の通りです。
①『哲学クラウド』のハード面の強化:インハウス・フィロソファーが哲学史上の議論と紐付けて分析する「哲学アナリティクス」により可視化された、従業員ひとりひとりの哲学をデータベース化し、タレントマネジメントや組織診断への活用を実現します。
②『哲学クラウド』のソフト面の強化:インハウス・フィロソファーが分析を行うプロダクト上での「哲学アナリティクス」およびリアルでの「哲学セッション/哲学コンサル」のシームレスなオペレーション体制を構築し、実行性の高い支援を実現します。
③採用活動の強化:CTO、COO、エンジニア、セールス、UI/UXデザイナー、インハウス・フィロソファーの職種で正社員や業務委託メンバーなど雇用形態に関わらず積極採用し、2023年春頃までに20人規模の組織を目指してまいります。

■今後について
今後は、プロダクト開発やHRtech(タレントマネジメントシステムや組織診断ツール)との外部連携などを通してHR市場において哲学を啓蒙していくとともに、2023年5月ごろの正式リリースを目指し、より多くの組織が哲学を活用できる仕組みの社会実装に取り組んでまいります。

■引受先各社/投資家からのコメント

  • 岡澤 雄介氏(mint インベストメントマネジャー)

「事業領域として哲学を選ぶスタートアップは国内ではまだとてもめずらしい存在ですが、海外では哲学専攻経験を持つ起業家が多く、「​インハウス・フィロソファー」​と呼ばれる企業専属の哲学者の雇用が進むなど、企業と哲学の距離が近づく傾向にあります。私自身Delight Venturesとmint共催のアクセラレータープログラム「SpringBoard」での上館さんとの出会いを通して、ビジネスにおける課題解決手段としての哲学の有用性を知り衝撃を感じたのと同時に、新たな事業領域としてその開拓と推進ができるのは、圧倒的な知見と巻き込み力を持つ上館さんしかいないと確信しました。上館さんとShiruBe社が持つ大きな可能性を信じて、引き続き応援してまいります。」
 

  • 高田 拳伍氏(W fund アソシエイト)

「政府が提言する『新しい資本主義』においても『人への投資』が取り上げられ、人や組織のパフォーマンス向上に寄与するサービスや仕組みがますます求められています。上館さんはHR領域を軸にキャリアを重ね、また、ご自身が幼少期から親しんでこられた哲学というものを武器に、これまでになかった切り口から人や組織が抱える根深い悩みの解決に取り組んでいる起業家です。『哲学は難解でとっつきにくいもの』と漠然と考えていた私に、具体と抽象を織り交ぜながら上館さんが説明くださったことを通して、この構想への理解が深まっただけでなく、『この人の深い思考力と卓越した対人力があれば、未開拓領域を切り拓いていけるにちがいない』と確信しました。芯の強さと素直で柔軟な思考の持ち主である上館さんとともに、哲学を通して組織課題を解決し、さらには哲学にとどまらず、さまざまな人文知に人々がアクセスできる世の中を作っていきたい、と強く考えています。一緒に走っていきましょう!」
 

  • 宇佐美 峻氏(エンジェル投資家 / mikan 創業者)

「10年前、セブ島への語学留学で初めて誠也と出会いましたが、あんなに激しく惹かれて、同時に劣等感や焦りを感じたのは、後にも先にも誠也に対してだけです。事業の内容はなんであれ、絶対に誠也は成功するとその時から確信しています。彼は昔からたくさんの問いを立てて自分で答えを考え、そこからまた問いを立てるという営みを、尋常ではないくらい繰り返していました。そこにはある種強烈な独特の原体験があるわけですが、それすらも羨ましく思ってしまうくらい、彼の立ててきた問いと思考過程を聞く経験は強烈でした。『答えよりも問いの方が重要だ』。僕自身は、最近になってようやくこの言葉の意味が少しだけわかってきたような気がします。そこで思うのは、もしかしたら哲学とは、問うことそのものなのではないかということです。簡単に手に入る答えが溢れているこの世の中ですが、ぜひ皆さんも哲学クラウドでたくさんの問いを立ててみてください。」

■インハウス・フィロソファー(社内哲学者)からのコメント

  • 梶谷 真司氏(東京大学 教授)

「哲学クラウドには、野望のようなミッションがある。哲学の社会実装によって『思考のパラダイム』を転換し、今日の世界を根本的に乗り越えようというのだ。人間が抱える問題は、昔から驚くほど変わっていない。哲学は、問題を発見し、それについて思考する営みを数千年にわたって続けてきた。必要なのは、その蓄積を今の時代、個々人の状況に合わせて活用することである。哲学クラウドはそれを哲学者たちと協働し、ITを駆使することで実現しようとする。何と大胆なチャレンジだろうか。

哲学クラウドには、理想を求めるメソッドがある。組織の利害と個人の利害はしばしば矛盾し、一方の問題解決を優先すると他方が犠牲になる。しかし両者が矛盾せず、一方の問題を解決すればもう一方のためにもなるのがいちばんいい。それを哲学クラウドは、哲学と対話をかけ合わせることで実現する。しかも、ただ答えを与えられる受け身の人間になるのではなく、自ら問題を見つけ、乗り越える力を身につけられるようにする。そこに哲学者として関われるのは、何とエキサイティングな試みだろうか。」
 

梶谷 真司氏(東京大学 教授)梶谷 真司氏(東京大学 教授)

1966年、名古屋市生まれ。1989年、京都大学文学部哲学科卒業。1994年、京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程修了。1997年、京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了、京都大学博士(人間・環境学)。2015年から現在まで、東京大学大学院総合文化研究科教授および共生のための国際哲学研究センター(UTCP)のセンター長。実践的な哲学として、身近な問いから悪魔の存在に至るまで世の中のあらゆるものごとを自由に考え追求する「哲学対話」を日本で広めた第一人者。著書に『考えるとはどういうことか 0歳から100歳までの哲学入門』(幻冬舎新書)がある。

【哲学クラウドについて】https://www.service.tetsugaku-cloud.jp/
哲学クラウドは正解なき時代に「考える」を習慣化するマネジメントプラットフォームです。働く中での違和感やモヤモヤを文章でアプリ上に投稿すると、哲学の専門家が分析して思考の傾向や類似する哲学を提示。個々人のデータをもとにチーム全体の自律状態やその原因となっている哲学の違いを可視化します。さらに経営者/管理職と哲学者が1on1を行い、根底の哲学を深掘りながら理想のチーム状態を言語化した上で、チームでの対話や思考方法のレクチャーを哲学者が併走サポートすることで理想のチーム状態を実現します。

【ShiruBeについて】
代表の上館が哲学を学ぶ中で、「こうあるべき」という「正しさ」が原因で自分自身が生きづらさを感じていると気づき救われた経験から、多くの人が自分らしく生きるきっかけを社会に届けたいと考え、設立にいたる。
・会社名:株式会社ShiruBe
・代表者:代表取締役 上館誠也
・所在地:東京都大田区大森西1-15-13
・設立日:2022年4月15日
・事業内容:正解なき時代に「考える」を習慣化するマネジメントプラットフォーム『哲学クラウド』の開発・運営、哲学コンサルティングの提供
・URL:https://www.service.tetsugaku-cloud.jp/

【本件に関する問合せ】
株式会社ShiruBe(担当:湯浅)
・TEL:090-2090-5951
・MAIL:press@tetsugaku-cloud.jp
 

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