デバイスメーカーにとって、T830の高度に統合されたコンパクトな設計は、大幅な省電力化をもたらすと同時に、開発期間の短縮とコスト削減を可能にします。通信事業者は、T830によりサブ6GHzの携帯通信インフラストラクチャを使用することで、最大7Gbpsの5G速度の提供が可能となり、ケーブルやファイバーなどの有線技術にかかるコストを削減することができます。さらに、消費者は自分で設置できる小さなデバイスから超高速インターネットサービスを利用できるため、固定回線ブロードバンドのように時間と手間のかかる設置作業から解放されます。
MediaTekのコーポレートバイスプレジデント・ワイヤレスコミュニケーション・ビジネスユニットゼネラルマネジャーであるJC Hsuは、次のように述べています。「5G CPEソリューションのリーダーとして、MediaTekは世界中のTier 1オペレーターと協業して、消費者と企業に高速で信頼性の高い接続を提供しています。この高度に統合されたプラットフォームは、5GとWi-Fi接続の両方において最新の技術進化を反映したもので、当社のお客様は、最小限のフォームファクターで極めて高性能なマルチギガビット5G CPE製品を構築することができます。」
T830プラットフォームには、強力なクアッドコアArm Cortex-A55 CPUを搭載した3GPP Release-16 5Gセルラーモデムや、サブ6GHzのRFトランシーバー、GNSSレシーバー、関連PMIC(パワーマネージメントIC)などを集積したメインSoCが含まれています。このメインSoCには、ネットワーク処理ユニット（NPU）とWi-Fiオフロードエンジンも内蔵し、CPUを介さずに5GセルラーからEthernetまたはWi-Fiへのマルチギガビットのルーティング速度に対応することで、スピードと電力効率の面でメリットを提供します。
お客様は、様々な受賞歴を持つMediaTekのFilogic Wi-Fi接続ソリューションとT830を組み合わせることができます。たとえば5G FWAルーターでは、Filogic 680（Tri-band 4×4 Wi-Fi 7）との組み合わせが可能です。5Gモバイルホットスポットでは、Filogic 380（dual-band 2×2 Wi-Fi 7）と組み合わせられます。これらのソリューションはいずれも、マルチリンクオペレーション（MLO）や、320MHzの帯域幅への対応など、新しいWi-Fi 7機能向けにトップクラスの機能を提供します。
T830のこのほかの機能は以下のとおりです。
・内蔵のM80モデムは、MediaTekの5G UltraSave技術を統合し、すべての5G接続条件において最適なエネルギー効率を確保します。
・M80モデムのセルラー機能には、5G NSA/SA両方の方式に対応し、4CC-CAまでのサブ6GHzの接続に加えて、FDD/TDDの混在双方向通信への対応が含まれています。
・デバイスメーカーの要件に応じて、デュアル5G SIM（DSDS）をサポートします。
・周辺機器との接続には、3つのPCI-Expressルートコンプレックスコントローラ、USB 3.2、2つの10GbE USXGMIIインターフェース、およびRJ11電話回線用各種PCM/SPIインターフェースが含まれています。
・ディスプレイドライバー内蔵の統合3D GPUを備えています。
・RDK-B、prplOS、OpenSyncに対応し、さまざまなTier 1オペレーターのオープンOSフレームワーク仕様に準拠しています。
MediaTekの5Gポートフォリオの詳細については、https://www.mediatek.jp/products/networking-and-connectivity/5g-broadband をご覧ください。
MediaTek Inc.について
MediaTek Inc.（台湾証券取引所：2454）は、その製品が年間約20億台のコネクテッドデバイスに採用されているグローバルファブレス半導体メーカーです。モバイル、ホームエンターテイメント、コネクティビティ、およびIoT製品向けの革新的なシステムオンチップ（SoC）の開発で市場をリードしています。イノベーションに対する積極的な取り組みにより、電力効率に優れたモバイルテクノロジーや自動車用ソリューション、高度なマルチメディアソリューションを含む主要テクノロジー分野で市場を牽引する地位を確立しています。それらの技術はスマートフォン、タブレット、デジタルテレビ、5G、音声アシスタントデバイス(VAD)、ウェアラブル端末など幅広い製品に活用されています。MediaTek は、スマートテクノロジーを通じて、人々が視野を広げ、容易に目標を達成できるようになるサポートを行っていきます。世界のブランド企業と協業して、優れたテクノロジーを誰もが利用できるようにすることを、企業活動の原動力としています。詳しくは弊社HPをご覧ください。https://www.mediatek.jp/
