株式会社MizLinx(東京都荒川区、代表取締役 野城菜帆、以下 MizLinx)は、NTTドコモビジネス株式会社(旧 NTTコミュニケーションズ株式会社、以下 NTTドコモビジネス)および株式会社NTTドコモ(以下 ドコモ)が2025年11月26日に開催した「能登HAPS※1パートナープログラム※2 第3回ミーティング」内の「HAPSユースケース創出コンテスト」において、MizLinxの『HAPSとカーボンクレジット※3で未来へつなぐ一次産業』最優秀賞を受賞しました。本受賞は、当社がこれまで取り組んできた海洋モニタリングおよび環境データ取得に関する技術を基盤とし、将来的にHAPSと連携させるユースケース構想として提案した点が高く評価されたものです。
1.コンテストの概要
本コンテストは、「スマートフォンやIoT機器との直接通信・高速大容量・低遅延」および「リモートセンシングの高度化」といったHAPSの特長を活用し、地域課題の解決や産業発展に寄与するユースケースを募集する取り組みです。
2.受賞内容およびコメント
最優秀賞:『HAPSとカーボンクレジットで未来へつなぐ一次産業』
団体名:株式会社MizLinx
概要:近年、地球温暖化に伴う生態系の変化により、漁業・農業といった一次産業では、不漁や収量低下といった深刻な影響が顕在化しています。こうした課題に対し、当社はHAPSの通信機能および搭載カメラを活用し、海上や山間部など、従来は通信やデータ取得が困難であった地域における広域かつ継続的なモニタリングの実現に取り組みます。
本取り組みでは、藻場がCO2を吸収する「ブルーカーボン」や、森林・水田による「グリーンカーボン」を対象に、高精細な映像・画像データを取得・解析することで、藻場再生や森林・水田管理の高度化を支援します。これにより、カーボンクレジットの創出を後押しするとともに、生態系保全と脱炭素、さらには地域生産者への還元を両立する持続可能な一次産業モデルの検証を進めていきます。
コメント:株式会社MizLinx 取締役 石川空
このたびは大変光栄な賞を賜り、誠にありがとうございます。HAPSの有用性が社会的に評価されたものと受け止め、心より感謝申し上げます。
本受賞を励みとし、HAPSが実際に社会で活用されるユースケースの早期実現に向け、より一層努力してまいります。引き続きご指導ご支援のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
※その他の受賞者情報は、NTTドコモビジネス公式サイトをご参照ください。

3.受賞構想とMizLinx Monitorとの技術的な関係
本ユースケースで構想している藻場・農地・水産環境の広域モニタリングは、現在MizLinxが提供している海洋IoTモニタリングシステム「MizLinx Monitor」で培ってきた技術を基盤としています。MizLinx Monitorは、水中カメラや各種センサーを搭載した通信ブイにより、映像・画像、水温、溶存酸素、塩分、濁度、クロロフィルなどの環境データを継続的に取得し、Webアプリ上で可視化・共有する仕組みです。本受賞は、これらの既存技術が将来的にHAPSと連携することで、LTEなどの地上通信が届かないエリアまでモニタリング範囲を拡張できる可能性を有する構想として評価されたものです。
4.MizLinx Monitor 製品概要
「MizLinx Monitor」は、海上・沿岸域など水中の環境を対象とした海洋IoTモニタリングシステムです。

主な特長
カメラや各種環境センサーを搭載可能な海洋IoTブイ 水中カメラによる映像・画像の取得 水温、溶存酸素、塩分、濁度、クロロフィル、流向・流速などの環境データの取得 太陽光パネルを搭載し、長期間の連続運用が可能 Webアプリ上でリアルタイムにデータを確認(スマートフォン・PC・タブレット対応)
MizLinxでは、ハードウェア・ソフトウェアの一体開発により、調査・監視・研究・効果検証など、用途に応じた柔軟なカスタマイズにも対応しています。
5.今後の展開
MizLinxは本受賞を契機に、今回評価されたユースケース構想をもとに、NTTドコモビジネスとドコモをはじめ、自治体、研究機関、企業などとの連携可能性を段階的に検討していきます。あわせて、「MizLinx Monitor」を核とした既存の海洋モニタリング事業をさらに強化し、藻場再生、赤潮対策、水産業・農業の生産性向上、環境保全といった分野における社会実装を着実に積み重ねてまいります。
会社概要
会社名:株式会社MizLinx
代表者:代表取締役 野城 菜帆
設立:2021年8月18日
所在地:東京都荒川区南千住8丁目5番7号白鬚西R&Dセンター216号室
事業内容:
・海洋モニタリングシステムの開発・提供
・自律型水中ロボットの開発
・受託開発、コンサルティング、共同研究
主な製品:
・海洋モニタリングシステム「MizLinx Monitor」
・自律型水中ロボット「MizLinx AUV」
Webサイト:https://mizlinx.com/
X(旧Twitter):https://x.com/MizLinx
Instagram:https://www.instagram.com/mizlinx/
【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社MizLinx
広報部 佐々木
メールアドレス:pr@mizlinx.co.jp
※1:HAPSとは、High-Altitude Platform Stationの略称です。地上約20km上空の成層圏を数日〜数か月の長期間に渡って無着陸で飛行できる無人飛行体を指します。機体には中継器などを搭載し、直径100~200km程度のエリア化が可能となり(機体設計により変動)、従来エリア化が困難であった空、海上をはじめ、採算性の観点からエリア化されていなかった過疎・中山間地域なども対象とすることが検討されています。
※2:能登HAPSパートナープログラムとは、ドコモとNTTドコモビジネスが2024年11月26日(火)に石川県と締結した包括連携協定における取り組みのひとつです。石川県能登をフィールドにHAPSを活用し地域活性や新規ソリューション創出を検討するプログラムで、全国から67団体が参加しています(2025年11月1日時点)。
※3:カーボンクレジットとは、CO2など温室効果ガスの削減や吸収の成果を数値化し、証書として発行・売買できる仕組みです。
※4:藻場とは、海底や沿岸に海藻が繁茂し、魚介類の産卵・生育の場となる重要な海洋生態系の一部のことです。


