少子高齢化や人口減少、コロナ禍による外出抑制の影響などもあり、全国的に公共交通の利用者が減少している一方で、高齢者の免許返納数の増加や過疎化が進む地域における商業施設や医療施設の撤退などに伴い、生活の足の確保が喫緊の課題となっています。また、交通事業者においては、乗務員の高齢化やなり手不足が深刻化しており、路線の維持・確保を図るためにも、ICTやデジタルを活用した持続可能な交通体系の構築が期待されています。
このような背景のなか、岩見沢市では、地域特性であるICT環境を用いながら、デジタルの力を全面的に活用し「地域の個性と豊かさ」を生かしつつ、「心豊かな暮らし」(Well-being)と「持続可能な環境・社会・経済」(Sustainability)の実現を目指す取り組みを進めており、今回の自動運転EVバスの実証も重要な取り組みのひとつと捉えています。
マクニカは、AIやIoT、自動運転など世界最先端のテクノロジーを使い、パートナー企業、研究機関、そして自治体などと協業して、様々な社会課題に取り組んでいます。その取り組みの一つとして、自動運転EVバスの実証実験などを入口に、安全安心で住みよい未来のまちづくりを、全国の自治体と進めています。
本実証は、マクニカが岩見沢市および岩見沢市内企業の2団体から構成される「岩見沢市自動運転バス実証コンソーシアム」より委託を受け、協力機関である岩見沢地区ハイヤー協会と共同で実施します。
-
本実証の内容
ICTやデジタル技術を用いた「市民生活の質の向上」という岩見沢市が掲げるビジョンの具体化として、
自動運転EVバスを活用して以下の内容の実証実験を予定しています。
・自動運転EVバスが移動交通手段の確保のための手法のひとつとして機能するかを評価検証
・産学官連携(北海道大学COI-NEXT)による車両を活用した教育・健康に関連するMaaSやデジタル技術を活用したサービスの検証
⊳運行管理(遠隔監視)システム、乗車予約(スマートフォン活用)、ニーズ調査(スマートフォン・タブレット活用)
・今年4月に施行された改正道路交通法により認められたレベル4「特定条件下における完全自動運転」を
見据えた、遅延のない通信環境による遠隔監視の実証
・北村赤川鉱山施設で実証中の温泉付随ガスと太陽光を燃料に発電した電力の利活用と、充電に活用することによるCO₂排出量削減効果や電力利活用による低炭素化の検証(令和4年度からの継続実証)
-
本実証の概要
交通密集地域(シャトル運行)
■日 程 : 2023年10月6日(金)~10月13日(金)
■時 間:9時~17時
■場 所:JR岩見沢駅~北海道教育大学岩見沢校
■乗車方法:予約サイトでの事前予約
住宅地域(地域内循環)
■日 程:2023年10月15日(日)~10月20日(金)
■時 間:9時~17時
■場 所:北村地域(北村支所発着)
■乗車方法:電話による事前予約
※天候や乗客の状況により臨機応変に運行いたします。
※詳細は岩見沢市ホームページを参照ください。
https://www.city.iwamizawa.hokkaido.jp/soshiki/johoseisakuka/11697.html
■自動運転技術等の活用による新たなモビリティの実証運行
自動運転とは、カメラやセンサー、GPSの位置情報システムなどにより、周囲の状況を認知し、自動運転システムが予測・判断をして、ハンドルやアクセル、ブレーキの操作をするものです。この度使用する車両は、ハンドル・アクセル・ブレーキペダルのない自動運転EVバス「NAVYA ARMA(ナビヤ アルマ)*1」です。また、車両の走行データをマクニカ製遠隔監視システム「マクニカモビリティデータプラットフォーム*2」に連携し、自動運転EVバスの走行情報をリアルタイムに離れた場所で確認します。
*1:自動運転バスNAVYA ARMA
ARMAは自動運転システムを搭載した自動運転シャトルバスです。EV(電気自動車)仕様となり、1回の充電で約9時間(100km)の自動走行が可能です。
全長:4,750mm
全高:2,650mm
全幅:2,110mm
重量:2,400kg
車両総重量:3,450kg
乗客人数:最大15人(利用者8名)
動力源:電動モーター
最高速度:19km/h(運行時は平均速度15km/h程度)
自動運転レベル:レベル2(技術的にはレベル3相当)
その他:緊急時は同乗のドライバーが手動介入
本実証にて使用する自動運転EVバスは、マクニカと芙蓉総合リース株式会社及び芙蓉オートリース株式会社が共同で構築した「自動運転実証実験支援サービスプログラム」により提供します。詳細は以下URLをご参照ください。
*2:マクニカモビリティデータプラットフォーム(遠隔監視システム)
車両に取り付けられたセンサー(GPS、カメラ等)と車両のCAN情報(車速、回転数、ステアリング舵角等)を収集し、高品質な伝送方式を用いてクラウドへデータを保存することで、監視者1人が遠隔からクラウドにアクセスし、リアルタイムで複数車両のモビリティの状況確認ができます。その他、蓄積されたデータから過去の状況確認、データ分析、AI活用にも応用できます。遠隔監視システムの活用により、社会課題の働き手不足の解消を目指します。
※本文中に記載の製品名は、各社の商標または登録商標です。
※ニュースリリースに掲載されている情報(製品価格、仕様等を含む)は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご承知ください。
<本実証実験に関するお問い合わせ先>
株式会社マクニカ 官公ソリューション推進室 田中
TEL :045-470-9191
MAIL :tanaka-yos@macnica.co.jp
-
株式会社マクニカ について
マクニカは、半導体、サイバーセキュリティをコアとして、最新のテクノロジーをトータルに取り扱う、サービス・ソリューションカンパニーです。世界23か国/地域81拠点で事業を展開、50年以上の歴史の中で培った技術力とグローバルネットワークを活かし、AIやIoT、自動運転など最先端技術の発掘・提案・実装を手掛けています。
マクニカについて: https://www.macnica.co.jp
-
岩見沢市 について
岩見沢市は、まちの将来像(ビジョン)「誰もが活躍できる地域社会~スマート・アグリシティ」を市民と共有し、デジタル技術や地域資源・特性を用いて「地域の未来創造」にチャレンジしています。