1.本システム導入の背景と目的
メディパルは、「2027メディパル中期ビジョン Change the 卸 Forever ~たゆまぬ変革を~」において「持続可能な流通の構築」を掲げ新しい流通体制を構築しております。
その一環として、メディパルと富士通は、DX(デジタルトランスフォーメーション)パートナーとして、医療用医薬品等のメーカーから物流センターへの入荷、及び各医療機関や調剤薬局までの一連の配送工程における生産性向上を目的に、物流最適化の取組みを共同で進めています。
2023年3月には、「神奈川ALC(横浜市戸塚区)」に、富士通が開発したクラウドサービス「Picking Optimizer(ピッキングオプティマイザー)(https://www.fujitsu.com/jp/solutions/industry/logistics/product/pickingoptimizer/)」を導入し、同ALCにおけるピッキング生産性が16%向上しました。今回「Picking Optimizer」で培った技術を応用した富士通のAI(数理最適化技術)を「阪神ALC」へ適用し、さらなる生産性の向上をめざします。
2.本システムの特長
「阪神ALC」に導入した本システムは、物流センター内に保管されている3万SKU※2を超える商品からオーダーに基づきお得意様別の納品箱に収納するまでのピッキング工程全体の効率化を目的としています。
ピッキング作業者は複数のお得意様向け納品箱に商品を収納しますが、その際に同じ商品を一度にピッキング出来れば、作業の集約が可能となり商品の搬送回数も最小となります。今回はこれを2つのAI(数理最適化技術)を組み合わせることで実現しました。
1つは、複数の納品箱を作成する際に同時作業できる最適な組み合わせを探索・発見することを可能とするAIで、作業の集約を実現します。そして、もう1つのAIにより各種商品を格納している自動倉庫から、商品を納品箱に収納するピッキングステーションへ、商品格納オリコン※3を流す際の順序を最適化し、搬送時間を最小化します。その際には自動倉庫の配置やマテハン※4、および各種ロボットの処理性能を含めて計算処理しています。
従来のALCではオーダーが入った順番に納品箱を作成し、出荷までに時間を要していました。一方、本システムでは一定のオーダー単位でAIによる最適化計算をすることで、出荷時間の短縮、ピッキング作業と搬送を効率化し、生産性を向上させます。AIのほか、各種ロボットや自動化設備も含めて、ピッキング生産性は「神奈川ALC」の約5倍となることを見込んでいます。
3.今後の展開
メディパル
本システムの「阪神ALC」への導入を皮切りに、ピッキングシステムを採用している他のALCへも「Picking Optimizer」と合わせて順次展開をすすめてまいります。また、富士通と連携しICTやAIを活用することで、さらなる効率化の早期実現をめざします。
富士通
富士通は今回のピッキングシステム導入に加え、メディパル向けにAIを活用した他のサービスによる支援の検討も開始しています。また、ロジスティクス領域へのAI活用を促進し、医療・ヘルスケア領域の物流最適化や社会課題解決、環境負荷軽減に貢献していきます。
※1 ALC(Area Logistics Center):医療用医薬品や医療材料、臨床検査試薬などを扱う高機能物流センター。主に調剤薬局、病院、診療所などに商品を供給。
※2 SKU(Stock Keeping Unit): 商品の受発注・在庫管理を行うときの、最小の管理単位。
※3 商品格納オリコン:自動倉庫の各商品が入っている折り畳み容器(コンテナ)。
※4 マテハン:マテリアルハンドリングの略で、物流業務を行う作業や機械の総称。
以 上
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株式会社メディパルホールディングス 広報部
TEL:03-3517-5171
富士通株式会社
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TEL: 0120-933-200
※9:00~12:00および13:00~17:30(土・日・祝日・富士通指定の休業日を除く)
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