8月20日に開業。7月23日より公式ホームページから予約を開始いたしました。
長野県諏訪郡富士見町、1日1組限定(定員5名)完全プライベートに過ごす宿。
周辺を田んぼに囲まれ、南アルプス、富士山、八ヶ岳を望む4000平米の敷地の高台に建てられた小さな宿です。
株式会社のちのち代表取締役 山越典子が藤森氏の建築に惚れ込み2010年に設計を依頼、構想13年目にして開業。
「自然との調和」を建築最大のテーマとする藤森氏の設計は、銅板の屋根の上に桜の木を植え、外壁を焼杉の板で覆う特徴的な建物となりました。
藤森照信氏の手書きの設計図
■コンセプト「いのちの中で呼吸する」
長野県と山梨県の境に近い、小さな集落の中に建つ小泊Fuji。
ここには身近な自然に寄り添う穏やかな人の営みと、南アルプスを一望し、八ヶ岳、富士山も望めるダイナミックな環境があります。
“人と自然が織りなす里山の風景に、ゆっくりと心を満たす滞在” を目的とした施設。
チェックイン後に施設スタッフは常駐しない為、一組のみで完全プライベートに藤森建築の世界観を堪能する事ができます。(家具のデザインも藤森氏による)
宿に併設された宿泊者専用のパントリーストア(売店のような役割)では、地元の食品やお酒などを購入することもできチェックアウトまでの時間、加不足のない滞在となるように整えられております。
のちのちの人生に小さなきっかけをもたらす、心のお土産を持ち帰るような体験を提供いたします。
■クラウドファンディングの活用
オーナーの山越典子の呼びかけで2022年11月に行ったクラウドファンディングでは、銅板屋根の施工費用として目標510万円に対して倍の1,000万円を超える支援を達成しました。(支援者合計402名)
屋根に貼る手曲げの銅板や外壁の焼杉は、クラウドファンディングのリターンとしてワークショップを行い、のべ150人の協力を得て作りあげました。
「建築は誰にでも関われるところがあるから面白い」藤森氏の言葉です。
■変化し続ける宿
藤森氏の建築の特徴として、漆喰の天井に炭を貼る意匠があります。
宿泊記念としてお客様に寝室の天井に小さな炭のピースを貼り付けていただき、約1年かけて仕上げていきます。
今後はさらに建物が周囲の環境に溶け込んでいくよう、敷地内の田んぼを復活させ、植樹を行い、ゆっくりと完成を目指します。(天井の炭張り体験2024年8月までを予定、希望者のみお一人様1ピース)
■宿泊施設概要
・長野県諏訪郡富士見町(プライベート施設につき住所は非公開)
・敷地4000平米/客室面積63平米
・1日1組限定(定員5名)
・朝食付き(セルフサービスでのご用意)
・ミニキッチン付き
■宿泊料金(税込み)
一棟基本料金 66000円(季節変動あり)
大人 8800円 中学生5500円 小学生3300円 小学生以下無料 (詳細はHP)
【設計:藤森照信】
1946年長野県生まれ、建築史家、建築家
東京大学名誉教授。東京都江戸東京博物館館長。
1986年「路上観察学会」を発足。1991年「神長官守矢資料館」で建築家としてデビュー。
1997年「ニラハウス」赤瀬川原平邸で日本芸術大賞。
2006年「第10回ヴェネチア・ビエンナーレ建築展」日本館のコミッショナーをつとめる。
2020年「ラコリーナ近江八幡 草屋根」で芸術院賞を受賞。