■施設系事業所だけでなく、通所系事業所でも新たにゼロプロを開始
当社では、「ゼロプロ」(注1)を通して特別養護老人ホームを中心に介護の口腔ケアで高齢者を誤嚥性肺炎から守り命を救ってきました。これまでの取組で、要介護度が低い方であってもお口の健康状態が良くないということが明らかとなってきたため、この度デイサービスでの取組を開始いたしました。
注1)誤嚥性肺炎ゼロプロジェクトについて
介護現場に正しい口腔ケア(ゼロプロ式口腔ケア)を届け、高齢者の肺炎のほとんどを占める“誤嚥性肺炎”をゼロにすることを目指すプロジェクトです。
(詳細)当社HP:https://crosscare-dental.jp/goen-zero-project
(実績)特別養護老人ホーム マナハウスさまでは、平成 28 年 10 月より誤嚥性肺炎ゼロプロジェクトに取り組み始め、介護職員が週 2 回の口腔ケアを行ったことで 1年間で誤嚥性肺炎による入院日数は約 4 分の 1 に減らすことができました。
■通所系事業所のお口の健康状態の現状
デイサービスのご利用者様は自立度が高い方が多く、口腔ケアは基本的にはご自身でされる方が大半です。しかし、実際にOHAT-J(注2)を用いてお口の評価をしてみるとお口の健康状態が良くない利用者様が施設系事業所よりも多くいらっしゃることがわかりました。(参照:図-1)そのため、通所系介護事業所であるデイサービスを拠点にゼロプロを実施することで、高齢者の中でも比較的要介護度が低い方のお口の健康状態を改善しQOLを高める取組を新たに開始しました。
【図-1】デイサービスと特養のお口の状態比較
注2)OHATとは”Oral Health Assessment Tool”の略で、看護、介護スタッフが障害者や要介護者の口腔問題を評価するための口腔アセスメントツールのこと。Dr.Chalmersらによって作成され、評価項目は、口唇、舌、歯肉・粘膜、唾液、残存歯、義歯、口腔清掃、歯痛の8項目ある。それぞれ健全から病的までの3段階に分類される。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsdh/37/1/37_1/_article/-char/ja (2023/07/26取得)
■実際のデイサービスでの取組について
スターフィールドデイサービスセンター(所在地:福岡市早良区)では本取組のモデル施設として2023年7月よりゼロプロへ参画。デイサービス職員による定期的な口腔ケアも実施しています。利用者様からも「自分ではなかなか取れなかったお口の中の汚れも取れ、スッキリして気持ち良い」等のお声も頂き、反応も上々とのことです。
<スターフィールドデイサービスセンター様のスタッフの方の口腔ケアの様子>
スポンジブラシを使って大きな汚れを取る 唾液の分泌を促すリハビリ
<施設職員からの声>
管理者 山下さん:
「口腔ケアに注力するには、知識をつけたり手技を学んだりする手立てがないと時間がかかってしまう。私たちにとってお口の中は未知の世界であるため、連携することで、ゼロプロ式口腔ケアの手技を学べたり口腔内の評価をしたりすることができる点が、導入の決め手になりました」
■高齢者の方のお口の状態を改善しつつ、介護事業所の加算収益増へも貢献
近年の介護保険改正の流れを受け、事業所での口腔ケア実施が益々重要となってきています。とりわけ、デイサービスでは口腔機能が低下している、またはそのおそれがある利用者に対して口腔機能の評価や改善取組することで「口腔機能向上加算」の取得にも繋がります。本取組は、厚生労働省が推進している口腔機能向上の取組に資するものであり、通所系事業所は口腔機能向上加算(150単位×2回/月 ※要介護の場合)の算定条件も満たします。
■SDGs:「3 すべての人に健康と福祉を」3-4を促進
本取組は、SDGs:「3 すべての人に健康と福祉を」3-4(注3)を促進する取組です。今後は通所系事業所だけでなく、在宅介護の方へも口腔機能向上に伴う肺炎予防プログラムをお届けし、さらなるSDGsの推進を図っていきます。
注3)2030年までに、予防や治療をすすめ、感染症以外の病気で人々が早く命を失う割合を3分の1減らす。心の健康への対策や福祉もすすめる。
◼株式会社クロスケアデンタルについて
会社名:株式会社クロスケアデンタル
代表 :歯科医師/博士(歯学) 瀧内 博也(たきうち ひろや)
設立 :2018年7月11日
所在地:福岡市中央区大手門1丁目6-3-301