本プロジェクトは、2023年7月から2024年2月までの補助期間で埼玉県から最大750万円のPoC費用補助とサポートを受け、埼玉県内の大学や事業者、自治体(富士見市、富士見市商工会、JAいるまの、女子栄養大学、日本薬科大学)と連携して実証実験を行います。さらに、2023年5月に採択された「JAアクセラレーター第5期」のプログラムとして現在進めている、規格外・余剰農作物のアップサイクルに向けた計画とも連動させながら、埼玉県における食の循環型モデル構築を目指します。
「サスティナブルな社会の実現」をミッションに掲げるフードテックベンチャーのASTRA FOOD PLAN 株式会社(埼玉県富士見市、代表取締役:加納 千裕 以下ASTRA FOOD PLAN )は、2023年7月7日付で「令和5年度埼玉県サーキュラーエコノミー型ビジネス創出事業費補助金」に採択され、埼玉県内で「埼玉 食のサーキュラーエコノミープロジェクト」(以下、本プロジェクト)を始動することをお知らせします。
本プロジェクトは、2023年7月から2024年2月までの補助期間で埼玉県から最大750万円のPoC費用補助とサポートを受け、埼玉県内の大学や事業者、自治体(富士見市、富士見市商工会、JAいるまの、女子栄養大学、日本薬科大学)と連携して実証実験を行います。さらに、2023年5月に採択された「JAアクセラレーター第5期」のプログラムとして現在進めている、規格外・余剰農作物のアップサイクルに向けた計画とも連動させながら、埼玉県における食の循環型モデル構築を目指します。
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「埼玉サーキュラーエコノミープロジェクト」の概要
本プロジェクトでは、埼玉県内の農業生産者において発生する、規格外品や天候理由等による余剰農産物をJAいるま野(埼玉県川越市)が集荷・販売を行い、当社の『過熱蒸煎機』でパウダー化します。ここで生まれた食品パウダー『ぐるりこ™』は日本薬科大学(埼玉県北足立郡)や専門研究機関と連携し、栄養・成分特性の分析を行います。
さらに、『ぐるりこ™』を用いたレシピ開発には女子栄養大学(埼玉県坂戸市)や県内事業者と連携して高付加価値化を図ります。これらを給食事業者や富士見市商工会、その他埼玉県内の食品事業者と協力することで、埼玉県を中心とした一般のお客様にも販売・提供していくスキームです。
また、ASTRA FOOD PLANが本社を置く埼玉県富士見市内の小中学校と連携し、給食や食育に関わる学習機会の提供も計画しています。生産者課題の解決から製品化までを産官学連携によって行うことで、埼玉県内における食の循環型モデル構築を目指します。
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本プロジェクト連携事業者
本プロジェクト実施にあたり、本社所在地である埼玉県富士見市を中心にASTRA FOOD PLANが連携事業者を募り、以下の事業者の参画が決定しています。
・JAいるま野:規格外・余剰農作物の発生状況調査、集荷と販売
・女子栄養大学:給食メニュー開発
・日本薬科大学:機能性成分の分析・解析
・富士見市商工会:商工会会員企業との連携サポート
・富士見市役所:富士見市の企業・教育機関等の連携サポート
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「JAアクセラレーター第5期」との連動
ASTRA FOOD PLANは、2023年6月にJAグループが主催する「JAアクセラレーター」に採択されており、JAグループの伴走支援を受けながら、形が悪いことで廃棄される規格外品や、出荷調整によって廃棄される余剰農作物などをアップサイクルする取り組みにチャレンジしています。本プロジェクトでは富士見市近郊の地域JAである、JAいるまのと連携していくため、JAアクセラレーターでの取り組みと連動させることで、生産者サイドの課題解決に向けて相乗効果を狙います。
▼2023年6月のプレスリリース「ASTRA FOOD PLAN、『JAアクセラレーター第5期』に採択」URL:
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令和5年度埼玉県サーキュラーエコノミー型ビジネス創出事業費補助金の概要
埼玉県は、資源の循環利用と県内産業の成長のため、サーキュラーエコノミーを推進しています。令和5年度から、県内中小企業等が連携して取り組むサーキュラーエコノミー型のビジネスの創出に係る経費を助成する補助金が新設されました。本補助金では採択事業1件につき最大750万円の助成が行われます。プロジェクト期間は、2023年7月から2024年2月までの約半年間です。
▼県政ニュース「サーキュラーエコノミー型ビジネス創出事業費補助金7件を採択~県内企業の環境の取組と経済成長の両立を支援します~」URL:
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富士見市 星野光弘市長よりメッセージ
富士見市では、豊かな自然と持続可能な社会を次世代に引き継ぐため、令和4年4月に「ゼロカーボンシティ宣言」を表明する等、SDGsの理念に基づく持続可能なまちづくりに向けて各種事業を推進しています。
ASTRA FOOD PLAN株式会社の先進的な取り組みである、独自の過熱蒸煎技術を活用した規格外野菜のアップサイクルによる循環型経済モデル事業は、地域における新たな地産地消の実現と循環型ビジネスモデルとしての価値創出につながるものであり、無限大の可能性を感じております。
本事業が、埼玉県サーキュラーエコノミー型ビジネス創出に係る補助事業に採択されたことにより、市といたしましても、事業確立に向けて、官民一体の連携サポート体制のもと最大限の支援を行い、地域経済の活性化を図るとともに、この取り組みを「富士見市モデル」として確立し、SDGsの更なる推進につなげていきたいと考えております。
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いるまの農業協同組合 亀田康好 代表理事組合長 よりメッセージ
JAいるま野は「地域にやさしさ耕す未来」をキャッチフレーズに掲げ、かけがえのない地球環境を次世代に引き継ぎ、安心・安全な農産物を持続的・安定的に供給できる地域農業を振興するため、事業活動を通じた環境への貢献に取り組んでおります。
今回、管内にあるASTRA FOOD PLAN社の過熱蒸煎技術によって規格外野菜をアップサイクルする新たなビジネスモデルの創出事業は、食品ロス問題や環境負荷の削減など、SDGsへの貢献のみならず、農業者の所得向上や持続可能な農業生産の実現に繋がることから、プロジェクトにできる限りの協力をしてまいりたいと思っております。
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女子栄養大学 香川明夫学長よりメッセージ
埼玉県坂戸市に位置する女子栄養大学は、本年、創立90周年を迎える「食」を専門とする大学です。「食により人間の健康の維持・改善を図る」ことを建学の精神とし、数多くの自治体、教育機関、企業等との連携活動を行う中で、地域の健康な生活を支える取り組みを続けています。
この度の本学の卒業生であるASTRA FOOD PLAN社の加納千裕社長による「過熱蒸煎技術を活用した規格外野菜のアップサイクルによる循環型経済モデル」の推進は、本学が考えるSDGsのあり方と合致し、地域社会に貢献できるものであり、野菜過熱蒸煎パウダーを使用したレシピの開発、給食メニューの開発を通じ、本プロジェクトの可能性を広げていけるものと考えております。
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日本薬科大学 都築稔学長よりメッセージ
日本薬科大学は、日本で初めて漢方薬学科を開設した大学として2004年に開学しました。漢方、健康、医療に関する人的・物的資源を生かして、計23自治体と連携協定を締結し、健康講座の開催、地場企業との商品開発など、産学官連携を活発に行なっています。
近年、ESG(環境・社会・企業統治)投資が注目を集め、投資額も拡大しています。その結果、多くの企業が、産業廃棄物処理やCO2排出削減(カーボンニュートラル)などに積極的に取り組んでいます。
「ドローダウン-地球温暖化を逆転させる100の方法」(ポール・ホーケン著)のCO2排出削減の解決総合ランキング第3位に、「食糧廃棄の削減」が挙げられています。地球規模の課題に対するもっとも効果的な取り組みは、加工・流通後に使い道を見つけるのではなく、廃棄自体を防ぐことです。
富士見市発!食から世界を変える!ASTRA FOOD PLAN社の「サステナブル・フード革命」を学生たちと一緒に応援します。
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富士見市商工会 関野兼太郎会長よりメッセージ
富士見市商工会は、あらゆる環境変化への対応が求められている中小企業・小規模事業者に対し、経営相談や各種補助金申請サポート、制度周知、事業計画作成支援等、課題解決型の伴走支援を実施しております。
会員であるASTRA FOOD PLAN社の加納千裕社長が食品業界で問題視されてきた「かくれフードロス」解決に向けて開発された過熱蒸煎機は、企業として環境に配慮した事業活動や社会貢献を求められる中で、フードロス削減やSDGsに向けた素晴らしい取組みであります。
ASTRA FOOD PLAN社は、多種多様な食品残渣を栄養価の高い高付加価値な食材にアップサイクルできる技術力と将来性ある企業であり、当会としても伴走支援のみならず、市内事業者と連携し富士見市内活性化に繋げられるよう支援をしていきたいと思います。
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代表メッセージ
この度は、弊社の取り組みに共感し、ご協力いただける多方面の方々に恵まれ、大変ありがたく思っております。私は生まれも育ちも埼玉ですが、埼玉県は大消費地東京に近いため、食品系の工場の進出が多く、食料品の製造が盛んです。全国ランキングで1位から3位を占める品目が多いことから日本有数の食品製造工場が存在する地域と言えます。食品工場が多いということは、それだけ「かくれフードロス」も多く発生していることを示します。本プロジェクトで開発される商品には、『ぐるりこ™』マーク(制作中)をつけて各事業者から販売されることを予定しています。過熱蒸煎機で製造するアップサイクルパウダー『ぐるりこ™』の認知を広げると同時に、消費者の「かくれフードロス」に対する意識向上にもつなげる狙いです。
本プロジェクトによる『ぐるりこ™』マーク商品は、大企業の商品だけでなく、地域のベーカリーショップ、飲食店等でも各々開発・販売される計画です。身近な店舗でエシカルな商品を選択するという行動によって、県民の皆さんの環境配慮意識向上にもつながる可能性のある、県民参加型の取り組みになります。
今回のプロジェクトでは、地元のアセットをフル活用して地域の循環型「埼玉モデル」を成功させ、他の地域に横展開することで、日本全国の地域の「かくれフードロス」削減に繋げたいと思います。
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代表経歴
加納千裕 <Chihiro Kano>
埼玉県出身。食品関係事業をする父と栄養士の母の影響で幼い頃から食に興味をもち、これまで一貫して食に関わるキャリアに携わる。女子栄養大学 栄養学部を卒業後、株式会社ロック・フィールドで製造・販売に従事。その後、株式会社榮太樓總本鋪で商品企画・新ブランド「にほんばしえいたろう」の立ち上げを担当し、150余年続く和菓子ブランドのリブランディングも経験。株式会社塚田農場プラスでは弁当の商品開発に従事。キャリアの過程では、父である加納勉が創業した会社において、過熱水蒸気によるピューレ製造技術を用いた商品開発から販売営業まで一貫して担い、過熱水蒸気オーブンの法人向け営業にも従事。同社退職後2020年8月、過熱水蒸気技術を用いた新事業としてASTRA FOOD PLANを設立。代表取締役社長に就任。新潟県十日町市と埼玉県の二拠点生活中。唎酒師。アマチュアオーケストラ ヴァイオリン奏者。山菜採りと料理が趣味。
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『過熱蒸煎機』について
『過熱蒸煎機』は、食品の風味の劣化と酸化、栄養価の減少を抑えながら、乾燥と殺菌を同時に行うことが可能な装置です。以下の3つの特徴により、野菜の不可食部分や、米ぬか、果物の搾りかす、飲料ざんさにいた るまで、高付加価値化した食材にアップサイクルすることが可能です。
1.食材の風味の劣化と酸化を防止
数百度の高温スチーム 過熱水蒸気を用いることで食材の酸化を抑え、栄養価の損失と風味の劣化を防ぎます。食材によっては旨味成分が増加し、ビタミンE、β-カロテンや葉酸などの栄養価が、熱風乾燥を用いた場合と比較して高いことも分かっています。
2.低コスト、高い生産効率を実現
ボイラーレスの過熱水蒸気発生装置を開発し、熱風と併用することでエネルギー効率が極めて高い乾燥・殺菌技術を実現。連続式で生産効率が高く、従来型乾燥技術のコストの課題をクリアしました。
3.スピード殺菌乾燥
過熱蒸煎機での食材への加熱時間はわずか5~10秒。短時間加熱で食材の劣化を抑えながらも、過熱水蒸気の効果でしっかりと殺菌ができるので安全に加工できます。
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製品概要
製品名:過熱蒸煎機
発売日:2022年4月4日
※『過熱蒸煎機』カタログダウンロードはこちら
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「ぐるりこ™」について
「ぐるりこ™」は、『過熱蒸煎機』によって風味、栄養価の減少を抑えながら製造される高付加価値パウダーの総称で、素材別には「タマネギぐるりこ」、「キャベツぐるりこ」などとなります。サスティナブルで循環型のフードサイクルを目指していることと、『過熱蒸煎機』内で原料をぐるぐると回転させながら乾燥殺菌する製造工程の様子を表したキーワード「ぐるり」と、Collaborate、Cooperation、粉の「こ」を組み合わせた造語です。
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ASTRA FOOD PLANについて
ASTRA FOOD PLANは、過熱水蒸気技術を用いた食品乾燥装置『過熱蒸煎機』(※特許出願中)を開発・販売しているフードテックベンチャーです。
『過熱蒸煎機』は、高い生産効率とコストパフォーマンスを実現したことから、従来コストの問題で有効活用できなかった野菜の芯や皮、ヘタをはじめとする食品ざんさ等を付加価値の高い食材にアップサイクルすることができます。
食品ざんさ廃棄の課題を抱える事業者に『過熱蒸煎機』を販売すると同時に、本装置で作られる新たな食品原料「ぐるりこ™」の用途開発を食品メーカーと協力して行うことで、フードロス問題の解決を目指しています。
※「過熱蒸煎」は特許庁商標登録済み商標です。登録商標第6534112号
【会社概要】
会社名:ASTRA FOOD PLAN株式会社
本社所在地:埼玉県富士見市鶴瀬東1-10-26
代表取締役:加納千裕
設立:2020年8月