湘南鎌倉総合病院は、これまでの57床のベッドを有する大規模な透析室「血液浄化センター」に加え、2023年に透析室を新たに増設しました。その新透析室に日本トリムの電解水透析®多人数用透析用水作製装置が初導入となり、6月26日から運用開始いたしました。
なお、弊社の電解水透析®システムが徳洲会グループに導入されるのは山内病院(所在地:神奈川県藤沢市)に続き、2施設目になります。今回、徳洲会グループの基幹病院に導入されることにより、日本国内の透析施設への電解水透析®のさらなる普及が期待されます。
*従来の日本ウォーターシステム株式会社、ダイセン・メンブレン・システムズ株式会社に加え、三菱ケミカルアクア・ソリューションズ株式会社のRO装置をベースとした電解水透析®多人数用透析用水作製装置となります。
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医療法人 徳洲会 湘南鎌倉総合病院について
「断らない医療」を掲げ、内科系診療科、外科系診療科、専門診療科、周産期・小児医療、急性期総合診療、診療支援、診療センターなど広範囲に対応した年中無休・24時間オープンの総合病院です。JR「大船駅」「藤沢駅」から路線バスで約20分という立地で、湘南・鎌倉エリアにおける質の高い医療を提供しています。57床のベッドを有する大規模な「血液浄化センター」では、 “より良い血液浄化療法”をモットーに多くの維持血液透析患者さんを診ると同時に、積極的に多種の疾患に対して特殊血液浄化療法を行っています。さらに、維持血液透析患者さんの継続した治療を行い、合併症をなるべく起こさないよう検診などを積極的に行っています。
医院名 :湘南鎌倉総合病院
所在地 :神奈川県鎌倉市岡本1370-1
電話番号:0467-46-1717
透析ベッド数: 57床+新透析室(電解水透析5床)
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湘南鎌倉総合病院 院長 小林修三先生
医療法人 徳洲会 湘南鎌倉総合病院 院長。
1980年 浜松医科大学卒業後、同大学第1内科入局。
1986年 同大学院卒業、医学博士の学位修得。
1987年 文部教官第1内科助手。
1988年 テキサス大学サンアントニオ校病理学客員講師。
1992年 NTT伊豆逓信病院内科部長。
1998年 防衛医科大学校第2内科講師。
1999年 湘南鎌倉総合病院の副院長に就任。
2013年 腎臓病総合医療センター長。
2022年 同院院長となり現在に至る。
日本腎臓学会評議員・功労会員/日本透析医学会評議員・元評議員・専門医・指導医
小林修三先生からのコメント
透析患者さんのQOL(生活の質)の向上や就業支援が課題として取り上げられる中で、注目したのが電解水素水でした。透析治療で大量に使う水そのものに抗酸化性を持たせる日本トリムの発想は革新的だと思いました。
透析患者さんの重度疲労感を8週間でほぼ消失させたという臨床研究の結果(聖路加国際病院、愛仁会 井上病院、疲労科学研究所、理化学研究所、日本トリムによる共同研究[2021])や 1年間で降圧薬使用量、掻痒感、疲労感を有意に抑制したというPLOS ONE[2017]および死亡・心脳血管合併症の発症リスクを41%軽減したというScientific Reports[2018]などの関連論文にも注目し、湘南鎌倉総合病院への電解水透析システムの導入を決めました。
また透析患者さんは、透析後の極度のだるさ、疲労感などから日常生活でも大きな負担がかかっていることもあり、今回電解水透析システムを導入することで、透析患者さんが透析治療を受けながら働いたり、社会復帰の実現へ向けた透析患者さんのWell-beingに貢献していきたいと思います。
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電解水透析®とは
腎不全患者の治療に用いられる血液透析は、水を大量に使用する治療法で1回あたり約120リットルの水を使用します。日本トリムではこの「水」に着目し、抗酸化性を持つ「水素(H2)」が含まれた電解水素水を透析液の希釈水に応用することを、東北大学をはじめとした研究機関との産学共同研究で推進してまいりました。
日本は世界トップクラスの透析治療が行われていますが、それでも透析患者の平均余命は一般人の約半分と言われており、その死亡原因は心脳血管死(心不全、脳血管障害、心筋梗塞)が31.5%(*)と最多です。その原因として、治療中に発生する酸化ストレスや炎症が関与し、動脈硬化を促進していると考えられています。この酸化ストレスや炎症を抗酸化性がある水素(H2)の作用により抑制し、透析患者の方々のQOL(生活の質)向上に貢献することを目指しているのが「電解水透析®」です。電解水透析®は、次世代の新規治療法として注目されています。
当社ではこの電解水透析®システムを2011年より製造販売し、現在では32施設の透析施設、計961床で導入されています。(2023年6月27日現在)
(*)日本透析医学会2021末統計調査「わが国の慢性透析療法の現況」より
電解水透析と従来の透析の違いは、透析液の希釈水として「電解RO水」を使用している点にあります。この電解RO水は、水素を含む電解陰極水をRO処理して作られるもので、電解水透析®システムで生成される透析用水や透析液には、一定の水素が溶存する今までにない画期的な特性が付加されます。
▼電解水透析システムについて
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ご参考:代表的な電解水透析®に関する掲載論文
(1)Renal Replacement Therapy (2016) 2 23(総説論文)
「抗酸化療法としての水素分子:血液透析への臨床応用と展望」
URL:https://www.nihon-trim.co.jp/news/1554/
(2)Scientific Reports (2018) Jan 10;8(1):254 (5年間の前向き観察調査)
「電解水透析は血液透析患者の死亡・心脳血管合併症発症リスクを41%低減」
URL:https://www.nihon-trim.co.jp/research/1048/
(3) Renal Replacement Therapy (2021) 7:58
「電解水透析で重度の透析関連疲労感をほぼ消失」
URL:https://www.nihon-trim.co.jp/research/3829/
(4) Renal Replacement Therapy (2022) 8:32
「電解水透析により重度疲労感低減作用を確認、且つその作用を高める要因を発見」
URL:https://www.nihon-trim.co.jp/research/4257/
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日本トリムとは
株式会社日本トリムは、医療機器である電解水素水整水器製造販売を主軸とした事業を展開しています。当社は世界に先駆けて水が持つ機能に着目し、25年以上にわたる産官学共同研究により健康をサポートする®電解水素水の機能、有用性を追求しています。現在では、電解水素水の活用は飲用にとどまらず、血液透析における次世代新規治療法や農作物の栽培など様々な分野へと応用し展開しています。また、グループ会社では国内最大手の民間さい帯血バンク(ステムセル研究所、東証グロース市場:7096)事業を展開するなど、日本トリムグループはグローバルなメディカルカンパニーを目指しています。
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会社名/株式会社日本トリム(東証プライム市場:6788)
□設立年月日:1982年(昭和57年)6月12日
□代表取締役社長:田原 周夫(たはら のりお)
□資本金:992,597,306円
□従業員数:608名(関連会社等を含む)
□企業ホームページ:https://www.nihon-trim.co.jp/