ベトナムでの学校及び井戸建設に関するお知らせ

一般財団法人ミダス財団（所在地：東京都港区、代表理事：吉村英毅、以下「ミダス財団」）は、東南アジアの貧困地域での学校建設及び周辺環境の整備や日本で社会問題の解決に取り組む団体への支援を行っており、ベトナムでの学校建設プロジェクトの一環として、Tham Luong分校の建設及びミダス財団で建設したNa Khoang分校周辺での井戸建設を実施致しました。

■ Tham Luong分校の建設背景

Tham Luong分校はTham Luong Village, Du Gia Commune, Yen Minh District, Ha Giang Provinceに位置し、ベトナム国内でも貧しい地域の一つです。山岳地帯に位置しており、周辺地域からのアクセスも良くなく、国際機関などによる支援が限られています。総人口は約9,000人で、Tay族、Mong族、Xuong族、Dao族、Cao Lan族等の少数民族が住んでいます。住民の多くが農業に従事しており、現地の人民委員会及び教育局によると約75%が貧困世帯とされています。

Tham Luong分校には245人の小学生と56人の幼稚園生が在籍しており、Du Gia Communeの中では大規模な分校にあたります。貧困世帯が多いことから、学校を中退する生徒の割合が高く、山岳地帯に位置しているため、通学路に様々な難所も存在しています。教室は狭く、照明設備も十分ではなく、建物は劣化しており、安全ではなかったため整備する必要がありました。このような状況を踏まえ、ミダス財団は2022年6月に新校舎の建設を開始しました。

◆Tham Luong村の様子

◆建て替え前のTham Luong分校

■ Tham Luong分校をはじめとした現地視察

ベトナムでの学校建設プロジェクトの現地視察ということで、2022年12月にミダス財団の理事長である吉村英毅をはじめとした財団メンバーがTham Luong分校の建設現場を訪れ、生徒たちにバッグや本などをプレゼントしました。また、学校の職員や現地当局の方々と直接コミュニケーションを取り、現状や要望についてヒアリングを実施しました。

■ 新校舎の完成及び竣工式の実施

2023年3月に新校舎が完成し、同月19日に竣工式を行い生徒達が勉強できるようになりました。新校舎は雨風をしのげる頑丈な作りとなっております。十分な照明設備もあり、明るい環境で勉強に取り組むことができます。教室は8室（400㎡程度）、教員室は2室（50㎡程度）あり、遊び場兼読書エリアである屋根付き廊下も175㎡の広さがあります。お手洗いも2箇所設置し、個室が計9つあります。

Tham Luong分校で勉強した子ども達がより良い進路に進み、村全体の貧困が改善していくよう、今後も衣服、教材、教育プログラムなど様々な支援を継続的に行っていく方針です。

■ Na Khoang分校周辺での井戸建設

また、ミダス財団は、以前建設したベトナムのNa Khaong分校周辺での水資源問題解消のため、計6つの掘削井戸の建設を実施いたしました。

現地調査によってNa Khoang Villageは、雨季には水が濁り、乾季には干ばつも発生していること、また衛生面の問題から腸や皮膚の疾患も起きていることが発覚しました。水資源問題の解消による生活環境の改善が重要であると判断し、2022年7月中旬に6つの掘削井戸の建設を開始し、2022年10月下旬に完成しました。建設期間中には、専門業者が飲用水としても安全に使用できるかどうかの水質検査も行いました。

掘削井戸の設置により、村の住民やNa Khaong分校の生徒たちは清潔な水を確保し、教師たちは川などから水を汲んでくる必要がなくなりました。子供たちは清潔な水で入浴し、食事を摂ることができるため、腸疾患や皮膚疾患などのリスクも軽減しています。2023年には記録的な干ばつが発生しましたが、掘削井戸によって安定して安全で綺麗な水を利用することができる状況にあります。

ミダス財団では、建設した学校及び学校の周辺地域の環境改善に引き続き取り組んで参ります。