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開発背景
当社ではテクノロジー活用を重要な経営戦略として位置づけています。リユース事業のDXを目指し、買取から販売までのデータを一気通貫で取り扱う「バイセルリユースプラットフォームCosmos」の開発や、社内の隅々までデジタル活用を浸透させる取り組みを続けており、2023年2月には経済産業省が定める「DX認定事業者」としても認定されました。
また23年4月に入社した新卒エンジニアの研修一貫として、ビジネス上の課題を新入社員自らが見つけ出し、その課題を解決するプロダクト開発を進めるカリキュラムを実施いたしました。
その中で生成AIの活用は社内の様々な業務の生産性を大きく向上させ得る可能性を秘める一方、個人情報や社外秘の情報などのセキュリティ面への課題が指摘されており、誰もが安全に生成AIを活用できる環境の構築が求められていました。
そこで今回新卒エンジニアが中心となって、OpenAI APIを活用して生成AI「ChatGPT」の機能を安全に利用できる社内AIサービス「BuySell Buddy」を新たに開発し、全社員が既に利用しているコミュニケーションツール「Slack」と連携させることで、簡単かつ安全にChatGPTの機能を使用できる環境となりました。
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BuySell Buddyの概要
・「BuySell Buddy」 は、ChatGPTと多様なアプリケーションの連携を可能にする社内AIサービスです。
・連携先を拡張することで、様々なアプリケーション上でChatGPTの機能を利用できます。
・今回は第1弾として全社員が利用するSlackと連携させたことで、通常のSlackの利用方法と同様に誰でも手軽に利用できます。
・OpenAI APIを利用してサービスを構築しているため、入力した内容はAIの学習に利用されず機密情報の漏洩を防止します。
・Slack内で同じチャンネルに参加するユーザーは履歴を閲覧できるため、回答結果をチームで共有できます。
・効果的なプロンプト生成に慣れていない社員でも手軽に使えるよう、質問テンプレートを用意しサポートします。
・暴力的なワードや差別的なワードなどを自動で検知して弾くことでより安全性を高めています。
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今後の展開
社員の利用状況をモニタリングしより効果的に生成AIを業務に活用できるポイントの検証を継続します。また必要に応じてSlack以外のアプリケーションと連携させることで、デジタル活用の浸透、リユースDXを推進していきます。
今後、バイセルの独自情報を盛り込んだ上で、リユース業界に特化したLLM(*3)として展開していく予定です。
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総合リユースサービス「バイセル」とは
「バイセル」は買取・販売の循環を実現する、総合リユースサービスです。買取事業は、年間24万件以上の査定を行う出張買取を中心に、店舗買取や宅配買取など、多様なチャネルを運営しています。人とテクノロジーの力で日本全国誰もが簡単にリユースにアクセス可能な体制を構築し、業界でもトップクラスの規模を誇ります。販売事業では、買取した商品を自社一元管理し、自社ECやECモール、BtoBの古物オークションなど、toB/toC問わず日本国内から世界まで、最適なチャネルへ流通させています。
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会社概要
会社名:株式会社BuySell Technologies
設立日:2001年1月16日
代表者:代表取締役社長兼CEO 岩田 匡平
本社所在地:〒160-0004 東京都新宿区四谷4-28-8 PALTビル
事業内容:着物・ブランド品等リユース事業
コーポレートサイト:https://buysell-technologies.com/
*1…AIの研究および開発を行う米国企業
*2…OpenAI が開発した対話型生成AI
*3…大規模言語モデル(Large Language Models、LLM)は、人間の言葉を単語の出現確率でモデル化したもので、自然な会話で様々な処理を可能にします。