■調査の概要
今年4月の統一地方選は日本維新の会の躍進に注目が集まりました。3月下旬に実施した「国会の議論の在り方に関する意識調査」に続く今回のオンライン調査は、有権者が各政党にどのようなイメージを持っているのか、次期衆院選の意向も含め全国の18歳以上の男女1,000人に聞きました。調査日は5月27日、Yahoo!クラウドソーシングを利用しています。
■調査結果サマリ
特定の政党を支持する理由は「その政党が掲げる政策を支持しているから」が10%で最多、次いで「実績や歴史があるから」9%だった。支持政党別に最多項目を見ると、自由民主党は「実績・歴史」、立憲民主党や国民民主党は「政策」、日本維新の会は「新鮮さや勢いを感じるから」だった。最も身近に感じる政党は自民22%、維新13%、立憲4%、国民3%と続いた。今後期待できると最も感じる政党は維新21%、自民14%、国民5%、立憲4%の順。逆に期待できないほうは政治家女子48党(旧NHK党)24%、自民24%、立憲15%となった。「期待できる」から「期待できない」を引いた値が最も大きかったのは維新17%で、国民4%が続いた。
次期衆院選の比例代表で投票したい政党は自民18%、維新15%、立憲と国民が4%だった。次期衆院選後に望む政権は自民単独、自民・公明連立が各10%、自民・維新・国民連立(閣外協力含む)5%の順となった。次期衆院選で野党第1党になってほしいのは維新28%、自民11%、立憲9%、国民5%だった。
維新に次期衆院選で議席数を「大きく」「ある程度」伸ばしてほしい人は計47%で、「大きく減らしてほしい」「ある程度減らしてほしい」「現状程度で良い」は計31%だった。大きく伸ばしてほしいとした人は女性より男性に多く、年代別では40代以上の各層が相対的に多かった。岸田内閣の支持層でも「ある程度」を含め伸ばしてほしいと思う人は6割を超した。次期衆院選で維新が近畿以外の地域でも勢力を伸ばすと思う人は45%で、伸ばさない27%を上回った。
立憲の次期衆院選における獲得議席は、現在の97から「減ると思う」「大幅に減ると思う」が計38%。「150以上獲得できると思う」は3%にとどまり、これに「97は超えるが150には届かないと思う」を足しても計20%だった。野党が政権を取れない理由を複数回答で聞くと「与党の批判ばかりしているから」が51%でトップ、「現実的対案を出さないから」が47%だった。次期衆院選での野党間協力は、基本的政策が一致する党での候補者一本化をすべきと思う人が27%で最多。
次期衆院選にふさわしい時期は「2025年の衆院議員任期満了まで行う必要はない」が19%で最も多く、重視する政策を複数回答で聞くと物価高対策70%が1位で、次に景気・雇用・賃上げが58%、3位は社会保障政策43%だった。
-
政党支持率は自由民主党20.0%(前回4月20日20.9%)、立憲民主党4.2%(4.3%)、日本維新の会12.3%(10.9%)、公明党1.4%(1.4%)、国民民主党4.1%(3.3%)、日本共産党2.5%(1.3%)、れいわ新選組2.5%(2.8%)、社民党0.6%(0.2%)、政治家女子48党(旧NHK党)0.4%(0.5%)、参政党0.7%(0.9%)、その他の政党・政治団体0.0%(0.1%)、支持する政党はない49.5%(49.1%)で、維新は2022年の調査開始以来、最高値となった。
男女別に見ると、多くの政党で女性より男性の支持が多い傾向があったが、公明、共産、れいわは女性のほうが上回り、無党派層は女性が多数を占めた。年代別にみると、立憲は70代以上で1割を超し、他の年代は一けた。維新は10代から30代は一けたで、40代以上はいずれも1割台だった。地域別に見ると、近畿は維新が30.0%と突出しており、一方で自民は13.0%と最低だった。(Q6)
-
特定の政党を支持する理由(支持政党がない人を除く)は、「政策を支持している」10.7%が最多で、以下「実績や歴史がある」9.4%、「他に支持できる政党がない」8.0%と続いた。支持政党別に見ると、最多は自民の「実績や歴史がある」、立憲・国民・共産・れいわ・社民・政治家女子は「政策を支持している」、維新は「新鮮さや勢いを感じる」、公明は「信頼、期待できる」、参政は「新鮮さや勢いを感じる」と「政策を支持している」が同率だった。(Q7)
-
これまで支持政党を変えたかどうか聞いたところ、「変えたことはない」は25.0%。変えたことがある人で、変えた理由の最多は「自分の考えが変わったから」11.5%だった。(支持政党がない人を除く)(Q8)
-
今年4月の統一地方選で、自身が投票した候補者の所属政党、あるいは候補者が支援を受けていた政党は自民が23.9%で1位。以下、維新14.7%、どの政党の支援も受けていない候補者7.0%、立憲6.0%だった。投票に行っていない人が29.1%いた。(Q9)
-
最も身近に感じる政党は、そのような政党はないとした人を除くと、自民22.7%がトップ。以下、維新13.2%、立憲4.2%、国民3.3%と続いた。(Q10)
-
今後に期待できると最も感じる政党は維新21.6%がトップ。以下、自民14.7%、国民5.7%、立憲4.2%と続いた。(Q11)
-
今後に期待できないと最も感じる政党は政治家女子24.7%が1位。以下、自民24.5%、立憲15.2%と続いた。「期待できる」から「期待できない」を引いた値が最も大きかったのは維新17.4%で、国民4.7%が続いた。(Q12)
-
次期衆院選の小選挙区で投票したい政党の候補は、決めている人の中では、自民19.7%が最多で、2位は維新14.3%、3位は立憲4.9%、国民3.5%となった。(Q13)
-
次期衆院選の比例代表で投票したい政党は、決めている人の中では、自民18.2%、維新15.7%、立憲4.5%、国民4.4%の順となった。年代別に見ると、自民は70代以上が1割未満で、他のはいずれも1割台後半から3割台前半だった。立憲は60代以上の各層が比較的高かった。維新は30代以下がいずれも1割未満で、40代以上の各層で1割台後半から2割台前半となった。「投票に行くつもりはない」は年代別では10代は3割、20代は2割を超し、30代から40代で1割台、それ以外は一けただった。岸田内閣を支持する層では、未定を除き、自民が5割台後半と最多で、維新が1割台後半で2位だった。(Q14)
-
次期衆院選の結果、どの政党(国会議員10人以上所属)による政権ができてほしいかを聞くと、自民単独政権10.1%、現在と同じ自民・公明連立政権10.0%、自民・維新・国民連立政権(閣外協力含む)5.9%の順となった。(Q15)
-
次期衆院選の結果、野党第1党になってほしい政党は維新28.3%、自民11.9%、立憲9.8%、国民5.3%の順となった。(Q16)
-
次期衆院選で維新に議席数を「大きく伸ばしてほしい」「ある程度伸ばしてほしい」計47.1%となり、「大きく減らしてほしい」「ある程度減らしてほしい」「現状程度で良い」計31.4%を上回った。大きく議席を伸ばしてほしいと答えた人を男女別に見ると、男性は2割台後半だったのに対し、女性は1割台後半だった。年代別では40代以上の各層で2割を超え相対的に高かった。地域別では近畿と沖縄でともに3割台前半となり、他は2割台以下だった。岸田内閣を支持する層で、維新の議席を「大きく伸ばしてほしい」「ある程度伸ばしてほしい」は計6割台半ばに達した。(Q17)
-
次期衆院選で維新が近畿以外の地域でも勢力を「伸ばすと思う」とした人は45.6%で、「伸ばさないと思う」27.9%を上回った。(Q18)
-
次期衆院選をめぐり、立憲の泉代表は150議席以上(現在97議席)を獲得できなければ代表を辞任する考えを示しているが、獲得議席数について「97から減ると思う」「97から大幅に減ると思う」が計38.8%となり、「150以上獲得できると思う」は3.8%にとどまった。「97は超えるが150には届かないと思う」を足しても計20.7%だった。立憲支持層では、150以上獲得できると思う人は1割台半ばで、現在の97は超すが150に届かないとする人が4割台半ばで最多となり、97議席前後の維持とした人も2割台半ばとなった。(Q19)
-
現在の野党が政権を取れない理由を複数回答で聞くと「与党の批判ばかりしているから」51.1%、「現実的対案を出さないから」47.3%、「実現したい政策が見えないから」32.7%の順となった。「与党の批判ばかりしているから」と答えた人を支持政党別に見ると、立憲で3割台前半、維新で5割台後半、無党派層で4割台半ばだった。(Q20)
-
次期衆院選における候補者の一本化などの野党間協力に関し「基本的政策が一致する野党はできるだけ候補者を一本化すべきだ」27.5%が最多だった。支持政党別に見ると、立憲と維新では「基本的な政策が一致する野党はできるだけ候補者を一本化するべきだと思う」が最多だったのに対し、共産とれいわでは「すべての野党ができるだけ候補者を一本化するべきだと思う」が1位だった。国民は「野党各党はできる範囲で選挙協力を行えばいいと思う」がトップだった。(Q21)
-
連合と政党の関係について「特定の政党の支援をやめ、連合傘下の各労組が支援する政党を自由に決めたら良いと思う」35.7%が最多だった。(Q22)
-
次期衆院選にふさわしい時期は「2025年の衆院議員任期満了まで行う必要はない」19.1%がトップ、2位は今秋から年末までの間13.8%だった。支持政党別に見ると、自民や維新、公明、国民、共産、無党派層などは「任期満了まで行う必要がない」が最多だったのに対し、立憲は「今秋から年末までの間」がトップだった。(Q23)
-
次期衆院選で重視する政策を複数回答で聞くと「物価高対策」70.1%、「景気や雇用、賃上げ政策」58.5%、「年金や医療、介護など社会保障政策」43.7%の順となった。(Q24)
-
5月に広島市で行われた先進7か国首脳会議(G7広島サミット)が「とても成功したと思う」「成功したと思う」は計48.5%で、「成功したと思わない」「あまり成功したと思わない」の計32.0%を上回った。(Q25)
-
広島サミットにウクライナのゼレンスキー大統領を招待したことを「良かったと思う」が50.7%を占めた。(Q26)
-
次期衆院選の投票で今回の広島サミットを「判断材料にしない」が60.9%を占めた。(Q27)
-
岸田内閣を「支持する」20.3%(前回4月20日19.5%)、「支持しない」59.1%(57.1%)だった。支持政党別に見ると、自民では支持が6割、不支持2割台前半だったのに対し、公明では支持と不支持がいずれも4割台前半で同率だった。無党派層では支持は1割未満で、不支持は6割台前半に上った。(Q28)
調査レポートの詳細 https://ksi-corp.jp/topics/survey/web-research-52.html
関連記事
国会の議論「不祥事追及は予算委ではなく別の場で」56%
https://ksi-corp.jp/topics/survey/web-research-50.html
【調査概要】
・調査期間: 2023年5月27日
・調査機関(調査主体): 紀尾井町戦略研究所株式会社
・調査対象: 全国の18歳以上の男女
・有効回答数(サンプル数): 1,000人
・調査方法(集計方法、算出方法): インターネット上でのアンケート
※「Yahoo!クラウドソーシング」(https://crowdsourcing.yahoo.co.jp/)を活用
【紀尾井町戦略研究所株式会社(KSI:https://www.ksi-corp.jp/)について】
KSIは2017年にZホールディングス株式会社の子会社として設立され、2020年4月に独立した民間シンクタンク・コンサルティング企業です。代表取締役の別所直哉は、1999年よりヤフー株式会社(現Zホールディングス株式会社)の法務責任者として、Yahoo! JAPANが新規サービスを立ち上げるにあたり大変重要な役割を担ってきました。その中で培った幅広いネットワークや政策提言活動を通じて得られた知見をもとに、新産業に挑戦する企業に対して政策活動やリスクマネジメントのサポートなど、パブリックアフェアーズ領域で総合的なコンサルティング行っているほか、社会に貢献していくという方針を軸に多様なサービスを提供しています。
KSIのSNS公式アカウント
https://twitter.com/ksijapan
https://www.facebook.com/KioichoStrategyInstitute