廃校活用で注目を集める京都府福知山市にある旧・細見小学校中出分校が、「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」のテーマ事業「シグネチャーパビリオン」(※注1)として活用されることが決定しました。
同パビリオン「いのちのあかし」のプロデュースを手掛けるのは、映画監督の河瀨直美さんです。
福知山市は、少子化により統廃合を行った小学校(廃校)を、民間事業者の力で活用し、地域に再びにぎわいを取り戻す取組を積極的に行い、16校発生した廃校のうち半数以上が新たな施設として再スタートを切っています。今回は、全世界に向けたプロジェクトで、福知山市の廃校が活用されることになります。
※注1…テーマ事業は大阪・関西万博を象徴・代表する事業であり、8名の専門家がつくるパビリオンは、テーマをそれぞれの哲学から語り深める「署名作品」でもあることから、「シグネチャーパビリオン」と名付けられました。8名のテーマ事業プロデューサーが大阪・関西万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」を、それぞれ固有の観点から解釈、展開し、未来に生きる人々に繋ぎ渡すパビリオンです。
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20年前に廃校になった小学校 → 2025年大阪・関西万博のパビリオンへ
旧・細見小学校中出(なかで)分校は、福知山市三和町中出地域にあり、周辺の中出、西松(さいまつ)、田ノ谷(たのたに)に住む小学1年~2年生の児童が通っていた木造平家建て、延床面積362.08㎡の小さな分校です。昭和5(1930)年に建設され、子どもたちの元気な声が聞こえる分校でしたが、平成14(2002)年度に閉校となりました。
誰もが懐かしさを感じるような木造校舎の趣と、廃校活用に積極的な福知山市の姿勢が評価され、2025年大阪・関西万博のテーマ事業「いのちの輝きプロジェクト」として設置される8つのシグネチャーパビリオンのうちのひとつ「いのちのあかし」(プロデューサー:河瀨直美さん)にて活用されることになりました。
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2025年大阪・関西万博 テーマ館 「いのちのあかし」
旧・細見小学校中出分校の校舎を大阪・関西万博の会場(大阪市此花区夢洲)に移設し、他の建物と合築する形で「対話シアター」が建設されます。
詳細:
福知山市HP https://www.city.fukuchiyama.lg.jp/soshiki/10/56544.html
2025年大阪・関西万博HP https://www.expo2025.or.jp/news/news-20230530-02/
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プロフィール 河瀨直美さん(映画監督)
2025年大阪・関西万博テーマ事業プロデューサー(シニアアドバイザー兼務)
カンヌ国際映画祭グランプリをはじめ、世界各国の映画祭で多数受賞しており、国内外で高い評価を受けている。代表作は、『萌の朱雀』『殯の森』『2つ目の窓』『あん』『光』『朝が来る』など。故郷・奈良にて「なら国際映画祭」を立ち上げ、エグゼクティブディレクターとして後進の育成にも力を入れる。また、東京2020オリンピック公式映画総監督、バスケットボール女子日本リーグ会長、国連教育科学文化機関UNESCO親善大使を務めている。
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今後のスケジュール(予定)
中出分校のパビリオン活用に関するスケジュールは、以下のとおり予定しています。
2023年6月~ 移設に関する現地調査
2023年10月~ 建物の解体・移設
2024年1月~ 夢洲での施工(予定)
2025年4月~ 大阪・関西万博 開催
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(参考)福知山市の廃校活用事例
■旧 中六人部小学校:THE610BASE(イチゴ体験施設)
→地元の総合電機設備会社・井上株式会社による、地域貢献型新規事業
■旧 精華小学校:ぐるーぷほーむ森の家(グループホーム)
https://www.nakaji-morinoie.com/
→廃校のグラウンドを活用したグループホーム
■旧 佐賀小学校:里山ファクトリー(お菓子の製造・販売・商品発送拠点)
→首都圏にも店舗を持つ、地元の洋菓子店・足立音衛門の新拠点
■旧 川合小学校:旧川合小学校(名称考案中)
→「福知山 里キャンプ場」をはじめとする地域交流のためのサブリース施設
■旧 天津小学校:S-LAB(エスラボ)
→人口芝のサッカーコートを中心とするスポーツ施設
■旧 公誠小学校、北陵中学校:SOMABITO NORTH HILLS キャンプ場
→奥京都発アウトドアブランド「SomAbito(ソマビト)」が運営するキャンプ
■旧 菟原小学校:㈱京繊 福知山商品管理物流センター
→創業明治33年、卒業式の袴レンタルトップ企業の商品管理物流センター