AMPHICOが100%再生可能・有害物質を一切含まない透湿防水性テキスタイル「AMPHITEX」を2024年に商用化

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AMPHICO (アンフィコ、登記名:Amphibio Ltd、本社:英国ロンドン、CEO:亀井潤)は、当社が開発した100%リサイクル可能で有害なPFAS化合物を一切含まない透湿防水性テキスタイル「AMPHITEX(アンフィテックス)」を、2024年にアウトドア・スポーツウェア衣料ブランドで商用化することを目指します。有害物質PFAS化合物の規制が国際的に進み、アウトドアウェア市場におけるリサイクル可能な機能性テキスタイルへの代替需要が高まる中、当社は世界屈指の高い生産技術を有する北陸で「AMPHITEX」の大量生産を準備しています。なお、当社は豊島株式会社、Dawn Capital、PDS Ventures、Mistletoe Japanから1.5億円、累計4億円の資金調達を完了しており、今「AMPHITEX」の商品化をより一層加速させてまいります。

  • AMPHITEXとは

AMPHICOは、材料科学研究者でありバイオミミクリーデザイナー[1]である亀井潤が創業したロンドン拠点のスタートアップです。AMPHICOはロイヤル・カレッジ・オブ・アート(英国王立芸術大学院大学、RCA)からスピンアウトし、バイオミミクリーとデザイン、サイエンス、エンジニアリングの融合を礎に、材料科学というミクロな視点から環境問題というマクロな問題の解決に向けた先端素材研究開発のため創業しました。

AMPHICOが開発するAMPHITEXは、防水性と透湿性、さらには伸縮性を共存させる100%リサイクル可能な素材です。これまでアウトドアウェアを中心に使用されてきた透湿防水生地は、撥水および防水性能を付与するためにPFAS[2]と呼ばれる有害な化学物質が使用され、深刻な環境汚染を引き起こす課題が指摘されています。

2019年より世界的なパンデミックが起こり、人々の日常生活の様々な面で制限が生まれた中、キャンプをはじめとするアウトドアスポーツへの関心が高まり、アウトドアアパレル市場は堅調に成長を続けています。更に、自然との向き合い方の一つである、持続可能な商品の需要も高まり、消費者が求める透湿防水性、撥水性に加え、作り手の素材や製造プロセスの透明性も注目されています。この流れは米国、欧州ですでに顕著で、PFAS化合物の規制が本格的に進んでおり、今後はアウトドアアパレル市場におけるリサイクル可能な機能性テキスタイルの需要が急速に拡大することが見込まれます[3]。
参考動画 : https://youtu.be/bCgZ4OmQaqM    

アウトドア・スポーツウェア用品として自然と共生する循環型商品を提案アウトドア・スポーツウェア用品として自然と共生する循環型商品を提案

AMPHITEXの表生地に使われる撚糸 北陸で撚糸から織物の工程と三層の生地の貼り合わせを行うAMPHITEXの表生地に使われる撚糸 北陸で撚糸から織物の工程と三層の生地の貼り合わせを行う

非フッ素加工、自社開発した撥水性の高い糸で織布した表生地AMPHITEXは、三層の各機能を持つ生地からなるテキスタイルの総称非フッ素加工、自社開発した撥水性の高い糸で織布した表生地AMPHITEXは、三層の各機能を持つ生地からなるテキスタイルの総称

[1] バイオミミクリーの「Bio」は生物、「Mimicry」は「模倣」の意味で、生物や植物など自然界からヒントを得て技術開発や商品開発をすることを指す。AMPHITEXの開発では水を弾く蓮の葉の構造がインスピレーションになっている。

[2] 人工的に開発された有機フッ素化合物。水や油をはじく、熱に強いなどの特徴があり幅広い製品に使用されている。自然界ではほぼ分解されず、環境や人体への影響が懸念されている。

[3] 2025年にはPFASを使用したアパレル用品はカリフォルニア州で販売することができなくなる。EU、英国はPFASに関するREACH規制の拡大を急速に進めている。EUでのEPR規制(Extended Producer Responsibility: 製造業者が、消費後の製品の廃棄物の処理とリサイクルに責任を負うことを要求する法律または規制のこと)が数年後に導入されることが予想され、それに伴ってリサイクル可能な機能性テキスタイルのニーズもさらに急速に拡大することが予想される。

  • 資金調達

 AMPHICOは2022年11月に、日本最大級の繊維商社豊島株式会社のCVCから出資を受けています[4]。これに加えDawn Capital[5]、PDS Ventures[6]、Mistletoe Japan[7]から資金調達を受け、豊島を含め1.5億円を資金調達しました。過去には英国の研究機関であるThe Defence Science and Technology Laboratory(DSTL)、InnovateUK、EUREKAから受けた研究開発助成金が2.1億円、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートやVenrexからも4000万円の出資を受けています。これまでの資金調達の累計は、助成金2.1億円とエクイティ1.9億円で4億円となります。

[4] 豊島株式会社(本社:名古屋市中区、代表取締役社長:豊島半七) 2022年12月19日 に豊島株式会社より発表済。https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000215.000027658.html

[5] Dawn Capital(本社:東京都品川区、代表取締役社長:石倉 壱彦)(株)アカツキのCVC。世の中に新しい価値観を創出するライフスタイルを中心に幅広い投資実績がある。

[6] PDS Ventures(本社:ムンバイ、Director:Pallak Seth)グローバルにファッションテックに投資、インドに拠点を置く繊維・アパレル製造技術会社PDSインターナショナルのコーポレートベンチャーキャピタル部門。

[7] Mistletoe Japan(本社:石川県金沢市、Founder:孫 泰蔵)テクノロジーで人間中心の持続可能な未来を創造するスタートアップやイノベーターによって構成される「コレクティブ・インパクト・コミュニティ」。

  • AMPHICOのチーム

CEO 亀井 潤:起業家、材料科学研究者、バイオミミクリーデザイナー

2011年の東日本大震災をきっかけに自然と科学、そしてテクノロジーの共存を考えるようになる。東北大学 大学院 応用化学専攻でポリマーサイエンスを研究。卒業後、2015年に英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)に留学。2017年にRCAと東京大学生産技術研究所が共同で設立したDLX Design labでデザインと先端科学を横断する複数のプロジェクトの立ち上げに従事。その後、RCAに戻り人工エラ技術を開発。2018年AMPHICOを創業。人工エラで使用した技術がアウトドアアパレルに使用できることを発見。100%リサイクル可能、有害物質を一切含まない透湿防水性テキスタイルAMPHITEXを開発する。

写真左:亀井潤写真左:亀井潤

CTO:Dr Deana Tsang(Imperial College London)
R&D, Commercialisation Lead:Hatim Cader
Lead Textile & Colour designer:Isabella Mackenzie (RCA)
Design Engineer:Fergus Telfer
Innovation Material Design Specialist: Claire Miller(RCA)

 メンターに元AppleCDO Sir Jonathan Ive、VC VENREXのSasha Trower、欧州委員会からIrene Maffiniなどのメンバーが名を連ねます。また、2022年4月に英国王チャールズ3世と元アップルのデザイン最高責任者Sir Jonathan Iveが設立したTerra Carta Design Lab賞を受賞しています。

  • 今後の展開

AMPHITEXの研究開発はロンドンを拠点に進行中で、試作、販売に向けた大量生産の準備はヨーロッパと日本の両方で展開中です。しかし中でも、北陸地方の世界屈指の高い生産技術を有する企業との試作はグローバルでとても評価が高く、今後相互協力しながら、更なる大量生産に向けた開発を加速させていきます。2023年末には商業化に向けた体制を整え、生産量を増加させることを目指しています。2024年には複数のグローバルブランドとのコラボレーションに向けて、本格的に増産を加速させます。さらに2025年以降は、米国カリフォルニア州やEUで導入されると考えられるPFAS化合物規制をにらみ、アウトドアアパレル市場にAMPHITEXを使用した製品の本格展開を目指します。

※AMPHITEX™はAMPHICOの登録商標です

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