『RevOps(レベニューオペレーション)』とは?
「Rev」はレベニュー(収益)、「Ops」はオペレーションのことで、RevOps(レブオプス=レベニューオペレーション、以下「RevOps」)とは、「企業が稼ぐ力」を最大化するための仕組みをつくり、それを運用することを意味します。コロナの影響で企業の収益が下がったことにより、米国を中心に急速に広まっている概念です。
RevOpsという言葉と考え方は、もともとアメリカのSaaSやサブスクリプションサービス業界が発祥であると言われています。それらの業界は「The Model」と呼ばれる事業スタイルによって拡大してきました。「The Model」とは、顧客との関係づくりを、「マーケティング」「セールス」「カスタマーサクセス」といったプロセスに分け、それぞれのパフォーマンスを上げることで、ビジネス全体を成長させていくという考え方です。
RevOpsは、その「The Model」の発展形と考えられます。分かれていたプロセスを「収益の最大化」という視点であらためてつなぎ直そうというのがRevOpsの考え方です。マーケティング、セールス、カスタマーサクセスのそれぞれの活動を、データや組織、オペレーションをつなぐことによって再統合し、稼ぐ力を最大化していくことをRevOpsは目指します。
これまでもバーチャレクスはクライアントのカスタマーサクセス支援を行ってきましたが、「カスタマーサクセス」という言葉やそれに取り組む意味がわかりにくいという声もしばしば耳にすることがありました。「ビジネスである以上、お客さまの成功に寄与するのは当たり前」とおっしゃる経営層の方も多い中、私どもは都度カスタマーサクセスの意義や方法論について説明してきましたが、カスタマーサクセスをRevOpsの文脈の中に置けば「収益を上げて成長していくための必須の活動」という非常にわかりやすい説明が可能になり、RevOpsが確実に「レベニュー」につながる取り組みであると考えています。
RevOps実態調査とは?
本調査は、全国の20歳以上の「経営者・役員」、「会社勤務(正社員・管理職)」、「会社勤務(正社員・一般社員)」および、「勤務先の従業員規模500人以上」に該当する9,798人を対象に、RevOpsの認知度や部門横断の取り組み状況や部門横断の取り組みに関連する内容を聴取し分析した実態調査となります。今回の第一弾では、国内におけるRevOpsの認知度やマーケティングからカスタマーサクセスに至る部門横断の取り組み状況に関する結果を紹介します。
1.『RevOps』認知度について
全体の認知度は1割程度に留まっており、国内における認知度はまだまだ低い状況です。
一方で、全体の認知度1割程度に対して、「役職」別認知度では、本部長・事業部長、会長・社長・経営者・CEO、取締役・役員が上位を占めています。加えて、「所属部署」別認知度では、人事、経営企画、情報システムが上位を占めており、部門横断で日々業務に従事している方々の認知度は国内においても一定程度浸透している状況だと見受けられます。
2.「マーケティング、営業、カスタマーサクセス」における部門横断の取り組み状況について
今回の調査では、対象者を属性①~③に分け、セグメント別の違いを深掘りしました。属性①~③の定義は以下の通りです。
「マーケティング、営業、カスタマーサクセス」における部門横断の取り組みを、
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属性①:既に社内に取り組んでいる部署、または担当者がいる
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属性②:今は取り組んでいる部署、または担当者はいないが、計画している、もしくは必要性を感じている
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属性③:取り組んでいる部署、または担当者はおらず、今後も取り組む予定はない、かつ必要性も感じていない
部門横断の取り組みを行っている(=属性①)国内企業は全体として17.5%の割合(2割弱)でした。また、売上規模別(100億円以上)においては、部門横断の取り組みを行っている企業割合が、規模が大きくなる程高くなる傾向であり、従業員規模=10,000人以上、売上規模=1,000億円以上は2割を超えていました。
企業の資本構成別においては、国内資本のみよりも外国資本ありの方が部門横断的な取り組みを行っている企業割合が高い(28%)傾向でした。
以上のことから、「マーケティング、営業、カスタマーサクセス」における部門横断的な取り組みを行っている企業特性として考えられることは、グローバルで展開している企業割合が多いと推測されるため、その結果RevOpsがある程度浸透しているグローバル側(特にアメリカ側)の意向に影響されていることも一つの要因になっていると思われます。
なお、部門横断の取り組みを行っている企業のうち、担当部署として最も割合が高いのは「経営企画関連部署」であり、次いで「マーケティング関連部署」でいずれも3割以上、「本目的を担う専門の部署が担っている」割合は1割強程でした。
先行しての取り組みが進んでいるアメリカのように、CRO(Chief Revenue Officer :最高レベニュー責任者)設置を含むRevOps専門部署が取り組みを行っている割合よりも、国内においては経営企画やマーケティング部などが兼務で行っている割合が高いのが現状であると見受けられます。
今回は第一弾:「認知&取り組み状況 編」の内容になりますが、追って第二弾:「成果 編」、第三弾:「運用 編」の結果を公開していく予定です。バーチャレクスは今後も、顧客起点におけるマーケティングからセールス、カスタマーサクセスにおける部門横断の取り組みについてのナレッジを蓄積、提供してまいります。
なお、本調査の第二弾、第三弾結果についての情報をご希望の方は「お問い合わせ」フォームの「お問い合わせ内容詳細」に「RevOps調査メルマガ配信希望」とご記入の上送信ください。サイト公開時に担当者よりメルマガにてご案内します。
【調査実施概要】
「2023年 国内におけるRevOps実態調査」
・調査方法 :インターネットアンケート
・調査実施期間:2023年3月24日~2023年3月26日
・対象地域 :全国
・対象者 :調査会社のモニター事前登録情報において、20歳以上、職業=「経営者・役員」「会社勤務(正社員・管理職)」「会社勤務(正社員・一般社員)」、従業員規模=「500人以上」が対象、対象数=9,798サンプル
【関連情報】
・博報堂との協業でシステム基盤の診断サービス「HAKUHODO Marsys Assessment for RevOps」の提供を開始
・連載【企業の「稼ぐ力」を最大化するRevOps】Vol.1 「RevOps」と何か?
https://seikatsusha-ddm.com/article/13342/
■ バーチャレクス・コンサルティング株式会社について (http://www.virtualex.co.jp)
バーチャレクス・コンサルティングは創業来「企業と顧客の接点領域」にフォーカスしたビジネスを展開しており、「顧客の成功こそが自社成長の鍵である」というカスタマーサクセスの考え方にもとづき、”Succession with You” ― 一度きりの成功の「Success」ではなく、連続する成功という意味の「Succession」を、「for You」ではなく、伴走するという意味で「with You」していくことを企業として掲げています。現在では顧客企業のCRM領域のDX・デジタルシフトを、コンサルティング、テクノロジー、オペレーションのコアスキルを融合させ、ワンストップ伴走型でサービスを展開しています。
■ バーチャレクスグループについて (http://www.vx-holdings.com)
バーチャレクスグループは、東京、佐賀、アメリカ、バンコクと3ヶ国6企業、約1,000名の従業員が一体となり、金融・保険、IT・情報通信、通販・インターネットサービス、教育、官公庁・自治体など、幅広い業界のクライアント様に対して、それぞれの専門知識を活かしたサービスを提供しております。2016年6月には東京証券取引所マザーズ市場(現:グロース市場)に上場しています。
【本件に関するお問い合わせ】
専用フォームよりお問い合わせください
https://www.virtualex.co.jp/contact_form/service-form.html?utm_source=prtimes&utm_medium=referral&utm_campaign=revops1