「84歳のセラピスト」のタッチをトヨタ紡織㈱が最先端技術で再現

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結婚から40年間、子育てと義母の在宅介護に明け暮れていた専業主婦・秋吉美千代が、1999年、60歳で訪れたイギリスでライフワークとなるタッチセラピー「セラピューティック・ケア」に出会います。
以来、秋吉は20年以上におよぶボランティア活動で、高齢者や病人、被災者、子育て中の母親など数千人の人々の心身を手のぬくもりで癒してきました。  
そして2023年、熟練の域に達した“84歳のセラピスト”の手技が、最先端技術によって再現され、世界のトップ企業も参加する日米の国際見本市で公開されました。

■概要

認定NPO法人 日本セラピューティック・ケア協会(本部:福岡県太宰府市)はタッチングにより心身のストレスを軽減するケア法「セラピューティック・ケア」を通じて、さまざまな社会貢献活動を行っている公益団体です。

2019年、トヨタ自動車株の関連会社であり、車のシート等の内装システムサプライヤーであるトヨタ紡織㈱が「精神疲労低減システム」の開発に取り組まれる過程で協会に技術協力を依頼。

協会名誉理事長である秋吉美千代のセラピューティック・ケアの手技が、慶応義塾大学発のスタートアップ、モーションリブ㈱の最先端技術「リアルハプティクス®」(力触覚伝送技術)により車のシートの機能として再現されました。

■アメリカでの公開

完成第1号は2023年1月5日~8日にアメリカ・ラスベガスで開催されたCES(Consumer Electronics Show)のトヨタ紡織㈱のブースにて「リモートタッチセラピー・システム」(RemoteTouchTherapy System)として初めて発表されました。

■CESとは

家電製品の国際的な見本市として1969年にアメリカでスタート。現在では、CDプレーヤーやハードディスクレコーダーなどが世界で最初に発表されるなど、あらゆる電子機器の世界最大の見本市(世界の市場向けに新技術が発表される場所)となっています。

■日本での発表

5月24日~26日にパシフィコ横浜で開催された「人とクルマのテクノロジー展2023」で初めて公開されました。

■セラピューティック・ケアとは

セラピューティック・ケアは「治療力のあるケア」の意味で、英国赤十字社が1997年に考案した、肩や背中、首や手などを、一定の圧をかけながら洋服の上からなでることで、心身のストレスを軽減するタッチセラピー。薬剤や道具を使用せず、洋服を着たまま、両手の温もりだけで行えるシンプルかつパワフルなケア方法です。

■技術

秋吉が技術協力した手技はセラピューティック・ケアのうち、ストレスの影響を受けやすい肩から首をケアするリラクゼーション効果の高い「ネック&ショルダーケア」。車のシートという構造上および時間的な制約上、手順にはアレンジを加えていますが、大事なポイントである「手のぬくもり」や圧、ゆっくりした動きを重視し、機能に再現しました。

■トヨタ紡織への技術協力から発表までの経緯

2019年3月 トヨタ紡織㈱より2名の技術者が福岡の協会本部事務所に来訪。実際にケアを体験しながら、ストレス値を測定する機材を用いて効果を検証。

2019年8月 トヨタ紡織にて、トヨタ紡織㈱の20~50代の社員男女を対象に、生理指標と心理指標を用いてケアの効果の科学的検証実施(2日間)

2019年11月 モーションリブのラボにて、ロボットにケアの動きや圧を記憶させる作業を行う。

2021年4月   試作機が完成。トヨタ紡織㈱にて検証と修正を行った。

2021年11月 第1号機が完成。

2022年1月  当初発表予定だったが、コロナのためオンラインに変更されたこともあり出展中止。

2023年1月  CES2023にて発表。シリコンバレーのスタートアップ各社に対しデモを実施。

2023年5月  「人とくるまのテクノロジー展2023」にて発表

■今後の展開

さらなる検証と改良を重ね、将来的にはリラクゼーション効果の向上や新たなリモートコミュニケーションと

してサービスを提供していくことを検討しています。

■問合せ先

認定NPO法人 日本セラピューティック・ケア協会 

本部事務局 福岡県太宰府市五条2-6-1-202

TEL:092-928-1546(平日10:00~16:00)

e-mail:info☆therapy-care.net (☆を@に変えて送信)

手のぬくもりは 心のぬくもり セラピューティック・ケア
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