【調査レポート】”賃上げの春”も、貧困世帯は「置き去り」の現実

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認定NPO法人フードバンク山梨(所在地:山梨県南アルプス市 代表:米山けい子)は今年3月24日・25日の二日間、物価高騰の影響を受けた生活困窮世帯を対象に無料で食品を配布する緊急食料支援を行いました。食品を受け取った世帯に実施したアンケートの結果を報告します。

調査期間:2023年3月24日(金)・25日(土)
調査対象:フードバンク山梨が食品を提供した世帯(就学援助・児童扶養手当・給付型奨学金などの受給世帯)

調査方法:調査票への記入
対象者:居住地 山梨県
回収サンプル数:116

調査結果の概要】

■「非正規雇用」は60%を占め「正規雇用」は17%。「失業」は“10人にひとり”

「パート・契約・派遣」を選んだ「非正規雇用」が半数以上を占めました。また、「正規雇用」であっても、困窮に陥る場合があることが分かりました。「失業」の回答も1割を超えました。
「その他」は「体調不良で休業中」「学生」「正社員だが仕事がない」という回答がありました。(n=107)

■賃金は「変わらない」が76%。1か月の世帯収入15万円未満が全体の6割

「変わらない」が76%。「上がった」を選んだ方も、上昇した金額は平均48.7円でした。(n=114)

■一日一人当たりの食費平均333円。前回調査(22年9月)の384円を13%下回った

33%が、ひと月の食費を「月3万円未満」であると回答。一日あたりでは千円に満たない金額となりました。
平均世帯構成人数(回答者の世帯構成人数の合計を回答者数で割った数)は「3人」となり、一人あたりの食費は1日333円以下となりました。(n=87)

■電気料金の請求額は「値上げ前」の1.9倍となり、負担額はほぼ倍増

現在とこれまで(値上がりする前)の料金を比較すると、値上がり前は「5千円~1万円未満」の回答が最も多かったが、現在は「1万円~1万5千円未満」が最も多くなりました。全体的に電気料金の支払い金額が増加していることがわかりました。(n=87)

今回の調査を通して】
社会全体が物価高騰の波に飲み込まれる中で、春には大企業を中心に、賃上げの報道が多くありました。
その一方、私たちが支援する方々の暮らしは改善の兆しすらなく、「格差」は拡大していると言わざるを得ないと感じます。
フードバンク山梨ではこの結果を受け、山梨県内のフードバンク団体と協力し、来月6月に緊急食料支援の実施を決定しました。
支援を必要としながらも、これまで声を挙げることができなかった多くの方へ届くよう、取り組みを拡大させます。今後もみなさまのご協力を、よろしくお願いいたします。

■6月の緊急食料支援について

事前に申し込みが必要、5/29(月)から受け付けます。対象となる方にお申し込みいただけます。

詳しくはHPをご覧ください。

フードバンク山梨

認定NPO法人フードバンク山梨について】
法人名:認定特定非営利活動法人  フードバンク山梨
所在地:〒400-0203  山梨県南アルプス市徳永 1603-1
TEL:055-298-4844
FAX:055-298-4885
メール:info@fbyama.com
 
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