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調査サマリー
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まとめ
今回は、2022年10月の調査に続き、物流・運送業の経営者100名を対象に、物流・運送業の経営に関する意識調査(2023年版)を実施しました。
物流・運送業界の先行きに対して、前回の調査(75.2%)に続き7割の経営者が「厳しくなる」と回答しており、引き続き難しい経営のかじ取りを強いられ、厳しい先行きを予想していることが分かりました。また、ウクライナ危機など地政学的な問題などに起因する燃料高騰、「2024年問題」や「ドライバー不足・高齢化」などによる人材確保難や人件費高騰、小口配送の増加など、近年の物流業界の厳しい経営環境を背景に、8割を超える経営者が「経営が厳しくなっている」と回答しました。
そのような状況下で、荷主企業とのコミュニケーションにも変化があります。半数以上となる52%の経営者が荷主企業に対して、すでに「運賃の値上げ交渉を実施済み」で、料金交渉の結果、47.3%が「値上げしてもらった」と回答しています。
一方、値上げ交渉が決裂した場合、4割以上が「撤退する」を選択しており、厳しい状況が伺えます。値上げ交渉以外で、「時間外労働の削減」や「待機時間の緩和」などといった改善交渉をしている声が挙がり、直近に迫ってきた「2024年問題」によって起こりうる様々な課題に対し、経営努力を行っていることが分かりました。
M&Aなどによるパートナーシップの検討については、78.0%の経営者が未検討となっており、経営課題解決策としてのM&Aの認知は低い実態が浮き彫りになりました。
厳しい経営環境の中、パートナーシップによる経営課題の解決や成長戦略など、M&Aを経営戦略の選択肢の一つとして正しく認知いただくことが、物流事業者の経営の一助になるのではないでしょうか。
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調査概要
調査概要:物流・運送業のM&Aの意識調査(2023年版)
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
調査期間:2023年5月10日〜同年5月11日
有効回答:物流・運送業の経営者100名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
≪利用条件≫
1 情報の出典元として「M&Aキャピタルパートナーズ株式会社」の名前を明記してください。
2 ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。
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主な調査結果
■物流・運送業界の先行きに対して、70.0%が「厳しくなる」と回答
「Q1.あなたは物流・運送業界の先行きに対してどのように感じていますか。」(n=100)と質問したところ、「現状維持」が14.0%、「厳しくなる」が70.0%という回答となりました。
■8割以上が、近年経営が厳しくなっていると実感
「Q2.燃料費、人件費、車両関連費の高騰、小口配送の増加などが利益を圧迫し、近年経営が厳しくなっていると感じていますか。」(n=100)と質問したところ、「はい」が83.0%、「いいえ」が7.0%という回答となりました。
■荷主企業に対する「運賃の値上げ交渉」に関する意向、半数以上が既に運賃交渉を実施と回答
「Q3.荷主企業に対する「運賃の値上げ交渉」に関する意向について教えてください。」(n=100)と質問したところ、「既に運賃交渉をしている」が52.0%、「運賃交渉をする予定がある」が19.0%という回答となりました。
■運賃交渉をする予定がない経営者の72.7%が、「今後、運賃の値上げ交渉をしたい」と回答
Q3で「運賃交渉をする予定はない」と回答した方に、「Q4.荷主企業に対する「運賃の値上げ交渉」を今後したいと思いますか。」(n=22)と質問したところ、「したいと思う」が72.7%、「したいと思わない」が27.3%という回答となりました。
■料金交渉の結果、約半数が「値上げしてもらった」と回答
Q3で「既に運賃交渉をしている」と回答した方に、「Q5.料金交渉の結果どうなりましたか。」(n=52)と質問したところ、「要望通り値上げしてもらった」が17.3%、「値上げしてもらったが要望より少なかった」が30.8%という回答となりました。
■運賃の値上げ交渉が決裂してしまった場合の対策、「コスト削減を徹底する」が62.1%で最多
Q5で「値上げしてもらったが要望より少なかった」「変化はなかった」と回答した方に、「Q6.運賃の値上げ交渉が決裂してしまった場合、利益確保のためどのような対策をしますか。(複数回答)」(n=29)と質問したところ、「コストを削減する」が62.1%、「採算が取れない、交渉に応じてくれない荷主企業の仕事からは撤退する」が44.8%、「運送効率を上げる」が41.4%という回答となりました。
■料金交渉の際に行った工夫、「法律による最低賃金の上昇の説明」や「標準的な運賃の使用」などの声
Q5で「要望通り値上げしてもらった」と回答した方に、「Q7.料金交渉の際に具体的にどのような工夫を行ったかお聞かせください。(自由回答)」(n=9)と質問したところ、「法律による最低賃金の上昇の説明」や「標準的な運賃の使用」などの回答を得ることができました。
■料金交渉が行えない理由、「荷主との力関係で運賃交渉をできる関係にない」が54.5%で最多
Q3で「運賃交渉をする予定はない」と回答した方に、「Q8.料金交渉が行えない(行わない)理由をお聞かせください。(複数回答)」(n=22)と質問したところ、「荷主との力関係で運賃交渉をできる関係にない」が54.5%、「取引がなくなる懸念がある」が45.5%、「取引量を減らされる恐れがある」が18.2%という回答となりました。
■値上げ交渉以外で、荷主に対して改善交渉していること、「時間外労働の削減」や「待機時間の緩和」などの声
「Q9.値上げ交渉以外で、荷主に対してなにか改善交渉をしていることはありますか。(自由回答)」(n=100)と質問したところ、「時間外労働の削減」や「待機時間の緩和」など81の回答を得ることができました。
■運賃交渉など経営課題を解決するために、約2割が他社とM&Aなどによるパートナーシップを検討
「Q10.運賃交渉など経営課題を解決するために、他社とM&Aなどによるパートナーシップ(提携)を検討したことはありますか。」(n=100)と質問したところ、「はい」が16.0%、「いいえ」が78.0%という回答となりました。
■仮にパートナーシップを検討する場合のふさわしい企業、約3割が「同業の大手企業」と回答
「Q11.仮にパートナーシップをご検討する場合、パートナーにふさわしい企業について教えてください。(複数回答)」(n=100)と質問したところ、「同業の大手企業」が26.0%、「同一エリアの企業(業種は問わない)」が15.0%、「自社とは異業種(製造業・卸売業・小売業)の大手企業」が12.0%という回答となりました。
【前回の物流業界の意識調査結果】(2023年10月調査実施)
迫る2024年問題!物流業界の課題とは? 物流・運送業の意識調査を実施
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M&A キャピタルパートナーズ 会社概要
M&Aキャピタルパートナーズは、中堅・中小企業の資本承継にお悩みの経営者様に寄り添いながら事業承継の選択肢の一つとしてM&A仲介サービスを提案し、実績を積み重ねてまいりました。 私たちが目指している”正しいM&A”とは、創業以来、お客さまのことを一番に考える“クライアントファーストのM&A”です。 「健全な日本経済の未来を実現するために“正しいM&A”をけん引していく」 これが私たちMACPの社会的存在意義、パーパスです。 |
・会社名 M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 ・設立 2005年10月
・代表者 代表取締役社長 中村 悟
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