ゼロ・マーキュリー・ワーキング・グループとクリーン・ライティング連合は、この提案を高く評価します。
ワシントン/ブリュッセル(2023年5月3日)- ゼロ・マーキュリー・ワーキング・グループとクリーン・ライティング連合は、ジュネーブで開催される「水銀に関する水俣条約第5回締約国会議」(COP5)に向けて、アフリカ地域が、現存する全ての直管形蛍光灯(LFL)の段階的廃止に向けた修正案(https://mercuryconvention.org/sites/default/files/documents/2023-04/EN_Africa_Amendment%20Proposal_Fluorescent%20lighting_March_2023.pdf)を提案したことを高く評価します。
この修正案は、水俣条約第4回締約国会議(COP4)で満場一致で決定された、2025年までにコンパクト形蛍光灯(CFLs) の段階的廃止目標を補足するものです。11月に可決されれば、COP5修正案は事実上、全世界ですべてのコンパクト形蛍光灯の製造と輸出を2026年までに廃止することになります。
修正案で提案されたカテゴリーの蛍光灯を、期限通りに段階的廃止できた場合の累積効果は、以下に示す通りです。
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3.00ギガトンの二酸化炭素の削減
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171兆円(約1.26兆米ドル)の電気料金の節約
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照明に使用される水銀および、照明のための電力消費削減により回避される石炭火力発電所からの水銀排出を含む、176メトリックトンの水銀汚染の防止
ゼロ・マーキュリー・ワーキング・グループの国際共同コーディネーター、エレーナ・リンベリディ=セッチモは、
「アフリカ地域によるCOP5の照明修正案は、水銀を含む照明が健康や環境に与える危険を制限するための最も効果的な戦略です。アフリカ地域および世界のほとんどの地域では、蛍光灯に含まれる水銀を適切に管理するためのリサイクル能力や資源がありません。蛍光灯製品の適用除外は、LEDという代替製品が広く普及した現在、不要であるといえます。有害な蛍光灯の製造、輸入、輸出を継続する正当化できる理由はないのです」
と述べています。
すべての蛍光灯には、有害かつ長期的な健康被害(https://cleanlightingcoalition.org/resources/mercury-in-fluorescent-lighting-report/)をもたらす恐れがある神経性毒物、水銀が含まれています。水銀は神経系、消化器系、免疫系に作用するため、世界保健機関の「公衆衛生上重大な懸念のある10の化学物質または化学物質群」のリスト(https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/mercury-and-health)に掲載されています。
また、破損や不適切な処理により、蛍光灯内の水銀は大気、土地、水を汚染し、労働者や地域環境をリスクにさらします。
クリーン・ライティング連合のキャンペーンリーダーであるレイチェル・カマンデは、
「私たちは、アフリカ地域が、クリーンな照明への移行においてリーダーシップを発揮していることに、賞賛の意を表します。水銀を含まないLED製品が安価になり、エネルギー価格が上昇した現在、投資回収期間はさらに短期化し、蛍光灯廃止の経済的根拠はより強固なものになっています」
と述べています。
LEDは蛍光灯に比べ、消費電力が半分かつ寿命が最大3倍と、現在の市場において最も省エネな照明です。消費電力が少ないため、電力網への負担が減少し、消費者にとっては電気代節約になるため投資の費用対効果も優れています。世界中で蛍光灯のLED化は進んでおり、ほぼすべてのニーズと既存の照明器具に対応する製品が販売されています。
世界の一部の大手照明企業は、今後10年間で生産を完全にLEDに移行する計画をたてていますが、いまだ多くの企業が蛍光灯を輸出し続けており、その多くは規制の緩い市場に輸出されています。アフリカ地域が提出した修正案は、世界のLED市場において、有害な照明からの公正かつ経済的な移行を促進するものです。
■ゼロ・マーキュリー・ワーキング・グループについて:ゼロ・マーキュリー・ワーキング・グループは、55カ国以上、110以上の環境・健康系NGOからなる国際的なワーキンググループです。人工的発生源からの水銀の供給・需要・排出をなくすことを目指し、協働しています。www.zeromercury.org
■クリーンライティング連合について: クリーンライティング連合(https://cleanlightingcoalition.org/)は、CLASP(https://www.clasp.ngo/)がコーディネートする国際共同体で、水銀をに関する水俣条約を通じて、水銀を使用する照明を撲滅し、国際市場が水銀フリーでエネルギー消費の少ない、コストパフォーマンスの良いLED照明に移行することを目的としています。
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