2022年7月7日
G20 EMPOWER日本共同代表
ニュースリリース
G20 EMPOWERジャパンは女性版骨太方針2022を支持します
令和4年版「女性活躍推進・男女共同参画重点方針(女性版骨太方針」および「男女共同参画白書」が公表されました。白書は様々なデータを今までにない切り口で分析し、人生100年時代の仕事、家庭のあり方をはじめとする生き方の見直し、男女共同参画の現状の課題と早急に変革を進める必要性を示唆しています。女性版骨太方針は白書の分析を踏まえ、1)女性の経済的自立、2)女性が尊厳と誇りを持てる社会の実現、3)男性の家庭・地域社会における活躍、4)女性の登用目標の達成を柱として、具体的な政策を提示しています。
G20 EMPOWERジャパンは女性版骨太方針2022を歓迎し、その実現を後押しします。特に女性の経済的自立と女性登用目標(経済分野)の達成についてはG20 EMPOWERが推し進めるグローバル共通の重要分野です。私たちは女性版骨太方針の中で、特に次の3点に注目しています。
第1に、女性の経済的自立を中核に据え、男女間賃金格差の是正に踏み込んで、従業員301人以上の企業と、国、地方行政機関に開示を義務化している点です。女性管理職比率、男性の育児休業取得率と併せてHPなどで公表し、上場企業は有価証券報告書に記載することを義務付けました。男女間賃金格差と女性管理職比率はG20 EMPOWERが2021年に注力すべきとして指定した5つのKPI(重要指標)注)にも含まれています。日本でもこれらを共通KPIとして府省庁の各種施策に紐づけることで、意思決定層への女性参画や男女間賃金格差是正の実効性を強めていくことが求められます。
第2に今回初めて男性を対象とした方針が政策の柱として盛り込まれたことです。これまでは、女性の活躍支援、女性の保護、女性から見たワークライフバランスの議論が大半でした。しかし、男性にとっても働きやすい環境の整備や、仕事一筋ではなく家庭や地域での居場所を作っていくことは個人や社会のウェルビーイングにつながります。ジェンダーに関係なく、個人がイキイキと働き生活する社会の実現には意思決定層の9割近くを占める男性の意識変革、行動変容を進めることが不可欠です。
第3はジェンダー統計の充実です。デジタル時代を迎え、データの質と量が重要な政策や戦略策定する際の決め手となります。しかし、これまでは官民ともデータ化が遅れており、手法が共通化していないなど課題がありました。特にジェンダー関連はデータ自体ない、あっても開示されていないなど、国内はもちろん国際比較も難しい状況です。ジェンダー・データの開示は、SDGs、ESGの観点からも避けられません。今夏公表される「ジェンダー統計の観点から性別欄検討ワーキング・グループ」の成果に期待します。
G20 EMPOWERジャパンは女性版骨太方針2022を支持するとともに、第5次男女共同参画基本計画にある政治、経済、科学・技術、教育、地域、国際関係など幅広い分野における女性登用目標が着実に達成され、豊かな未来が実現できるよう活動を続けてまいります。
注)G20 EMPOWERが2021年に注力すべきとして指定した5つのKPI(重要指標)
– 従業員に占める女性比率(あらゆる職階ごとに)
– 昇進における女性比率
– 賃金の男女格差
– 取締役における女性比率
– 専門的・技術的領域における女性比率
G20 EMPOWERの概要
名称: Private sector alliance for the Empowerment and Progression of Women’s Economic Representation(G20 EMPOWER)
概要: 日本が議長国を務めた2019年6月のG20大阪サミット首脳宣言において発足への歓迎と支持が明記され、2020年より本格的に立ち上げられた「経済・ビジネスにおける主要な役割を担う女性の増加とエンパワーメント達成のための民間セクターのアライアンス」
・民間ビジネスセクターの意思決定層、経営層における女性の活躍を推進
・G20諸国を中心として、民間企業・団体、政府関係機関とが連携
・G20首脳に対し、活動の進捗報告、提言
日本共同代表 アキレス美知子(SAPジャパン株式会社人事戦略特別顧問、横浜市参与、三井住友信託銀行株式会社社外取締役、男女共同参画連携協議会議長)
日本共同代表 塚原月子(株式会社カレイディスト代表取締役)
アドボケート(G20 EMPOWERの活動への賛同者):
企業・経済団体等36社・団体(2022年7月4日現在)
報道関係からのお問い合わせ先
日本共同代表 塚原月子 info@kaleidist.com