栃木市ならびに隣接する計6自治体、国土交通省、消防関係者と共に、ドローン、位置映像共有システム、トランシーバーアプリ、通信衛星など、最先端テクノロジーを活用した残火確認で、燃焼面積は15㎢(東京ドーム約320個分)と国内でも最大規模となった。
※残火確認動画:https://youtu.be/TOz7sVepdSk
渡良瀬遊水地は、栃木県の南端に位置し、栃木・群馬・埼玉・茨城の4県にまたがる面積33km²、総貯水容量2億m³の国内最大の遊水地。ヨシ焼きを実施する目的は、遊水地の樹林化防止、希少植物の保全、農作物に被害を及ぼす病害虫の駆除、野火の防止、良質なヨシの生育。
これまでの残火確認は、広大な面積のため高台からの目視では小火の確認ができず、鎮火を確実に実施するため、翌日朝方まで残火確認に時間を要することもあった。
参画企業6社は、主催の渡良瀬遊水地ヨシ焼き連絡会からの作業協力依頼を受け、各社の技術を結集させた万全の体制で作業実施。まず、ドローン5台を活用し、各離発着地点を設定し、ドローン監視体制をとった。ドローンに搭載する高画質カメラで可視化、赤外線カメラで小火の情報も取得し、低遅延映像配信サービス (ZaoCloud)、トランシーバーアプリ(BuddyCom)を活用し、管理本部ならびに消防関係者へ、リアルタイムかつ的確な位置・映像情報提供を可能とした。また通信環境が万全ではない地点においても、高画質な映像伝送を行うために、SpaceX社(CEO:イーロン・マスク)のスターリンク(衛星通信)を設置し、円滑な映像伝送を実現した。
なお、これらの、ドローンオペレーションシステムを活用したことで、広大な渡良瀬遊水地内(面積33km²)において、31箇所の残火場所の位置情報を消防関係者へ提供、そして前年のドローン活用残火確認時よりも、監視効率を向上させた結果、2時間の業務短縮を可能とした。地上からの目視確認での長年の課題を解決できたのは、ドローンの有効な活用であった。なお、ドローン活用前は明朝まで残火確認を実施することもあった。
今後も、これらの最先端技術を防災、救命救助などの緊急性を要した用途、さらには老朽化が進む工場・プラント点検等へも技術応用し、社会課題に取り組む。
※主催:渡良瀬遊水地ヨシ焼き連絡会
※参画企業:藤成測量株式会社、株式会社スカイブリッジ、株式会社ヘキサメディア、アイエイチプランニング株式会社、NTTコミュニケーションズ株式会社、一般社団法人DPCA (ドローン撮影クリエイターズ協会)