インドネシアのスキンケア市場は、拡大しています。市場と消費者のデータに特化したオンラインプラットフォームStatitaのレポートによると、ビューティー&パーソナルケア市場の売上は、2022年に72億3000万米ドル(約9,700億円)で、市場は毎年5.81%成長すると予想されています(2022年から2027年までの年間成長率)。SK-IIやSENKA、ビオレなど、日本のブランドもインドネシアに進出しています。
今回は、上記の状況を踏まえて、インドネシア人女性のスキンケアの習慣やどのようなスキンケア製品が求められているかなど、アンケート調査によってより詳しく明らかにしていきました。
◾️調査方法・回答者の概要
◾️アンケート結果
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10代からスキンケアを実践する人が約5割。若い年齢からスキンケアが習慣化
スキンケアを20歳未満から始める人(47%)、20〜25歳から始める人(34%)、26〜30歳から始める人が(13%)でした。また、回答者が自認する肌タイプはオイリー肌(40%)、混合肌(29%)、ニキビ肌(21%)が多い結果となりました。
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スキンケアにかける費用は900〜2,250円!特にミレニアム世代とアッパー層は高い予算をかける傾向に
900〜2,250円をスキンケアにかけるのはミドル層とZ世代において顕著なことが判明しました。また、アッパー層とミレニアム世代はスキンケアにより高い予算(2,250〜3,600円)を支払う傾向にあることが明らかになりました。
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※ブライトニング美容液やビタミンC 、※アクネケア美容液が人気。美白効果を求める傾向に
※ブライトニングとは、肌を明るく見せる、ツヤ感を出すこと。
※アクネケアとは、ニキビができやすい部分を速攻集中ケアすること。
収集したデータによると、ブライトニング美容液(59%)、ビタミンC(41%)、アクネケア美容液(40%)が人気だということがわかりました。ビタミンC美容液を含むブライトニング効果が期待される美容液は、ミレニアル世代、オフィスワーカー、アッパー層が使用する傾向にあります。また、アクネ美容液はZ世代、オフィスワーカー、ミドル層によってより多く使用されています。
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オンラインとオフラインを駆使してスキンケア情報を収集
美容液に関する情報はオンラインチャンネルで収集(93%)していることが判明しました。そのなかでもeコマース(60%)、Instagram(51%)、TikTok(42%)が収集源として上位に上がりました。また、オフラインチャネルで収集(59%)も重要視されており、ドラッグストア(34%)、友人や家族(27%)が情報源のトップに入っています。
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効果と品質を重視してスキンケア製品を選択
回答者たちによると、効果(31%)と品質(26%)が美容液を購入する際に考慮される要素となっています。一方で、考慮しない要素としてブランドアンバサダー(52%)や製品の製造地(13%)が挙げられました。
◾️アンケート調査を踏まえての見解
カケモチはアンケート調査の結果を踏まえて、インドネシアのスキンケア市場には2つの傾向があると考えました。
1つ目は、メディアの影響により明るくて白い肌にあこがれる女性が増加していると推測します。インドネシアでは韓国ドラマやK-POPが人気で、Statitaの調査によるとYoutubeにおけるK-POP動画の国別再生回数は、インドネシアが2位となっています。このようなメディアの影響もあり、明るい肌色を求めるがゆえに、ブライトニングや紫外線対策を軸としてスキンケア製品を選ぶ人たちが多くなっていると考えています。
2つ目は、数年前までは「安い・手頃」を重視する傾向にありましたが、所得の増加も影響して「質・効果」を求めるようになったと推測します。インドネシアの一人当たりのGDPは2015年においては3,369.798米ドル(約445,335円)だったのが、2022年には4,783.269米ドル(約632,132円)まで増加しています。今後もインドネシアの一人当たりのGDPは増加すると予測されており、スキンケアにかける予算も増えると考えられます。
さらには、インドネシアのスキンケアに関するニュースを見ていくと、「グリーン〇〇」のようなキャンペーンを実施するメーカーや環境に配慮したブランドを立ち上げる動きも見られます。若い世代を中心に環境問題や社会の持続可能性に関心が高くなっていることが影響していると考えられます。今後、安さを重視するよりも、メーカーやブランドの姿勢に注目して、個人の価値観に沿った商品を選んでいく傾向が強まると予想しています。
今回のアンケート調査結果の詳しい資料を配布しています。興味がある方は、下記のページからダウンロードしてください。
https://kakemochi.co.jp/member/member_3772/
◾️株式会社カケモチについて
日本企業のインドネシアへの進出前・進出後の支援を行っています。進出前にはインドネシア人にアンケート調査やテスト販売を実施したり、進出後にはSEO対策やWeb広告運用、SNSアカウント運用など幅広くWebマーケティング施策の支援をしています。他にも、日本語学習中のインドネシア人向けWebメディアやSNSを運用。Instagramは約6万6000人、Twitterは約1万7000人のフォロワーがいます。インドネシア人従業員も多数在籍しており、ローカルマーケットを深く理解していることを強みとしています。
◾️会社概要
会社名:カケモチ株式会社
事業内容:Webマーケティング事業、メディア事業、訪日インバウンド事業
代表者名:柳沢 孝一
所在地:〒151-0051 福岡県福岡市中央区大手門2丁目1-11NX福岡大手門テラス7階
URL:https://kakemochi.co.jp/