NPO法人シングルマザーズシスターフッド シングルマザーのための未来へのファーストステップを応援するプログラム「シングルマザーズ デジタル キャンプ」を開催

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シングルマザーの体と心のセルフケアを支援するNPO法人シングルマザーズシスターフッド(東京都国立市、代表理事:吉岡マコ)は、2023年5月~10月にかけ、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県以外に在住の10代~30代のシングルマザーを対象に「シングルマザーズ デジタル キャンプ」をオンラインで開催します。

本講座は、2022年に一般社団法人グラミン日本が休眠預金等活用法に基づく資金分配団体として採択を受けて実施する「シングルマザーのデジタル就労支援」事業の一環です。そのため、受講料は全額免除。10代~30代のシングルマザーの参加者を募集します。

「シングルマザーズ デジタル キャンプ」は、シングルマザーが心身のセルフケアや自己表現のスキルを身につけながら、信頼できる仲間との出会いを通して、人生の手綱を自分で握り、生きる力を取り戻すための講座です。第1回~第8回では、オンラインツールを用いた学びを中心とし、そのうち1回は関東近郊で開催予定の一泊二日の子連れ合宿を開催。最終発表会のプレゼンテーションでは、講座での学びを振り返りながら、今後のビジョンを発表します。プレゼンテーションを通し、自分自身が持つ本来の力に気づくことで、自分らしく社会と繋がり自立できるようになることをサポートします。

詳細・お申込みはこちら:https://womentechempower.org/youngmom

「シングルマザーズ デジタル キャンプ」講師の紹介

今回ご紹介するのは、第1回「自分らしく生きるための心と体をつくる」、第5回「シングルマザーの恋愛、互いを大切にするパートナーシップ」、第6回「人の心を動かすプレゼンテーション、3カ年計画」、第7回「リーダーシップ、合宿前オリエンテーション」、第8回&最終回予行の講座を担当する吉岡マコさんです。

━━━普段はどのような活動をしているのでしょうか?

シングルマザーの心と体のセルフケアを支援をする、シングルマザーズシスターフッドの代表理事を務めています。シングルマザーは、仕事や家事、子育ての責任を一人で担う中で、どうしても自身のケアをあとまわしにしがちになります。母親が健康で自分らしく生きていくことは、子どもにとっても良い影響があります。子どもたちのためにも、シングルマザーが自分自身を大切にし、本来の力を発揮することで、自分らしく生きられるような支援を行っています。
 

オンラインでのセルフケア講座の様子オンラインでのセルフケア講座の様子

━━━シングルマザーズ デジタル キャンプではどのような内容の講座を実施される予定ですか?

第1回の「自分らしく生きるための心と体をつくる」は、体のケアに加えて、カウンセラーの高橋ライチさんを講師に迎えて、心のケアを学びます。シングルマザーは、元配偶者から受けたDVや、離婚前のトラブル、死別などによって、心の傷や重いトラウマを抱えている方が少なくありません。

1970年代に、アメリカの臨床心理学者マーシャル・B・ローゼンバーグ博士によって体系化されたNVC(Nonviolent Communication=非暴力コミュニケーション)では、怒りや悲しみといったネガティブな感情も、ポジティブな感情と同じように、大切に扱われるべき情報だと、提唱されています。ネガティブな感情を抑え込んだり、コントロールしたりするのではなく、感情から自分が大切にしているものを読み取っていくことが重要。自分の感情の扱い方、感情のケアの仕方を知ってもらうという講座です。

第5回「シングルマザーの恋愛、互いを大切にするパートナーシップ」では、シングルマザーにとって、関心度は高いけれど、話題にしづらい、”恋愛”が題材です。こちらも経験豊富な高橋ライチさんを講師に迎えています。

恋愛はもう懲り懲りという人もいれば、今度こそ良い人と出会いたいという人もいますが、まず、シングルマザーが新しいパートナーを持つ際には、子どもの身の安全を第一に考えなければなりません。また、パートナーとの関係性に対する振り返りをしないまま、寂しいから、他の人もしているからといった理由から恋愛をしてしまうと、良くない結果につながる可能性もあります。健全な対人関係を築けるようになった上で、幸せなパートナーシップを築くための学びが得られる講座になると思います。
 

第6回「人の心を動かすプレゼンテーション、3カ年計画」、第7回「リーダーシップ、合宿前オリエンテーション」、第8回「~合宿(リアルキャンプ)~身体の声をきく~ 1泊2日 関東近郊」は、講座の最終回である、最終プレゼンテーションのためのステップです。

プレゼンスライドの作成方法や、リーダーシップという視点で自分の力を発揮するという術を学び、、1泊2日のリアル合宿に臨みます。合宿では、実際にみんなで体を動かしたり、様々なワークに取り組んだり、親子ぐるみで交流したり、リアルに集まることで生じるシナジーを体験し、お互いに刺激を受けることができるでしょう。最終回のプレゼンテーションでは、講座に参加して学んだこと、今後のビジョンを一人一人が発表します。

━━━講座を開催したきっかけについてお聞かせください。

世間ではシングルマザーの貧困問題がクローズアップされていますが、貧困というのは実は氷山の一角です。過去のDVの後遺症による精神的な痛みやトラウマ、自身の家族との問題、将来への不安、身体的な疲れなど、シングルマザーの抱える問題は多様です。さらに、社会的な疎外感だったり、ひとり親ということで差別を受けることもあります。

2020年から、シングルマザーのためのセルフケア講座を334回開催し、参加者数はのべ2249人となりました。パンデミックの中で、期間限定の試みとして始まりましたが、予想以上のニーズの高さに触れ、多方面から支援をいただきながらシングルマザーに向き合い続けてきました。
 

シングルマザーズシスターフッドの前身となるNPO法人マドレボニータでの活動シングルマザーズシスターフッドの前身となるNPO法人マドレボニータでの活動

講座に対する感想では、「セルフケアは自分には贅沢だと思っていました」という声が多く、自分をケアすることに罪悪感を持っていた方が、非常に多くいることがわかりました。自分自身を大切にする必要があることを、誰かが助言し、サポートしていく必要があると考えています。

また、「自分以外のシングルマザーにここで初めて出会いました」という声もありました。シングルマザーであることを周りに明かせず、社会的に孤立してる方も多いです。だからこそ、シングルマザーということを隠さずに、安心して自分らしくいられる場所を、この講座を通して提供できればいいなと思っています。

━━━参加者の方にメッセージをお願いします。

私自身も25歳でシングルマザーになり、生きていくことが大変だと実感したこともありました。一方で、同じシングルマザーの仲間や友達に支えてもらいました。

 

赤ちゃんだった息子も25歳に赤ちゃんだった息子も25歳に

仲間との連帯が、自分自身を成長させてくれたという経験があるので、講座は仲間と一緒に切磋琢磨する場であるということを重視しています。仲間と一緒に学ぶことで、自分にはなかった視点に気づけたり、仲間の頑張りに刺激を受けて頑張ろうと思えたり。グループのエネルギーというのは、すごく大きいです。

講座での”つながり”が、今だけではなく、子育ての過程でも、子育てが終わってからも、10年、20年と続いていくようなものになっていくかもしれません。今回、参加するシングルマザーの皆さんには、そういった”つながり”も是非、育んでもらいたいと思っています。

講師プロフィール

 

代表理事の吉岡マコ代表理事の吉岡マコ

1972年生まれ。 埼玉県出身。 東京大学文学部で身体論を学び、96年に卒業後同大学院生命環境科学科で運動生理学などを学びつつ、学外でヨガ、東洋医学、ダンスセラピーなど、さまざまなボディワークを学ぶ。自らの経験をもとに設立したNPO法人マドレボニータで22年間産後ケアの普及や啓発に尽力。2020年に同法人の代表を退きシングルマザーを支援する団体を設立。シングルマザーのセルフケアや自立支援、リーダーシップ開発など活動の幅を広げている。
 

 

 

 

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